わんこと暮らしていると、「人にとって心地いい家」と「犬にとって心地いい家」は、少し違うのだと感じることがあります。

人が快適だと思っていても、犬はもっと床に近い場所で過ごしていますし、伏せている時間も長いからです。だからこそ、住まいづくりでは床の素材感や空気の質、足元の温熱環境まで考えておきたいところです。

犬と暮らす住まいは、犬の「育て方」と「住まい方」の両面から考えることが大切だとして、「愛犬家住宅コーディネーター」という資格も整備されています。

自然素材の家に惹かれる方が多いのも、そうした理由からかもしれません。

木のやわらかさや、触れたときの心地よさ、空気感のやさしさは、犬と暮らす家にも相性がよさそうに感じられます。

ただし、自然素材なら何でもよいと単純に考えるのではなく、わんこが伏せたときに蒸れにくいか、膝下30cmほどの低い位置の空気まできれいに保ちやすいか、掃除しやすいかまで含めて見ていくことが大切です。

室内空気の測定でも、床上約30cmから1.5mの範囲が採取高さとして示されており、床に近い空気環境を意識する視点には意味があります。

わんこと暮らす家は、人目線だけでは足りません

家づくりでは、つい人の使いやすさを中心に考えてしまいます。もちろんそれは大切なのですが、室内で犬と暮らすなら、犬がどこでどう過ごしているかを一度見直してみると、家に求めるものが少し変わってきます。

わんこは床に近い場所で長く過ごしています

犬は人よりずっと低い位置で生活しています。

歩くときも、休むときも、伏せるときも、基本は床に近い場所です。

犬と暮らす家の情報でも、人がちょうどよいと感じていても、犬にとっては床付近の温度が不快な場合があること、床暖房の影響も人より受けやすいことが指摘されています。

このことを考えると、犬にとっての快適さは「部屋全体がきれいでおしゃれか」だけでは決まりません。床の近くが暑すぎないか、冷えすぎないか、空気がこもっていないかといった、低い位置の環境がとても大切になります。

伏せる時間が長いから、床の触れ心地が大切です

犬は人のように椅子に座るわけではなく、伏せて過ごす時間が長いです。

そのため、床の表面が熱を持ちすぎる、べたつく、湿気がこもる、滑りやすいといったことが、日々の小さなストレスにつながります。

ここで自然素材の床に関心が集まりやすいのは、見た目のやさしさだけでなく、触れたときの感触や空気感に期待する方が多いからだと思います。

ただ、犬との相性は、素材名だけで決まるものではありません。滑りにくさ、掃除のしやすさ、表面温度の感じ方などを一緒に見ていくことが大切です。

犬向け床材の情報でも、防滑性、耐久性、衛生管理のしやすさは大きなポイントとして挙げられています。

自然素材の家は、わんこと暮らす住まいと相性がいい面があります

自然素材の家には、犬と暮らすうえで魅力に感じやすい点があります。もちろん、自然素材という言葉だけで安心しきるのではなく、何がなぜよいのかを整理しておくと選びやすくなります。

肌ざわりや空気感のやさしさを感じやすい

木の家や自然素材の家が心地よく感じられる理由のひとつに、素材の感触や空気感があります。

林野庁の資料でも、木材の香りや木質空間にはリラックスに関する研究例が紹介されています。

わんこと暮らす家でも、この「強すぎない心地よさ」は大切です。とくに、伏せることの多い犬にとって、床の印象はそのまま生活の印象になります。

冷たすぎる、熱を持ちすぎる、つるつる滑るといった床より、落ち着いて過ごしやすい床のほうが、日常のストレスを減らしやすいです。

ただし、自然素材なら何でも正解ではありません

ここは大切ですが、自然素材の家だから必ず犬にやさしい、とは言い切れません。

無垢材の床にも樹種ごとの個性がありますし、表面仕上げや塗装、日々の掃除のしやすさによっても快適さは変わります。

また、犬との暮らしでは、滑りにくさや傷への対応、粗相をしたときの手入れもしっかり考える必要があります。

天然木の質感と犬へのやさしさを両立させるには、防滑性やメンテナンス性まで含めて選ぶことが大切だと、床材メーカーの情報でも整理されています。

「膝下30cmの空気」を考えることに意味があります

犬と暮らす家で見落としやすいのが、空気の質です。人は立っていたり椅子に座ったりするので、どうしても自分の高さで空気を感じます。けれど、犬はもっと低い位置で呼吸しています。

床に近い空気環境は、犬にとって大切です

厚生労働省のシックハウス関連資料では、室内空気中化学物質の採取高さとして床上約30cmから1.5mの範囲が示されています。

これは、室内環境を考えるうえで床に近い空気も無視できないことを示しています。

犬はまさにその低い位置で暮らしています。

ですから、わんこと暮らす家では「部屋全体としてきれいそう」だけでなく、「床に近い位置の空気まで負担が少ないか」を考える意味があります。

人には平気でも、低い位置にこもるほこりやにおい、湿気の影響を犬は受けやすいからです。

空気をきれいに保つには、素材だけでなく掃除と換気も大切です

自然素材の家にすると、空気まで全部きれいになるように感じることがあります。

しかし実際には、床近くの空気を整えるには、素材だけでなく、換気、掃除のしやすさ、毛やほこりがたまりにくい工夫も大切です。

とくに犬と暮らしていると、毛、土ぼこり、外から持ち込む汚れ、においなど、床付近にはいろいろなものが集まりやすくなります。

だからこそ、素材のやさしさに加えて、日々きれいを保ちやすい住まいにしておくことが重要です。

伏せても蒸れにくい家にするには、床の選び方が大切です

「伏せると蒸れないか」という感覚は、犬と暮らしている方なら意外と気になるところではないでしょうか。犬はお腹や胸、足まわりが床に長く触れるので、床の表面の感じ方はとても大切です。

つるつるしすぎる床、熱を持ちやすい床には注意したい

犬の足腰を考えると、滑りやすい床は避けたいですし、夏に表面がべたつくような床や、熱がこもりやすい床も気になります。

犬向け床材の情報では、クッションフロアやコルク材、タイルカーペットなどには防滑性というよさがある一方で、耐久性や汚れ、におい残りの課題もあると整理されています。

つまり、犬にやさしい床はひとつではありません。

自然素材を選ぶ場合も、「見た目が好き」だけでなく、伏せたときの心地よさ、滑りにくさ、手入れのしやすさまで含めて選ぶことが大切です。

自然素材の床は、使い方と仕上げ方で印象が変わります

自然素材の床は、樹種や表面仕上げによって、触れ心地も日々の扱いやすさも変わります。だからこそ、カタログで決めるより、実際の質感を確かめるほうが安心です。

わんこと暮らす家では、「人にとって気持ちいい床」だけでなく、「犬が日常的に伏せても過ごしやすい床か」を見ることが大切です。床材は、インテリアではなく、犬にとっては毎日触れる生活面そのものだからです。

京都市でわんこと自然素材の家を考えるなら、犬目線の視点を持つことが大切です

京都市で住まいづくりを考える場合も、基本は同じです。自然素材が好き、木の家に惹かれる、わんこと心地よく暮らしたい。そうした気持ちはとても自然です。

「愛犬家住宅コーディネーター」という考え方が参考になります

愛犬家住宅コーディネーターは、犬の育て方と住まい方の両面から住環境を考える専門資格です。

単に「犬が好き」という感覚ではなく、犬と暮らす住まいに必要な視点を学んだうえで提案する資格として位置づけられています。

京都市でわんこと暮らす自然素材の家を考えるときも、この考え方はとても参考になります。

自然素材が好きという気持ちに、犬目線の動線、床の選び方、空気、温熱環境、掃除のしやすさを重ねていくと、より納得しやすい家づくりになります。

まとめ

わんこと暮らす家では、人にとってのおしゃれさや心地よさだけでなく、犬がどこでどう過ごしているかを考えることが大切です。

犬は床に近い場所で長く過ごし、伏せる時間も多いので、床の素材感、蒸れにくさ、滑りにくさ、そして膝下30cmほどの低い位置の空気環境まで意識する意味があります。

前述しましたが、室内空気の測定でも、床上約30cmからの範囲が対象として示されています。

自然素材の家は、わんこと暮らす住まいに相性のよい面があります。

ただし、自然素材という言葉だけで決めるのではなく、床の仕上げ、掃除のしやすさ、換気、温熱環境まで含めて考えることが大切です。

愛犬家住宅コーディネーターの考え方のように、犬の育て方と住まい方の両方から見ていくと、家づくりはぐっと現実的になります。

大切なのは、
わんこが伏せても過ごしやすいこと。
床に近い空気まで気を配れること。
そして、人も犬も、長く心地よく暮らせることです。

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あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

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