
コーラルストーンと呼ばれる天然石があるのをご存知でしょうか。
実は、この天然石ならではの特徴を活かした住まいづくりがとても楽しいんです。
コーラルストーンを壁の一部に取り入れるだけで、空間の印象が大きく変わります。
表面を平らに整えたフラットと、凹凸を残したラフがあり、上品な壁から存在感のあるアクセントウォールまで幅広く表現できます。
結論から書きます。
コーラルストーンの魅力は、天然石ならではの模様や陰影を活かしながら、内装と外装の両方をデザインできること。
さらに、多孔質な石材であることから、消臭や吸湿といった機能も魅力です。
みなさんこんにちは。京都市で無添加住宅を手掛ける「あまねこう」です。
この記事では、一般的な素材解説とは順番を変え、まずコーラルストーンのデザイン性と使い方を紹介します。
記事後半では、何からできているのか、砂岩との違いも含めて詳しく解説しますので、みなさんの住まいづくりにお役立てください。
コーラルストーンは壁のアクセントに向いている
コーラルストーンは、壁全面に施工するだけでなく、一部分へ取り入れて空間の視線を集める使い方に向いています。
石の色や模様を印刷した壁材ではありません。
本物の天然石を加工しているため、一枚ごとの色合いや質感がわずかに異なります。
無添加住宅では、石に含まれる化石や色の違い、貼り方によって、一つとして同じにならないデザインが生まれるのが特徴です。
フラットは上品で落ち着いた壁をつくりやすい

コーラルストーンフラットは、表面を平らに加工したタイプです。
凹凸が少ないため、天然石の存在感を残しながらも、すっきりと整った印象に仕上げやすくなります。
リビングのテレビ背面やダイニングの壁、玄関の正面など、視線が集まる場所に使うと効果的です。
(後述で詳しく説明します)
石の表面にはサンゴや貝の化石が見えることがあり、近くで見たときにも天然素材ならではの表情を楽しめます。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭ならちょっとした化石探しもできるのも人気です。
フラットは、白い漆喰や無垢材とも合わせやすいデザインです。石の主張が強くなりすぎないため、ナチュラル、和モダン、リゾート調など、さまざまなインテリアに取り入れられます。
ラフは凹凸と陰影で存在感を出せる

コーラルストーンラフは、フラットよりも厚みがあり、表面に凹凸を残したタイプです。
光が当たると石の出っ張りによって影が生まれ、壁に立体感が出ます。
昼間は窓から入る自然光、夜は壁を照らす間接照明によって、異なる表情を楽しめるのが特徴です。玄関やリビングの一角などに使えば、壁面が空間の主役になります。
フラットの中にラフを部分的に組み合わせる方法もあります。全面を凹凸のある石にするより落ち着きがありながら、単調になりにくいデザインです。
| 比較項目 | フラット | ラフ |
|---|---|---|
| 表面 | 平らに加工されている | 厚みと凹凸がある |
| 印象 | 上品、すっきり、落ち着き | 重厚、立体的、存在感 |
| 光の見え方 | 均一で穏やか | 陰影がはっきり出やすい |
| 合わせやすい場所 | リビング、ダイニング、洗面台まわり | 玄関、テレビ背面、吹き抜け |
| 使い方 | 広い面積にも取り入れやすい | 壁の一部やアクセントに向く |
| 注意点 | 目地や石の模様が印象を左右する | 凹凸部分にほこりがたまる場合がある |
どちらが優れているということではありません。
空間を整えて見せたい場合はフラット、素材感を強く見せたい場合はラフというように、完成させたい雰囲気から選ぶことが大切です。
フラットとラフを組み合わせることもできる

コーラルストーンは、フラットとラフを混ぜて遊ぶことも可能です。
フラットを基本にしてラフをアクセントとして入れたり、長さの異なるフリーサイズを横方向に張ったりすることで、デザインに変化をつけられます。
天然石は、カタログの小さなサンプルだけでは完成後の見え方を判断しにくい素材です。
採用するときは、実際の施工例やサンプルを見ながら、石の色幅や凹凸を確認しましょう。
コーラルストーンは内装と外装の両方に使える

コーラルストーンは、室内のアクセントウォールだけでなく、外壁にも使用できる天然石です。
無添加住宅では、内壁と外壁の両方に使用することが多々あります。
筆者中川の個人的好みでは、いくつもある天然石の種類の中でもお気に入りの素材です。
コーラスストーンはフラットとラフを使い分けて「しつこくないアクセント」を生み出せるのが大きな理由です。
内装では視線と空間の役割を意識する
室内では、壁一面に施工するよりも、視線が集まる場所へ絞って使うとデザインをまとめやすくなります。
たとえば、次のような場所が考えられます。
- 玄関を入って正面に見える壁
- リビングのテレビ背面
- ダイニングの一面
- キッチンカウンターの腰壁
- 洗面台まわり
- ニッチや飾り棚の内部
- トイレやシューズクロークの壁
1つの部屋でアクセントを増やしすぎると、それぞれの素材が競い合って落ち着かない空間になってしまいます。コーラルストーンを主役にするなら、周囲の壁や床はシンプルにデザインすると、天然石の表情が引き立ちます。
外装では自然な色むらが建物の表情になる
外装にコーラルストーンを使うと、漆喰だけで仕上げた外壁とは違う重厚感を加えられます。
玄関まわりや建物の一部分に施工すれば、外観全体を石張りにしなくても、立体感や高級感を演出できるのが嬉しいです。
天然石の色むらや化石の模様が、人工的に均一な外装材とは異なる表情をつくります。
一方で、屋外は雨や紫外線、風、地域によっては凍結の影響も受けます。
外装へ採用する場合は、屋外施工に対応した仕様であることを確認し、施工実績のある住宅会社へ相談することが大切です。
消臭効果を期待して設置場所を選べる
コーラルストーンは、表面に細かな穴が多い多孔質な石材です。
無添加住宅では、この構造によって消臭効果があることを確認しています。においが気になる玄関やシューズボックス周辺への採用で効果が期待できます。
ただし、コーラルストーンを施工すれば、室内のにおいがすべてなくなるわけではありません。
消臭性能は、施工面積、においの種類、換気状況、室内の湿度などによって感じ方が変わる可能性があるのでご注意ください。
玄関やトイレ、ペットの生活スペースなどに使う場合も、掃除や換気を基本とし、その働きを補助する自然素材として考えるのが適切です。
コーラルストーンは何からできている?
コーラルストーンの見た目や機能には、石ができた過程が関係しています。
名前から、現在の海にあるサンゴを採取して固めた建材と思われるかもしれません。しかし、無添加住宅で使われるコーラルストーンは、サンゴや貝などが長い年月をかけて堆積し、固まってできた天然石です。
コーラルストーンは砂岩ではなく石灰岩
コーラルストーンは、砂岩ではなく石灰岩に分類されます。
砂岩は、砂粒が堆積して固まった岩石です。
一方、石灰岩は炭酸カルシウムを主成分とし、サンゴや貝などの石灰質な殻が堆積してできたものがあります。
| 比較項目 | コーラルストーン・石灰岩 | 砂岩 |
|---|---|---|
| 主な成り立ち | サンゴや貝などの石灰質な物質が堆積 | 砂粒が堆積して固まる |
| 主成分 | 主に炭酸カルシウム | 主に石英など |
| 見た目 | 化石や細かな穴が見られることがある | 砂粒によるざらつきが見られる |
| 建築での用途 | 内壁、外壁、装飾材など | 外壁、床、装飾材など |
| 注意点 | 酸性の液体や洗剤に注意が必要 | 石の種類によって吸水性が異なる |
サンゴや貝の化石が模様になる
コーラルストーンには、長い年月の中で堆積したサンゴや貝などの痕跡が残っています。石を切り出した面には、それらが模様として現れます。
石材に含まれる海洋生物の化石によって、模様、質感、厚み、色にばらつきが生じます。
こうした違いは、工業製品では不良や誤差と判断されてしまいます。しかし、コーラルストーンでは、一枚ごとに異なる個性がデザインの一部なのです。
均一さを求める場合には不向きです。しかし自然素材の色幅や経年変化を楽しみたい方には魅力的な壁材です。
多孔質な構造が吸湿・消臭の特徴につながる
コーラルストーンの表面や内部には、細かな穴があります。
この多孔質な構造が、水分やにおいの成分と接触する面積を増やし、吸湿や消臭といった特徴につながると説明されています。
ただし、吸湿できる水分量には限界があります。自然素材を使っていても、室内干しや換気不足によって湿気が増え続ければ、素材だけでは対応できません。
コーラルストーンは、換気や除湿の代わりになる設備ではなく、室内環境を整える働きを期待できる仕上げ材として取り入れることが大切です。
まとめ
コーラルストーンは、無添加住宅の壁を印象的に仕上げられる天然石です。
フラットは上品で整った空間に、ラフは凹凸と陰影を活かした存在感のある空間に向いています。
整理すると、
- 壁の一部に使うだけでも空間のアクセントになる
- フラットは平らで、すっきりとしたデザインに向く
- ラフは凹凸があり、光による陰影を楽しみやすい
- フラットとラフを組み合わせることもできる
- 内装と外装の両方に使用できる
- 多孔質な構造による消臭・吸湿効果が期待されている
- コーラルストーンは砂岩ではなく、サンゴや貝の化石を含む石灰岩
- 天然石のため、一枚ごとに模様や色、厚みが異なる
コーラルストーンを選ぶときは、機能だけでなく
「どこに視線を集めたいか」
ということから考えると、素材の魅力を活かしやすくなります。
まずはフラットとラフの実物を見比べ、照明が当たったときの陰影や、周囲の漆喰・無垢材との組み合わせを確認してみましょう。
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この記事を書いた人

中川 高士
中川 高士(あまねこう代表)
大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。
営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。
10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。
【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員
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