みなさんこんにちは。
京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」の中川です。

家づくり、住まいづくりの打ち合わせで、

「引き戸と開き戸、どっちがいいですか?」

と聞かれることがよくあります。
いや、それだけでなく「全部引き戸にして欲しい」というご要望もあったりします。

先に結論から書くと、どちらか一方が優れているわけではありません。

開けたまま使いたい場所もあるでしょう。

人がよく通る場所。
家具を置きたい壁。
スイッチやコンセントが必要な場所。

扉をどこに使うかによって、最適な建具が変わることもあるわけです。

ということは、家中をどちらかに統一するよりも、場所と暮らし方に合わせて使い分ける方が自然だと思います。

引き戸のメリットは開閉スペースを取りにくいこと

マンションリノベーションでのLDK。引き戸で間仕切り

引き戸の大きなメリットは、扉を横へ動かして開閉することです。

開き戸のように、扉が前後へ大きく動きません。

  • 廊下など人がよく通る場所
  • 洗面脱衣室
  • トイレ
  • リビングと隣室の間

などでは使いやすいことが多いです。なにより、普段は開けたまま使いたい場所ではとても便利です。

扉を開けても通路側へ飛び出さないので、人の動きを邪魔しにくいというメリットがあります。

引き戸にもデメリット|扉を引くための壁が必要

便利な引き戸ですが、どこにでも自由に使えるわけではありません。

引き戸には、開いた扉を横へ逃がすためのスペースが必要です。

ここが、間取りを考えるうえで重要です。

引き戸はスイッチやコンセントの位置にも影響する

例えば、引き戸が壁の中へ引き込まれる方の壁は、その部分にはスイッチやコンセント配置できないません。

「部屋に入ったすぐ横に照明スイッチを付けたい」

と思っていても、引き戸との関係でスイッチの位置を変えなければならない。

そんなことがコンセントや家具、造作との関係も同じです。

つまり、

引き戸は開閉スペースのために、壁を使う。

ここは間取りを考えるときのポイントになります。

開き戸のメリットは壁面を使いやすいこと

リビングに入るためのガラスドア

一方、開き戸は扉そのものが前後へ動くため、開閉するスペースが必要になります。

狭い廊下や、人が頻繁に通る場所では、扉を開けたときに邪魔になることもあります。ただ、引き戸のように扉を横へ引くための壁を必要としません。

そのため、間取りによっては、

スイッチやコンセント、家具などの位置を考えやすい

というメリットがあります。

「引き戸=便利、開き戸=不便」ではないということです。

開き戸も、開く方向や家具との関係まできちんと考えれば、とても使いやすい建具です。

「全部引き戸にしたい」で間取りが遠回りしたことも

以前、家中の扉を「何がなんでもすべて引き戸にしたい」、というご要望のお客様がいました。

引き戸は邪魔になりにくいし、使いやすい。そう考える気持ちはよく分かります。

そこで、そのご要望をもとに間取りを考えていきました。

ところが、すべてを引き戸にしようとすると引き戸にするための間取りになっていくのです。

引き戸を納めるための壁が必要になる。
希望する間取りと建具の位置が合わない。
本来付けたい場所にスイッチを付けにくい。
コンセントの位置にも影響が出る。

そうしたことが重なっていきました。

そこで途中から、

「本当に全部を引き戸にする必要があるのか?」

ということを改めてお施主様と打ち合わせをしていきました。

場所によって開き戸も使いながら、引き戸が便利なところには引き戸を使う。

結果的には、その方が間取り全体のバランスも良くなりました。

お客様の「引き戸にしたい」という要望が間違っていたわけではありません。

ただ、「引き戸が便利そうだから、全部引き戸にする」

と最初に決めてしまったことで、少し遠回りしたケースだったと思います。

引き戸と開き戸は場所ごとに使い分ける

では、どこにどちらを使えばいいのでしょうか。

あくまで一例ですが、考え方を整理する参考になればと表にしてみます。

場所扉を選ぶときの考え方
洗面・脱衣室開けたままにしやすく、通路を邪魔しにくい引き戸が使いやすいことが多い
トイレ廊下や周囲の扉との関係を見ながら、引き戸・開き戸を選ぶ。引き戸はペーパーホルダーやタオル掛けに注意。
リビングと隣室普段開放して使うなら引き戸が便利。そうでないなら開き戸が良い。
寝室・子ども部屋家具・スイッチ・コンセントとの関係で開き戸が納まりやすいことが多い。
収納収納内部や周囲の家具、通路幅を見て使い分ける。収納用折戸が無難。

大切なのは、

「この部屋なら必ず引き戸」
「ここなら開き戸」

と決めつけないことだと

同じ洗面室でも、間取りが違えば答えは変わります。

引き戸か開き戸かを決める前に「なぜ?」を考える

洗面室とユーティリティ

打ち合わせで、

「ここは引き戸がいいです」

という要望があれば、その理由が大切です。

開けたまま使いたいから?
通路を邪魔したくないから?
将来の使いやすさを考えて?

それとも、何となく引き戸の方が便利そうだから?

理由が分かれば、本当に引き戸が必要なのか、それとも別の方法でも目的を叶えられるのかが見えてきます。

家づくりでは、要望そのものだけでなく、「なぜそうしたいのか」まで考えることが大切です。

引き戸か開き戸かより「その場所に合っているか」

引き戸には引き戸の良さがあります。開き戸には開き戸の良さがあります。

どちらが優れているかで決めるものではありません。大切なのは、

その扉を、どこで、誰が、どんなふうに使うのか、ということを考えることです。

そして、その建具を選んだことで、間取りや家具、スイッチ、コンセントに無理はないか、など扉ひとつだけを見るのではなく、家全体とのバランスを見るようにしましょう。

その方が、暮らし始めてから使いやすい家になると思っています。

京都市で家を建てるなら
地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。

たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。

土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員

保有資格と住まいづくりへの活かし方を見る →

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