早速ですが、リフォームでは工事前に現地調査をして、できるだけ今の状態を確認したうえで見積や工事内容を考えていきます。

ただ、それでも分からないことが実はたくさんあるんです。

床の下。
壁の中。
天井の裏。

こうした部分は、実際に解体してみないと確認できません。
点検口を覗いてみたり、場合によってダウンライトを外して覗いたりもするのですが、全てを把握することはできません。

そのため、工事が始まってから、

「こんな状態になっていたのか」

と分かることがあります。

みなさんこんにちは。
京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」の中川です。

今回は、そんなリフォーム特有の「開けてみないと分からない」について、実際にあった例を交えてお話しします。

なぜ現地調査だけでは分からないのか

現地調査では、見える範囲をできるだけ確認します。

ただ、壁を壊したり、床を全部めくったりして調査するわけではありません。

表面がきれいに仕上がっていれば、その中の下地がどうなっているかまでは見えません。

築年数や図面、これまでの経験からある程度は予想できます。

でも、予想と実際が違うことはあります。

ここは、調査不足というより、リフォームそのものが持つ難しさです。

マンションリフォームで、壁をめくったら下地がなかった

マンションリフォームで壁をめくった様子
マンションリフォームで
壁をめくってみた様子

以前、マンションのリフォームで古い壁をめくったときのことです。

石膏ボードを外してみると、本来ボードの継ぎ目部分にあるはずの下地材がありませんでした。

代わりに、石膏ボードの裏側へ添え木のような材料を当てて、そこで継いでいる状態でした。

表面から見ている限りでは、こうなっていることは分かりません。

そのままでは新しい石膏ボードをきちんと固定できないため、改めて下地を作る工事が必要になりました。

当然、当初は予定していなかった作業が増えます。

これが、まさにリフォームでいう

「開けてみないと分からない」

の一例です。

調査の段階で分かっていれば、最初から見積に入れられます。

でも、見積のために壁を壊して確認するわけにはいきません。

解体して初めて分かることは他にもある

壁や床を開けてみると、

  • 下地が傷んでいる
  • 柱や土台に腐食がある
  • 雨漏りの跡がある
  • 古い配管や配線が残っている
  • 断熱材が入っていない

といったようなことがあったりします。

毎回こうした問題が出るわけではありませんが、古い住宅や何度かリフォームされてきた建物ほど、過去の工事内容まで完全に把握するのは正直難しくなります。

図面があっても、その通りとは限らない

「図面が残っていれば分かるのでは?」

と思われるかもしれません。

図面はとても大切な資料です。言うなれば財産です。

ただ、古い建物では図面そのものが残っていなかったり、その後のリフォームで変更されていたりすることが多くあります。

現状と図面が違うこともよくあります。そのため、図面は参考にしながらも、

最終的には実際の建物を確認する

ということになるわけです。

想定外が出たからといって、全部直すわけではない

解体後に想定していなかった状態が見つかったとき、

「では全部やり直しましょう」

となるわけではありません。

まず確認すべきは、

・今の工事に影響するのか
・安全性や耐久性に関係するのか
・今直しておくべきなのか
・将来でも対応できるのか
・予算が必要になるか

というようなことです。必要性を整理したうえで、どこまで工事するかを考えたり相談したりします。

今回のマンションのように、新しい壁を作るために下地が必要なら、そこは施工しなければいけません。

一方で、見つかったものすべてを今回の工事で直す必要があるとも限りません。

追加工事が起こる理由のひとつ

リフォームで追加工事が発生する理由には、お客様から途中で新しい要望が出る場合もあります。

それとは別に、

工事前には見えなかった部分が、解体して初めて分かった

ということで必要になる追加工事もあります。

この二つは少し意味が違います。

後から追加されたように見えても、実際には工事を進めるために必要になった作業ということがあります。

だからこそ、リフォームでは最初から、

「ここは解体してみないと状態が分かりません」

とお伝えすることが必要になります。

想定外が出たときに、勝手に進めない

中川が大切だと思っているのは、想定外が出ないことだけではありません。

リフォームでは、どうしても事前に見えない部分があります。

だから、何か出てきたときに、

・写真を見てもらう
・どういう状態なのか説明する
・なぜ工事が必要なのかを伝える
・費用が変わるなら、その金額も確認してもらう

そのうえで進めていくわけです。ここが大切だと思っています。

「開けたら悪かったので直しておきました」

だけでは、お客様には何が起きたのか分かりません。当然、「費用アップです」もご納得いただけないと思います。

リフォームは「見えない部分と付き合う工事」

新築は、これから作ることを考えていく仕事です。

一方、リフォームは、すでにある建物を残しながら、新しい部分をつないでいく仕事です。

そのため、工事前にすべてを確定できないことがあります。

大切なのは、

想定外なことが出てきたときにどのように確認し、どう判断するか。

ということだと思います

壁をめくって初めて分かること。
床を外して初めて見えること。

そうした部分まで含めて、リフォーム工事なのだと思います。リフォーム工事を考えてい方に参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員

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