ドッグランで遊ぶチワワとパピヨン

「自宅の庭で愛犬を遊ばせたい」

犬を飼っている方ならそう思ったことは多々あると思います。

さて、そんな夢が具体的になってきた時、
自宅の庭にドッグランをつくるとき、人工芝にするか、天然芝にするか迷う方は多いでしょう。

人工芝は見た目が整いやすく、泥汚れを抑えられる一方、実は夏の暑さや排水、犬のおしっこの処理には注意が必要です。

結論からいうと、人工芝は自宅ドッグランの有力な選択肢ですが、すべての犬・すべての庭におすすめできるわけではありません。

特に日当たりのよい庭では表面温度、排泄場所として使う場合は排水と掃除のしやすさを確認する必要があります。

人工芝・天然芝・土・砂利にはそれぞれ長所があるため、愛犬の過ごし方と飼い主の手入れのしやすさから選ぶことが大切です。

みなさんこんにちは。京都市で愛犬家住宅を手掛ける「あまねこう」です。今回は愛犬が遊ぶドッグランの人工芝についてをポイントについて解説します。

自宅ドッグランに人工芝はおすすめ?

ロール巻きになっている人工芝

さて、早速なのですが人工芝が向いているのは、

「一年を通して庭を使いたい」
「雨のあとに泥だらけになるのを減らしたい」
「芝刈りの手間を減らしたい」というご家庭です。

一方で真夏の日当たりが強い庭や、排泄場所を兼ねるドッグランでは、人工芝を敷くだけでは快適な環境にならないので注意が必要です。

人工芝のメリットは手入れと使いやすさ

人工芝の大きなメリットは、
天然芝のような芝刈り、施肥、枯れた部分の補修が基本的に必要ないことです。

地面全体を人工芝で覆えば、犬が走ったあとに土が掘れたり、雨上がりに泥が室内へ持ち込まれたりすることも抑えやすくなります。

また、犬が同じ場所を繰り返し走っても、天然芝のように踏圧で芝が薄くなる心配を減らせます。庭の見た目を一年を通して一定に保ちやすいことが、人工芝を選ぶ理由になります。

ただし、人工芝は「手入れ不要」ではないんです。 落ち葉や毛の掃除、排泄後の処理、必要に応じた水洗いなどは必要です。

最大の注意点は夏の表面温度

人工芝で特に注意したいのが、夏の暑さです。

人工芝に関する研究では、日射を受けた人工芝の表面温度が天然芝より高くなることが繰り返し報告されています。

2024年のシステマティックレビューでも、人工芝は天然芝と比較して表面温度が高くなる傾向が確認されています。
(ただし、研究の多くはスポーツ用人工芝を対象としているため、住宅用人工芝でまったく同じ温度になるとは限りません。

とはいえ、自宅ドッグランを人工芝にするなら、

  • 日陰をつくる
  • シェードや植栽で直射日光を遮る
  • 真夏の日中は使用させない
  • 犬を出す前に人工芝の表面温度を確認する

といった対策が重要になってきます。

「人工芝だから一年中いつでも走れる」と考えてはいけません。夏は日射遮蔽まで含めてドッグランを設計することがポイントです。

おしっこ対策は人工芝より下地が重要

犬がおしっこをする庭では、人工芝そのものだけでなく、その下へ水分を流せるかが重要です。

人工芝には水を通す製品がありますが、その下地の排水が悪ければ、水分が滞留します。

そのため、ドッグランでは表面の商品選びだけでなく、

人工芝 → 透水できる下地 → 排水できる地盤

まで一体で考えた方が良いと思います。

おしっこをした場所を水で流せるよう、近くに散水栓を設けておくのも忘れないように。

人工芝・天然芝・土・砂利はどれがドッグランに向いている?

砂利と人工芝の境目

もともこもないのですが、ドッグランの地面に絶対的な正解はありません。

犬が走ることを優先するのか、排泄場所としても使うのか、庭の景観を重視するのかによって適した材料は変わります。

比較項目人工芝天然芝砂利
泥汚れ少ない比較的少ない出やすい少ない
夏の表面温度高くなりやすいため注意人工芝より低い傾向日射や乾燥状態による石の種類や日射条件による
芝刈り不要必要不要不要
犬の尿への対応排水・洗浄が重要集中すると芝が傷むことがある浸透するが場所が固定されると管理が必要下地へ排水しやすい構成にできる
穴掘り抑えやすい掘られることがある掘りやすい比較的抑えやすい
景観一年中緑を保ちやすい自然な緑を楽しめる素朴庭のデザインに合わせやすい
主な注意点暑さ・排水・清掃芝刈り・尿焼け・補修泥・雑草・穴掘り石の大きさや形、飛散

天然芝は気持ちよいが維持管理が必要

天然芝の魅力は、植物ならではの自然な質感です。人工芝と比較すると、日射を受けた際の表面温度も低い傾向があります。

一方、犬がいつも同じ場所で排尿すると、芝が茶色く枯れることがあります。水で尿を薄めるなど注意が必要です。

また、犬が同じコースを走る家庭では、芝が薄くなった場所の補修が必要になることもあります。
(筆者の自宅は砂利と天然芝。薄くなっている部分はまったく気にしていませんが)

「本物の芝生だから犬に最適」と決めず、芝刈りや補修を楽しめるかまで考えて選びましょう。

土はシンプルだが雨の日の泥を考える

土のままのドッグランは、大がかりな舗装を必要としないため、庭の状態を大きく変えずにつくれます。

一方、雨が降ると泥がつくので、走る場所が固定されると土が削れたり、犬が穴を掘ったりすることがあります。

庭から直接リビングへ入れる間取りでは、足洗い場や勝手口まわりの床材まで一緒に考えると使いやすいと思います。

全面を土にするのではなく、犬が走る場所だけ芝や別の舗装にする、という方法もありますね。

砂利はトイレスペースとして分ける方法もある

砂利やマルチ材を、ドッグラン全体ではなく排泄場所として使う方法があります。

そもそも、天然芝への尿害を避ける方法として、犬に芝以外のマルチや砂利の場所で排泄するように躾をするのも有効です。

たとえば、

走る場所は人工芝、トイレは砂利

というように役割を分ければ、人工芝全体を毎回洗う必要がなくなるわけです。

ただし、砂利は粒の大きさや形によって歩き心地が変わります。角の鋭い石や、愛犬が口に入れてしまう大きさの石は避け、実際に愛犬の反応を確認して選ぶことが大切です。

筆者の愛犬は柴犬ですが、砂利を噛むことはありません。散歩でしばしば会う柴友達は小石を見つけると噛みます。同じ犬種でも性格も違いますし、躾も影響します。

人工芝のドッグランで後悔しない庭づくり

人工芝が敷かれ、ウッドデッキのある一戸建ての庭
愛犬のために
砂利と人工芝、日陰も整えた庭

人工芝選びだけに集中すると、完成後に

「暑くて夏は使えない」
「おしっこの掃除が大変」
「水が流れない」といった問題が起こることがあります。

ドッグランは床材ではなく、庭全体の計画として考えましょう。

「走る場所」と「トイレ」を分ける

自宅ドッグランをつくるなら、最初に考えたいのがトイレの位置です。

庭全体を自由にトイレとして使わせると、人工芝の場合は広い範囲を洗浄することになります。天然芝では排尿場所が集中すると傷みやすくなります。

そこで、

  • 人工芝:走る・遊ぶ
  • 砂利や専用スペース:排泄する

というように役割を分けましょう。

犬がトイレの場所を覚えられれば、庭の手入れがしやすくなります。

日陰と休める場所を必ずつくる

ドッグランというと、広い走行スペースを優先したくなります。

しかし、自宅の庭では「走る場所」と同じくらい、「走らない場所」が重要です。

特に人工芝は強い日射によって高温になる可能性があるため、シェード、屋根、植栽などで日陰を確保します。

暑い時期は表面温度を手で触るなどして、確認してから使用するようにしてください。

水飲み場も直射日光を避けた場所へ設けましょう。

庭すべてを人工芝で埋めるのではなく、日陰の休憩スペースや土・植栽を残す設計を意識してください。

人工芝は「商品」より施工方法まで確認する

ドッグラン用の人工芝を選ぶときは、見た目や芝丈だけで判断しないことが大切です。

確認したいのは、人工芝そのものに加えて、

  • 水がどのように抜けるのか
  • 下地に勾配があるか
  • おしっこを水で洗い流せるか
  • 継ぎ目や端部を犬がめくれないか
  • 日陰を確保できるか
  • 将来、人工芝を交換できる施工か

といった部分です。

特に排水は、人工芝だけでは解決できません。表面から水が抜けても、その下に水がたまれば管理しにくくなります。

ドッグランの人工芝は、芝選びより下地づくりが重要と考えておくと、施工会社との打ち合わせもしやすくなります。

まとめ

広い公園で佇む柴犬

まとめると、自宅のドッグランに人工芝はおすすめできますが条件があります。

人工芝のメリットは、泥汚れを抑えやすく、芝刈りが不要で、一年を通して見た目を保ちやすいことです。

一方、夏の日射による表面温度の上昇と、排泄後の排水・清掃に注意が必要。人工芝が天然芝より高温になりやすいことは、人工芝に関する研究でも確認されています。

整理すると、

  • 人工芝は手入れを減らしたいご家庭に向いている
  • 夏は表面温度が高くなるため、日陰と使用時間への配慮が必要
  • おしっこをするなら、人工芝だけでなく下地の排水性能まで確認する
  • 天然芝は自然な質感が魅力だが、尿による傷みや補修が必要になる
  • 土は泥、砂利は石の形状や歩き心地を考える
  • 走る場所とトイレを分けると管理しやすい
  • ドッグランは床材だけでなく、日陰・排水・水飲み場まで一緒に計画する

いかがでしょうか。
人工芝か天然芝かを最初に決めるのではなく、愛犬が庭で何をするのかを先に考えることが、後悔しないドッグランづくりにつながります。

走る場所、トイレ、休む場所を分けたうえで、それぞれに合った素材を選びましょう。

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この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員

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