外でしんどいと感じる原因が、においの強さにある方は少なくありません。

柔軟剤、香水、整髪料、芳香剤などの香りで頭痛や吐き気、息苦しさなどを感じる相談が実際に寄せられており、消費者庁も「その香り困っている人もいます」と周囲への配慮を呼びかけています。

筆者もいつの頃からか、強い匂いが苦手になり、特に整髪料には敏感になっています。
(お客様との打ち合わせ時には、整髪料を使わないようにしています)

結論からいうと、
香害が気になる方にとって大切なのは、「自然素材の家なら安心」と考えることではなく、自分にとって刺激が少ない空気環境をつくれるかどうかを確かめることです。

ヒノキや杉の香りも化学物質の一種であり、自然由来でも人によっては強い刺激になります。自然素材の家には魅力がありますが、必ずしも誰にとっても良いとは限りません。

だからこそ、無添加住宅という選択を考える場合も、言葉の印象だけでなく、実際に使う素材や空気感を丁寧に見ていくことが大切です。

みなさんこんにちは。京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」の中川です。
今回は香害と無添加住宅に関して記事にいたしました。

香害がしんどい人にとって、家は「つらくない場所」であることが大切

香害は、単なる好みの問題として片づけにくいテーマだと思います。

行政の啓発でも、香りの感じ方には個人差があり、自分にとって快適な香りでも、困っている人がいると明記されています。

外でしんどい思いをしやすい人にとって、家は回復する場所です。

となると家づくりでは、「よい香りがする家」よりも、「つらくない空気の家」を優先して考えるほうが良いのではないかと考えられます。

香りを足して快適にするのではなく、刺激を減らして落ち着ける空気にする。この考え方が出発点になります。

「香りがあること」と「快適であること」は同じではない

一般には、木の香りや自然な香りは体によさそうに感じられます。ですが、香害が気になる方にとっては、香りがあること自体が負担になる場合があります。つまり、快適さは香りの有無ではなく、自分がしんどくならないかどうかで決まります。

壁は漆喰、床と天井は無垢材で背上げた寝室

自然素材の家は魅力がある。でも必ずしも良いとは限らない

自然素材の家は、見た目のやわらかさや木のぬくもり、空気感のよさといった魅力が満載です。

そうした理由から、香害やシックハウスが気になる方が自然素材の家に惹かれるのはとても自然なことだと思います。

無添加住宅を扱う各社代理店も、自然素材を極力使い、有害な化学物質を少なくすることを特徴として打ち出しています。

ただし、ここで大切なのは、自然素材だから必ず良いとは言えないことです。

ヒノキや杉のにおいも化学物質です

木の香りは自然でやさしいものに感じられますが、成分として見れば化学物質です。

シックハウスや化学物質過敏症の説明でも、問題になるのは人工物だけでなく、空気中の成分によって体調に影響が出ることだと整理されています。

つまり、ヒノキや杉の香りが好きな人もいれば、きついと感じる人もいるわけです。

自然素材の家を考えるときは、「天然だから安心」ではなく、「自分には強すぎないか」を見たほうが安心です。

ヒノキと杉の匂いのことなどに関して、別の記事で詳しく書いています。気になる方はご参照ください。

→『ヒノキの家は本当に快適?木材を知って、安心して住まいづくりを進めるために大切なこと

→『杉(スギ)の家はやさしく暮らせる?身近な木だからこそ知っておきたい特徴と注意点

自然素材の家でも、つらい人にはつらい

木の香りが落ち着く方もいれば、長くいると頭が重くなる方もいます。

これはおかしなことではなく、香りの感じ方に個人差があるからです。消費者庁の啓発も、そういう意味で周囲への配慮を求めています。

そのため、自然素材の家は魅力的でも、香害がしんどい方にとっては、必ずしも最適とは限りません。まずは「自然素材かどうか」より、「その空間にいて楽かどうか」を見ることが大切です。

自然素材仕上げの部屋で、安全な無垢材のおもちゃと戯れる子供

無添加住宅という選択は有力だが、言葉だけで決めないほうがいい

無添加住宅という言葉には、刺激を減らしたい人にとって大きな安心感があります。実際、各社代理店はシックハウスや化学物質への不安に配慮した住宅として無添加住宅を案内しています。

ただし、無添加住宅という名前だけで判断しないことも重要です。

何をどこまで減らしているかは会社ごとに違う

同じ「無添加住宅」という表現でも、実際に使う素材や仕様、どこまで化学物質を減らすかは会社ごとに違います。

だから、看板の言葉だけで安心するのではなく、接着剤、塗料、下地、断熱材、家具まで含めて何を使うのかを確認したいところです。

無添加住宅でも「自分に合うか」は別問題

また、建築に使う材料に配慮していても、木の香りや自然塗料のにおいが強く感じられることはあります。

大切なのは、理屈の上で安全そうかではなく、実際に自分がその空間でしんどくならないかどうかです。

香害に関する厚生労働省や消費者庁や各行政庁のチラシ

香害について押さえたい判断ポイント

香害について悩む方が家づくりで確認したいことを4つのポイントに絞り整理します。

1. 自然素材でも刺激になることがある

ヒノキや杉の香りも化学物質であり、自然由来でも体質によっては刺激になります。

2. 「自然素材の家=安心」とは限らない

自然素材の家には魅力がありますが、誰にとっても快適とは言えません。感じ方には個人差があります。

3. 無添加住宅は有力な選択肢

刺激を減らしたい方にとって、無添加住宅は検討する価値があります。

4. でも、言葉より「実際の空気感」

最終的には、素材名やコンセプトより、実際にその空間にいて楽かどうかが重要です。

無垢フローリング、天井と壁は漆喰で仕上げられた無添加住宅のリビング

まとめ

香害に悩む方にとって、家にいる時間くらい快適でいたいと思うのはとても自然です。

そして、その快適さは「香りがよいこと」ではなく、「空気がつらくないこと」から考えましょう。消費者庁も、香りで困っている人がいることを前提に配慮を呼びかけています。

自然素材の家には魅力がありますが、必ずしも良いとは限りません。

ヒノキや杉のにおいも化学物質であり、人によってはきつく感じることがあります。無添加住宅という選択を考える場合も、言葉の安心感だけではなく、実際の素材と空気感を自分の感覚で確かめることが大切です。

家づくりで本当に大切なのは、評判のよい家を選ぶことではなく、自分にとってしんどくない家を選ぶことだと思います。

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京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。

たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。

土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員

保有資格と住まいづくりへの活かし方を見る →

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