無垢フローリングを貼る様子

みなさんこんにちは。
京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」の中川です。

古い家のリフォームでは、畳の部屋をフローリングに変える工事もよくあります。
(古いフローリングを貼り替える、ということもよくあります)

見た目だけなら、

「畳をめくって、フローリングを張ればいい」

と思われるかもしれません。

でも実際の現場では、そう簡単にいかないんです。

特に難しいのが、床のレベル、つまり水平です。

古い家では、床そのものが水平ではないことがあります。

そして厄介なのは、床だけを水平にすれば解決するわけではないということです。

畳をめくると、床の水平が悪いことがある

古い木造住宅の畳の部屋をフローリングにする工事の様子

画像は、畳の部屋をフローリングに変更する工事の途中です。

畳を撤去し、フローリングを貼るための下地の施工に取り掛かったところです。

写真を見ると、敷居と下地材が平行ではないことが分かると思います。

つまり、もともとの敷居や床の高さが、きれいに水平でそろっているわけではないということ。

こういう状態は、古い住宅のリフォームでは珍しいことではありません。

表面だけを見ていると分からなくても、畳や既存の床材をめくって初めて分かることがあります。

「水平にすれば終わり」ではない

マンションのフローリングを解体した直後

では、新しく作る床を水平にすればいいのか。

実は、ここからが難しいんです。床は

  • 隣の部屋
  • 廊下
  • 敷居
  • 建具
  • 既存の壁

がつながっています。

新しい床だけをきれいに水平にすると、今度は隣の部屋との高さが合わなくなることがあります。

敷居との段差が気になったり、建具との取り合いが悪くなったりすることもあります。

つまり、

「床を水平にすること」と「既存の家に自然につなげること」が、必ずしも同時にできるとは限らない

ということです。

下地からやり替えないと調整できないこともある

フローリングの表面材だけでは、床の傾きは直せません。

その場合は、

下地の高さを調整したり、
根太から触ったり、
場合によってはその下の下地そのものをやり替えたりします。

当然、どこまで手を入れるかによって工事内容も費用も大きく変わります。

「フローリングの貼り替え」と一言で言っても、既存の下地がそのまま使える現場と、床組みから調整しないといけない現場では、工事の中身が全く違うわけです。

水平にするほど、隣の部屋との高さ調整が難しくなることも

例えば、ひとつの部屋だけ床をやり替える場合。

その部屋だけを完全に水平にすると、隣の古い床や敷居との境目に段差ができることがあります。

反対に、隣室との高さを優先すると、新しく作る床の水平をどこまで確保するか考えないといけません。

現場では、

「どこを基準にするか」

をかなり考えます。床は本来「水平」に貼るものです。が、単にレーザーで水平を出して、その通りに作れば終わり、という話ではありません。

マンションでも床や壁が完全に水平・垂直とは限らない

スケルトン解体したマンションの床下地のための左官工事の様子

これは古い木造住宅だけの話ではありません。

マンションでも、床が完全に水平とは限りません。壁も、必ずしも完全な垂直ではありません。

「鉄筋コンクリートの建物だから、床も壁も全部まっすぐ」

と思う人が多いのですが、実際にはそうではないことの方が経験的には多いと感じています。

わずかな不陸や傾き、既存施工のクセが残っていることがあります。

特にリフォームで一部分だけを触る場合、そのわずかなズレが大きな問題になることがあります。

リフォームでは「既存部分に合わせる」難しさがある

新築なら、最初から床を水平に、壁を垂直に作っていくことができます。

でもリフォームでは、残す部分と新しく作る部分をつなげなければなりません。

例えば、

古い床は少し傾いている。
新しい床は水平に作れる。

この二つを途中でつなぐと、境目に違和感が出ます。

壁でも同じです。

既存の壁が少し傾いているところへ、新しい壁や家具を完全な垂直で取り付けると、

「新しい方が斜めに見える」

ことがあります。

でも実際には、新しく取り付けたものが正しく、既存側が傾いている場合もあります。

「斜めに付いている!」と見えることもある

これは、お客様にも知っておいていただきたいところです。

例えば、

新しく取り付けた巾木や建具枠、棚、キッチンなど。

工事後に見ると、

「壁に対して斜めじゃない?」

「床に対してまっすぐ付いていないように見える」

と感じることがあります。

ところが測ってみると、新しいものは水平・垂直で、古い床や壁の方が傾いている。

そんなことがあります。

「まっすぐ付いていること」と「自然に見えること」が同じとは限りません。

ここが新築とは違う難しさです。

古い家の床工事は、めくってみないと分からないことがある

リフォームの難しいところは、工事前に全部が見えているわけではないことです。

畳やフローリングをめくってみると、

  • 下地が沈んでいる
  • 床が傾いている
  • 木材が傷んでいる
  • 以前の工事で高さ調整されている

といったことが初めて分かる場合があります。

だから、同じ6畳のフローリング工事でも、

既存下地をそのまま使えるのか。
高さ調整だけで済むのか。
下地からやり直すのか。

こういった工事内容は大きく変わります。

「この工事をしたら金額はいくらですか?」と良く聞かれるのですが、即答できない理由の1つがこれです。

リフォームは「全部まっすぐに作り直す工事」ではない

フローリングは、最後に見える仕上げ材です。

でも、その仕上がりを決めるのは、実はその下にある下地だったりします。

古い家のリフォームでは、

「水平にすること」は基本なのですが、残す部分と、新しく作る部分をどう自然につなぐか。

そこに一番頭を使うことがあります。

敷居と床の水平が合っていない状況を見たりすると、改めてリフォームは新築とは違う難しさがあると感じます。

見た目だけでは分かりにくい部分ですが、こうした既存部分との調整まで含めて、リフォーム工事だと思っています。

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この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員

保有資格と住まいづくりへの活かし方を見る →

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