みなさんこんにちは。京都市西京区で自然素材を使った住まいづくりを手がける「あまねこう」の中川です。

2025年8月16日の新聞に「プラスチック汚染防止条約」の記事が掲載されていました。その記事の中にかなり興味深い内容が記載されていたのです。

今日は国際的なニュースを取り上げ、健康住宅の観点から考えてみたいと思います。

ジュネーブでのプラスチック条約交渉

2025年8月、スイス・ジュネーブで「プラスチック汚染を減らすための国際条約」の最終交渉が行われました。世界各国が集まり、プラスチックによる環境汚染や人体への影響をどう防ぐのかが議論されました。

焦点は、「有害な化学物質をリスト化して規制するかどうか」です。プラスチック製品には数千種類の化学物質が含まれており、その中には発がん性やホルモン異常を引き起こす恐れのあるものもあります。

産油国が反対した理由

しかし、この「有害化学物質のリスト化」には強い反対がありました。反対したのは、石油を輸出する国々、つまりアラブ諸国やロシア、中国などです。主な理由は次の通りです。

  • 石油化学産業への打撃
    プラスチックは石油から作られます。もし有害化学物質がリスト化され、生産が制限されると、自国の経済に大きな影響が出ます。
  • 規制が広範囲に及ぶ恐れ
    数千種類の化学物質があるため、規制対象が広がりすぎれば、製品製造そのものが難しくなります。
  • 廃棄物管理で十分という立場
    「化学物質を制限する必要はなく、リサイクルや廃棄物処理の改善で対応すればいい」という考えです。

健康住宅の視点から見た違和感

住まいに関わる立場からすると、この反対理由には違和感を覚えます。なぜなら、有害な化学物質が人体に悪影響を与えることは、すでに多くの研究で明らかだからです。

例えば、

  • 家具や建材に含まれる接着剤から揮発するホルムアルデヒド
  • プラスチック製品に使われるフタル酸エステル類(内分泌かく乱物質)
  • 難燃剤に含まれる成分が子どもの発達に影響する可能性

こうした物質は、目に見えず、匂いもせず、気づかないうちに私たちの体に入り込むのです。

物質名主な用途健康へのリスク規制・指針値(日本国内)
ホルムアルデヒド合板・接着剤目・喉の刺激、シックハウス建築基準法(F☆☆☆☆等級)、換気義務
クロルピリホス防蟻剤神経系への影響、シックハウス原因建築基準法で使用禁止、指針値設定あり
フタル酸エステル類塩ビ素材の可塑剤内分泌かく乱、生殖・発達毒性、神経毒性日本では未規制、ただし健康リスク報告あり
トルエン塗料、接着剤頭痛・中枢神経系影響室内濃度指針値:260 µg/m³(0.07 ppm)
キシレン塗料、溶剤呼吸器・神経への影響室内濃度指針値:200 µg/m³(0.05 ppm)
スチレン発泡材、断熱材など発がん性の可能性室内濃度指針値:220 µg/m³(0.05 ppm)
TVOC(総VOC)空気質の総合指標暫定指針値:400 µg/m³

引用:愛知県公式HP

無添加住宅でできること

「あまねこう」では、こうした化学物質に頼らない「無添加住宅」の考え方を大切にしています。

  • 接着剤に頼らない工法
  • 自然素材そのものの強さを活かす設計
  • 家の中の空気をできるだけきれいに保つ工夫

これは、国際条約の議論とは規模は違いますが、日々の暮らしの中で自分や家族を守る選択だと思っています。

まとめ

プラスチック条約の交渉では、「有害化学物質を規制するかどうか」が大きな争点となり、石油輸出国の反対で合意には至りませんでした。しかし、私たちが暮らす住まいの中では、すでにその影響を避ける工夫をすることができます

見えない化学物質をどう考えるか。それは「遠い国際政治の話」ではなく、私たちの家の空気や、こどもたちの健康に直結しているのです。

※出典:画像 2025年8月16日読売新聞

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あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

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