
「どんな間取りにしたいですか?」
「LDKは何帖くらい欲しいですか?」
「何部屋必要ですか?」
住宅会社さんと初めて商談する際、まず要望を聞かれませんでしたか?
間取りを考えると家づくりが一気に具体的になるので、楽しいですよね。
でも、本当にそれが最初でいいのでしょうか。
実際に本当に大切なのは間取りを描く前に、まず土地を調べることが大切だと考えています。
土地の形や法規制を調べるだけではありません。
周囲にどんな建物があるのか。
どこから光が入るのか。
時間によってどこに影ができるのか。
道路や隣家からどう見えるのか。
そこまで調べてから、建物の配置や間取りを考える。
間取りは家づくりのスタートではなく、土地と環境を調べた「結果」として描くものです。
- 1. 家づくりで「まず間取り」が間違いの元になる理由
- 2. 間取りを描く前に、まず土地そのものを調べる
- 3. 土地だけではなく「周辺環境」まで調べる
- 4. 「南向き=明るい」とは限らない。陽当たりを調べる
- 5. 間取りを描く前に「時刻日影図・等時間日影図」で陽当たりを調べる
- 5.1. 時刻日影図|何時に、どこへ影ができるのか
- 5.2. 等時間日影図|その場所が何時間、日影になるのか
- 6. 外構も間取りが終わってから考えるものではない
- 7. 良い間取りは「要望」だけから生まれるものではない
- 8. 最初に間取りを提案されたら「なぜこの配置なのか」を聞いてみる
- 9. しかし、理想の間取りから商談が始まることも増えています
- 10. 家づくりは、間取りを描く前の調査が大切
家づくりで「まず間取り」が間違いの元になる理由
家づくりを始めると、どうしても間取りに目が向きます。
20帖のLDK、対面キッチン、ファミリークローゼット、ランドリールーム。
こうした要望を聞けば、間取りそのものは描けます。
しかし、その前に土地を十分に調べていなければ、「要望を図面に並べただけの間取り」になってしまう可能性があります。
例えば、南側にLDKを配置して大きな窓をつくったとします。
でも、そのすぐ南側に大きな建物があればどうでしょう。
あるいは隣家の窓と真正面に向き合っていたら、せっかく大きな窓をつくってもカーテンを閉めたままになるかもしれません。
ですから順番は、
間取り → 土地を見る
ではなく、
土地を調べる → 周辺環境を調べる → 建物の配置を考える → 間取りを描く
です。
間取りを描く前に、まず土地そのものを調べる

最初に確認するのは、その土地自体の条件です。
現場では、
- 土地の形や高低差
- 前面道路との関係
- 境界
- 擁壁
- 電柱
- 上下水道などのインフラ
といったことを確認します。
さらに役所などで、用途地域、建ぺい率、容積率、接道条件、高さに関する制限なども調査します。
京都では地域によって景観に関する規制などもあります。
土地を調べるというと「法律上、家が建てられるか」を確認するイメージが強いかもしれません。
でも、それだけではありません。
その土地をどう使えば、より暮らしやすい家になるのか。
それを考えるための材料を集めるのが、最初の敷地調査です。
土地だけではなく「周辺環境」まで調べる

次に見るのが、敷地の外です。
家は、その土地だけで完結しているわけではありません。
隣には家があり、道路があり、周囲にはさまざまな建物があります。
例えば、
- 隣家はどこに建っているか
- 隣家の窓はどちらを向いているか
- 周囲の建物はどのくらいの高さか
- 道路から家の中がどう見えるか
- 景色が抜けている方向はどこか
- 車や人の通行が多いのはどちらか
こうした周辺環境も間取りに関係します。
「南だから大きな窓をつくる」ではなく、
「この方向なら光が入り、視線も気になりにくいから窓をつくる」
というように、窓一つにも理由があるべきだと考えています。
「南向き=明るい」とは限らない。陽当たりを調べる

土地を見るとき、方角だけで陽当たりを判断することがあります。
もちろん方角は重要です。
ただし、南向きだから必ず明るい家になるわけではありません。
南側に建物があれば影はできます。
しかも、その影は一日中同じ場所にあるわけではありません。
朝と昼と夕方では太陽の位置が変わり、夏と冬でも太陽の高さが大きく変わります。
特に冬は太陽高度が低くなるため、建物から伸びる影も長くなります。
だからこそ、間取りを描く前に、
「この土地に、いつ、どこから光が入るのか」
を検討しておく必要があります。
間取りを描く前に「時刻日影図・等時間日影図」で陽当たりを調べる

陽当たりを具体的に検討するときに使われるものの一つが、日影図です。
日影図には、目的によっていくつかの見方があります。
時刻日影図|何時に、どこへ影ができるのか
時刻日影図では、時間ごとに建物の影がどこへ落ちるのかを確認します。
例えば、
「午前9時には、このあたりまで影になる」
「正午には、ここまで日が入る」
「午後3時になると、こちら側へ影が伸びる」
といった具合です。
こうした影の動きを確認すれば、
リビングをどこに配置するのか。
庭をどこにつくるのか。
どの位置に窓を設けるのか。
といったことを、単に「南向きだから」という理由ではなく、実際の陽当たりを考えながら検討できます。
等時間日影図|その場所が何時間、日影になるのか
一方、等時間日影図は少し見方が違います。
こちらは「何時に影になるのか」ではなく、ある場所が一日のうち合計で何時間、日影になるのかを表すものです。
例えば、2時間日影になる地点、3時間日影になる地点というように、同じ日影時間となる地点を線で結んで表します。
つまり、
時刻日影図=「いつ・どこに」影ができるのか
等時間日影図=「どのくらいの時間」影になるのか
を見るものです。
こうした検討をして初めて、
「この位置なら冬でも光を取り込みやすそう」
「こちらは長時間影になるから、庭の使い方を考えよう」
といった、土地に合わせた判断ができるようになります。
外構も間取りが終わってから考えるものではない

土地を調べていくと、建物だけでは決められないことも見えてきます。
駐車場はどこにするのか。
玄関までどう歩くのか。
庭はどこにつくるのか。
自転車はどこに置くのか。
植栽でどこからの視線を遮るのか。
建物の間取りをすべて決めた後に、
「残ったところで外構を考えましょう」
では、順番が逆になることがあります。
土地+周辺環境+建物+外構を一緒に考える。
その全体像が見えてきてから、室内の間取りを具体化していきます。
良い間取りは「要望」だけから生まれるものではない

住宅会社との打ち合わせで、
「LDKは20帖欲しい」
「対面キッチンにしたい」
「ファミリークローゼットが欲しい」
と伝えることはもちろん大切です。
ただ、それだけで良い間取りができるわけではありません。
間取りには、
ご家族の要望に加えて、
+土地の条件
+周辺環境
+陽当たり
+周囲からの視線
+外構
といった情報が必要です。
それらを調べて、整理して、
「だからリビングはここ」
「だから窓はこの位置」
「だから建物はこの配置」
という理由が生まれます。
間取りは最初に描くものではなく、土地を読み解いた結果として描くもの。
ここを飛ばしてしまうと、見た目にはきれいな間取りでも、その土地を活かした家にはならないかもしれません。
最初に間取りを提案されたら「なぜこの配置なのか」を聞いてみる

これから住宅会社に相談する方なら、最初に間取りを提案されることもあると思います。
そんなときは、
「なぜ、この配置なんですか?」
と聞いてみてください。
なぜリビングがここなのか。
なぜこの方向に大きな窓があるのか。
なぜ庭がここなのか。
「南向きだから」だけではなく、土地や隣家、陽当たり、視線、外構などを含めて説明してもらえるか。
それも、住宅会社の家づくりに対する考え方を見る一つの方法だと思います。
しかし、理想の間取りから商談が始まることも増えています

最近はInstagramやPinterestなどのSNSで、たくさんの家づくりの事例を見ることができます。
「こんなキッチンにしたい」
「この間取りが使いやすそう」
「大きな窓のあるリビングがいい」
家づくりを始める前から、かなり具体的なイメージを持っている方がかなり増えました。
もちろん、これは悪いことではありません。お客様がどんな暮らしや住まいを求めているのかを知る大切な情報です。
住宅会社側も、まずはそうした理想や要望を聞き、それを間取りに反映するところから商談を始めるケースがあります。
実際、お客様が求めていることに応えなければ、その先の話を聞いてもらえないこともあります。
ただ、SNSで見つけた素敵な間取りや施工事例は、別の土地、別の周辺環境につくられた家です。
大切なのは、理想や要望をそのまま間取りにすることではなく、「この土地なら、その理想をどう実現するのがいいのか」を考えること。
要望を聞くことと、土地を調べること。
どちらか一方ではなく、この両方があって初めて、その土地に合った間取りが見えてくると思います。
家づくりは、間取りを描く前の調査が大切
家づくりを始めると、どうしても早く間取りを見たくなります。
でも、まずやるべきことは間取りを描くことではありません。
土地を調べる
↓
周辺環境を調べる
↓
陽当たりや日影を検討する
↓
外構を含めて敷地全体を考える
↓
そして間取りを描く
私たちは、この順番が大切だと考えています。
間取りは家づくりのスタートではありません。
その土地を知り、周辺環境を知り、そこでどんな暮らしができるのかを考えた結果が「間取り」です。
土地を持って家づくりを始めるなら、最初に間取りを描く前に、
「この土地のことを、どこまで調べたのか?」
一度確認してみてください。
京都市で家を建てるなら
地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
中川 高士(あまねこう代表)
大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。
営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。
10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。
【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員
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