規制を守っている家なら安心なのでしょうか

住まいづくりの際、住宅会社や担当者から

「今の建材は規制されているから大丈夫」

「F☆☆☆☆の建材なら安心」

「建築基準法を守っている家なら問題ない」

などのように説明されたことはありませんか。

法律や基準を守ることは大前提です。建築基準法に適合していること。

シックハウス対策のルールを守っていること。必要な換気計画がされていることなど。

これらは、住まいづくりにおいて欠かせない基本です。

ただ、ここで考えておきたいことがあります。

それは、規制を守っている家が、そのまま「身体への負担が少ない家」と言い切れるわけではない、ということです。

京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」では、住まいの安心を法律や基準だけで考えるのではなく、実際に暮らす人の体感や空気感まで含めて考えることが大切だと考えています。

結論|規制を守ることと、身体への負担が
少ないことは同じではありません

結論から言うと、建築基準法やシックハウス対策の規制を守っている家でも、身体への負担が少ないわけではありません。

規制はあくまで一定の基準を満たすためのルールだからです。

誤解のないように書きますが、規制を守ることは大切です。

しかし、それは「すべての人にとって空気が心地よい」「においが気にならない」「化学物質の影響をまったく受けない」という意味ではありません。

住まいの空気質は、さまざまなものに左右されています。

床材。壁材。

接着剤。塗料。

家具。カーテン。

収納。換気。

湿度。温度。

暮らし方。住まいの周囲の環境。

こうしたものが重なって、家の中の空気はつくられます。

だからこそ、住まいづくりでは「基準を満たしているか」だけでなく、「毎日そこで暮らす人にとって、負担が少ない空気になっているか」を考えることが大切です。

シックハウス対策の規制は大切な基準です

国土交通省のパンフレット

まず誤解してはいけないのは、規制が意味のないものではないということです。

シックハウス対策のために、建築基準法ではホルムアルデヒドを発散する建材の使用制限などが定められています。

また、クロルピリホスのように、居室での使用が禁止されている物質もあります。

これらの規制があることで、かつて問題になったような極端な化学物質の放散を抑える仕組みがつくられていきました。

つまり、法律や基準を守ることは、住まいづくりの最低限の安心です。

ここを軽く考えてはいけません。

ただし、最低限の安心と、暮らす人にとっての心地よさは同じではありません。

F☆☆☆☆なら化学物質がゼロ
という意味ではありません

住まいづくりの中でよく出てくる言葉に、F☆☆☆☆(フォースター)があります。

F☆☆☆☆は、ホルムアルデヒドの発散量が少ない建材として扱われる等級です。

この表示があると、

「化学物質が出ない建材」と思われることがあります。

しかし、F☆☆☆☆は「化学物質がゼロ」という意味ではありません。

あくまで、ホルムアルデヒドの発散量に関する等級です。

その他に、住まいの中にはホルムアルデヒド以外にもさまざまな化学物質が関係しています。

接着剤や塗料、家具、カーテン、生活用品などからも、においや揮発成分が出ることがあります。

つまり、F☆☆☆☆の建材を使っているから、家の中の空気の負担がすべて少なくなる、とは言い切れないのです。

法律で見ている範囲と、
暮らしで感じる空気は違います

法律や基準は、住まいを安全に建てるための大切なルールです。

しかし、法律が住まいのすべての空気感を見ているわけではありません。

たとえば、

新築特有のにおいが気になる。

室内に入ると空気が重たく感じる。

収納の中のにおいが気になる。

家具や建具のにおいが気になる。

リフォーム後に接着剤や塗料のにおいが残る。

こうした感覚は、暮らす人によってかなり違います。

同じ空間にいても、何も感じない人もいれば、においに敏感な人もいます。

こどもや高齢の方、体調によっても感じ方は変わるかもしれません。

住まいの空気を考えるときは、法律上の基準だけでなく、実際に暮らす人の感じ方も大切にしたいところです。

化学物質は建材だけでなく
暮らしの中にもあります

住まいの化学物質というと、建材だけをイメージするかもしれません。

しかし、家の中の空気に影響するものは建材だけではありません。

家具。カーテン。ラグ。

収納用品。芳香剤。防虫剤。

洗剤。スプレー類。

家電や日用品。

こうしたものも、室内の空気に影響しています。

つまり、建物だけを整えればすべて解決するわけではありません。

住まいづくりでは、建材を選ぶこと。

換気を考えること。

湿気をこもらせないこと。

においがこもりやすい収納をつくらないこと。

暮らし始めてから持ち込む家具や日用品にも意識を向けること。

こうした視点が大切です。

換気をすればすべて解決するわけでもありません

シックハウス対策では、換気が大切です。

家の中の空気を入れ替えることで、室内にこもる化学物質やにおい、湿気を外へ出しやすくなります。

しかし、換気をすればすべて解決するわけではありません。

そもそもシックハウスの原因である化学物質の発生源が多ければ、換気に頼り続けることになります。

さらに換気経路が悪いと、空気がうまく動かない場所も出てきます。

収納の中。洗面脱衣室。

寝室。こども部屋。

家具の裏。

こうした場所に空気がこもると、においや湿気が残りやすくなります。

だからこそ、換気だけでなく、化学物質をできるだけ少なくする素材選びや、空気が動きやすい間取り、湿気がこもりにくい収納計画も一緒に考える必要があるわけです。

自然素材を使えば絶対に安心、
という話でもありません

ここで大切なのは、
では自然素材なら何でも良いのか、という話ではないことです。

自然素材にも特徴があります。

無垢材にも香りがあります。

木の香りが好きな人もいれば、強く感じる人もいます。

自然素材で家を建てればメンテナンスも必要です。

だから、自然素材を使えば絶対に安心という伝え方は正しくないわけです。大切なのは、素材の特徴を理解して選ぶことです。

あまねこうが自然素材や無添加住宅を大切にしているのは、「自然素材だから良い」と言いたいからではありません。

身体への負担をできるだけ減らすために、何を使い、何を使わないかを考えたいからです。

無添加住宅は「使わないもの」
を考える住まいづくりです

無添加住宅というと、漆喰や無垢材など、使う素材に目が向きやすいと思います。

もちろん、どんな素材を使うかは大切なのですが、それと同じくらい大切なのが、何を使わないかです。

できるだけ化学接着剤に頼らない。

できるだけ化学物質の発生源を減らす。

できるだけ空気に負担をかけにくい素材を選ぶ。

この考え方が、無添加住宅の大切な部分だと思います。

住まいの空気を整えるためには、
「発生源はあるから後から換気で」というようなことではなく、最初から発生源を少なくすることが大切です。

見た目のデザインや性能だけで建材を選ばず、家の中の空気をどう捉えるか。

そこまで考えることが、これからの住まいづくりでは大切だと思います。

身体への負担が少ない家は、
数字だけでは判断できません

住まいの安心を考えるとき、基準や数値は大切です。

しかし、数字だけで暮らしの心地よさが決まるわけではありません。

におい。空気の重たさ。

湿気。温度差。

素材の手触り。掃除のしやすさ。

暮らしていると、数字では表しにくい感覚があります。

身体への負担が少ない住まいを考えるなら、建築基準法を守ることに加えて、実際に暮らす人の感じ方まで見ていくことが大切です。

規制を守っているか。

どんな建材を使うか。

どんな接着剤を使うか。

どんな家具を置くか。

どんな換気計画にするか。

湿気がこもりにくいか。

においが残りにくいか。

こうしたことを一つずつ考えていくことで、毎日の暮らしやすさは変わっていきます。

まとめ|規制を守ることは大前提。
その先の空気まで考えたい

規制を守っている家は、住まいづくりの大前提です。

建築基準法に適合していること。

シックハウス対策のルールを守っていること。

必要な換気が計画されていること。

これらはとても大切です。

しかし、それだけで「身体への負担が少ない家」と言い切れるわけではありません。

F☆☆☆☆の建材を使っていても、化学物質がゼロになるわけではありません。

法律で見ている範囲と、暮らす人が感じる空気の負担は同じではありません。

住まいづくりでは、規制を守ることに加えて、その先の空気まで考えることが大切です。

どんな素材を使うか。

何を使わないか。

換気や湿気をどう考えるか。

その他、暮らす人にとって、毎日心地よく過ごせるか。

毎日が心地いい、には理由があります。

化学物質と住まいづくりを考えることは、見えない空気を考えることでもあります。

規制を満たすだけで終わらせず、その家で暮らす人の身体への負担をできるだけ減らす視点を大切にしたいと思います。

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京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。

たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。

土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

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