
いきなりですが質問します。
「変動金利ってなんでしょうか?」
住まいづくり、家づくりを考えているみなさま、この質問にスッと答えられるでしょうか。
変動金利とは、住宅ローンを借りたあとも、金融情勢に合わせて適用される金利が見直される金利タイプです。
借入時の金利を抑えやすい一方で、将来の金利や総返済額が確定しないという特徴があります。
変動金利を考えるときに大切なのは、「今の金利が低いかどうか」だけではありません。
- 何を基準に金利が決まるのか
- 基準金利と適用金利は何が違うのか
- 金利が上がると返済にどう影響するのか
- 返済額はいつ変更されるのか
こうした仕組みを理解したうえで、自分たちの家計に合っているかどうかを考える必要があります。
こんにちは。京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」です。今回は住宅ローンの「変動金利」に焦点をあてて説明します。
- 1. 住宅ローンの変動金利とは
- 2. 変動金利は何を基準に決まるのか
- 3. 基準金利と適用金利は何が違う?
- 3.1. 基準金利とは
- 3.2. 適用金利とは
- 3.2.1. 筆者も適用金利に条件を付けられました
- 4. 金利の見直しと返済額の見直しは別
- 5. 金利が上がると住宅ローンはどうなる?
- 6. 5年ルールと125%ルールがある場合も
- 7. 変動金利を選ぶメリット
- 8. 変動金利の注意点
- 9. 変動金利が向いている人
- 10. 変動金利を選ぶ前に確認したいこと
- 10.1. 基準金利と適用金利
- 10.2. 金利が見直される時期
- 10.3. 返済額の見直し方法
- 10.4. 5年ルールと125%ルールの有無
- 10.5. 金利が上昇した場合の返済額
- 11. まとめ|変動金利は低さだけでなく仕組みを理解して選ぶ
住宅ローンの変動金利とは

住宅ローンの変動金利とは、借入期間中に金利が見直される住宅ローンです。
借りたときの金利が、完済まで続くとは限りません。
市場金利や金融機関の基準金利が変わると、住宅ローンに適用される金利も変更されることがあります。
変動金利は、一般的には借入時の金利が固定金利より低く設定されている傾向があります。
そのため、借り始めの毎月返済額を抑えやすいことがメリットです。
一方で、将来金利が上昇すれば、支払う利息や毎月の返済額が増える可能性があります。
つまり変動金利は、「金利が低い住宅ローン」ではなく、将来金利が上がる可能性も含めて、借りる人がそのリスクを負う住宅ローンです。
変動金利は何を基準に決まるのか

変動金利は、金融機関が独自に設定する「基準金利」をもとに決まります。
多くの銀行では、短期プライムレートなど、短期の市場金利に関係する指標を参考に基準金利を決めています。
短期プライムレートとは、金融機関が信用力の高い企業へ短期間の融資を行う際に適用する最優遇金利です。
ただし、住宅ローンの金利がすべて同じ計算方法で決まるわけではありません。
金融機関によって、参考にする指標や金利の見直し方法が異なります。日本銀行も、短期プライムレートは各金融機関が自主的に決定する金利であると説明しています。
大まかな流れは、次のように考えられます。
金融情勢や市場金利が変わる
↓
金融機関の資金調達コストなどが変わる
↓
金融機関が基準金利を見直す
↓
住宅ローンの適用金利に反映される
しかし、日銀が政策金利を変更したからといって、すべての住宅ローン金利が同じ日に、同じ幅で変わるわけではありません。
実際にいつ、どの程度変更されるかは、利用している金融機関や住宅ローンの商品によって変わります。
なお、長期金利と住宅ローンの関係や、固定金利と変動金利で影響を受ける金利が異なる理由については、
関連記事「長期金利が上がると住宅ローンはどうなる?」で詳しく解説しています。
基準金利と適用金利は何が違う?
住宅ローンの金利を見るときに、特に分かりにくいのが「基準金利」と「適用金利」の違いです。
基準金利とは
基準金利とは、金融機関が住宅ローンの基準として設定している金利です。
商品の定価のようなものだと考えると分かりやすいでしょう。
金融機関は、市場金利や資金調達にかかる費用などをもとに、それぞれ基準金利を設定しています。
適用金利とは
適用金利とは、実際に住宅ローンを借りる人へ適用される金利です。
多くの住宅ローンでは、基準金利から一定の引き下げ幅を差し引いて、適用金利が決まります。
早い話、金利の値引きです。
たとえば、仮に次のような条件だったとします。
基準金利 年3.0%
金利の引き下げ幅 年2.0%
適用金利 年1.0%
実際の返済額を計算するときに使われるのは、年1.0%の適用金利です。
住宅ローンの広告で大きく表示されている低い金利も、多くの場合は基準金利ではなく、引き下げ後の適用金利です。
そのため、表示されている金利だけでなく、
- 基準金利はいくらか
- 引き下げ幅はいくらか
- 引き下げはいつまで続くのか
- 適用条件に何が含まれているのか
まで確認しておく必要があります。
さらに、金融機関によっては、給与振込やクレジットカード、インターネットバンキングなどの利用が、金利の適用条件になっている場合もあります。
筆者も適用金利に条件を付けられました
筆者も住宅ローンの借り入れの際、クレジットカードの作成と公共料金をそのカードで引き落とすのが適用金利引き下げの条件でした。
金利の見直しと返済額の見直しは別
変動金利では、「適用金利が変わる時期」と「毎月返済額が変わる時期」が同じとは限りません。
ここは、変動金利を理解するうえで重要なポイントです。
住宅ローン商品によっては、金利を定期的に見直していても、毎月の返済額は一定期間変更されない場合があります。
一方で、金利が変更されると、比較的早く返済額へ反映される商品もあります。
金利の見直し頻度も金融機関によって異なり、年2回見直す商品だけでなく、毎月見直す商品もあります。
「変動金利は半年ごとに金利が変わる」と一律に考えるのではなく、自分が利用する商品の契約内容を確認することが大切です。
金利が上がると住宅ローンはどうなる?
変動金利の適用金利が上昇すると、返済する利息が増えます。
ただし、金利が上がった直後に、必ず毎月返済額が増えるとは限りません。
返済額が一定に保たれる住宅ローンでは、毎月返済額のうち、利息に充てられる割合が増えます。
その分、元金の返済に充てられる金額が少なくなります。
たとえば、毎月10万円を返済している場合、その内訳が次のように変わる可能性があります。
金利上昇前
元金7万円・利息3万円
金利上昇後
元金6万円・利息4万円
毎月支払う10万円は変わっていなくても、住宅ローンの残高が以前より減りにくくなっているということです。
その後、返済額を見直す時期になれば、毎月返済額が増える可能性もあります。
変動金利では、月々の支払額だけでなく、元金がどのくらい減っているのかも確認する必要があります。
5年ルールと125%ルールがある場合も

変動金利の住宅ローンには、「5年ルール」や「125%ルール」が適用される場合があります。
5年ルールとは、金利が変更されても、毎月の返済額を5年間変更しない仕組みです。
125%ルールとは、返済額を見直す際に、変更後の返済額をそれまでの125%以内に抑える仕組みです。
ただし、これらは法律で定められた共通ルールではありません。
金融機関や住宅ローン商品、返済方法によっては適用されない場合があります。
また、返済額の急上昇を抑える仕組みであって、利息そのものを減らす制度ではありません。金利が上がれば、返済額が変わらなくても元金の減り方が遅くなる可能性があります。
5年ルールと125%ルールの詳しい仕組みや注意点については、
関連記事「住宅ローンの125%と5年ルールをご存じですか?」で解説しています。
変動金利を選ぶメリット
変動金利の主なメリットは、借入時の金利を抑えやすいことです。
金利が低ければ、毎月返済額や当初の利息負担を抑えられます。
借入後も金利が大きく上がらなければ、低い金利の恩恵を長期間受けられる可能性があります。
また、借入金額を抑えている人や、早い時期に繰り上げ返済を行う予定の人は、将来の金利変動による影響を小さくできる場合があります。
ただし、借入時の金利が低いからといって、借入可能額いっぱいまで借りてよいわけではありません。
金利が上がった場合にも返済を続けられるかどうかを、あらかじめ考えておくことが大切です。
変動金利の注意点
変動金利には、将来の返済額や総返済額を確定できないという注意点があります。
金利が上昇すると、
- 支払う利息が増える
- 元金が減りにくくなる
- 毎月返済額が増える
- 住宅ローンの総返済額が増える
といった可能性があります。
特に注意したいのは、現在の低い適用金利だけを見て、住宅ローンの借入額を決めることです。
現在の返済額では余裕があっても、教育費や車の買い替え、住まいの修繕費など、将来の支出と金利上昇が重なることがあります。
住宅ローンは、借りられる金額ではなく、暮らしながら返し続けられる金額で考える必要があります。
変動金利が向いている人
変動金利が向いているかどうかは、金利の予測だけでは判断できません。
将来の金利がどう動くかを、正確に予測することは難しいからです。
変動金利を検討しやすいのは、次のような人です。
- 金利が上がっても家計に余裕がある
- 借入額を抑えている
- 預貯金を一定額残せる
- 繰り上げ返済を考えている
- 定期的に住宅ローンの状況を確認できる
- 金利上昇時に家計を見直せる
反対に、毎月の返済額が少し増えるだけでも生活が苦しくなる場合は、変動金利を慎重に考える必要があります。
子どもの教育費など、今後大きな支出が予定されている家庭も、現在の返済額だけで判断しないようにした方が賢明です。
変動金利を選ぶ前に確認したいこと
住宅ローンの変動金利を選ぶ前に、少なくとも次の点を確認しておきましょう。
基準金利と適用金利
広告に表示されている適用金利だけでなく、基準金利と引き下げ幅も確認します。
金利が見直される時期
年に何回見直されるのか、変更後の金利がいつから適用されるのかを確認します。
返済額の見直し方法
金利が上がった場合、毎月返済額がいつ変更されるのかを確認します。
5年ルールと125%ルールの有無
すべての住宅ローンに適用されるわけではないため、契約内容を確認します。
金利が上昇した場合の返済額
現在の金利だけでなく、金利が年0.5%、年1.0%上昇した場合の返済額も試算しておきます。
住宅ローンのシミュレーションでは、現在の適用金利を入力するだけでなく、金利が上昇した場合も確認することが大切です。
まとめ|変動金利は低さだけでなく仕組みを理解して選ぶ
どうでしょうか。少しでも変動金利のことが紐解けたでしょうか。改めて整理します。
変動金利とは、借入後も適用金利が見直される住宅ローンです。
借入時の金利を抑えやすい一方で、将来の金利や総返済額は確定しません。
変動金利を選ぶときは、現在表示されている金利だけではなく、
- 基準金利
- 金利の引き下げ幅
- 金利の見直し時期
- 返済額の見直し方法
- 金利上昇時の家計への影響
ということまで確認しておく必要があります。
金利が上がるか下がるかを予想することよりも、金利が上がったとしても暮らしを守れる資金計画をつくることが大切です。
住宅ローンは、家を建てるためだけのお金ではありません。
家を建てたあとも、家族が無理なく暮らし続けるための計画として考えてみるのが安心だと思います。
京都市で家を建てるなら
地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
中川 高士(あまねこう代表)
大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。
営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。
10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。
【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員
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