
家づくりを考えている人にお聞きします。
Instagramやネットショップで気になる照明や洗面器、タオル掛けなどを見つけることがありませんか。
「工務店や住宅会社に頼むより、自分で買った方が安いのでは?」
「自分たちで買えちゃうんじゃない?」
そう思った際に出てくるのが「施主支給」という考え方です。
結論からいうと、施主支給で商品を安く購入できる場合があります。
ただし、商品代だけを見て安いと判断するのは注意が必要です。
取付費、送料、納期、荷受け、搬入、検品、保証まで含めると、必ずしも安くなるとは限りません。
みなさんこんにちは。京都市で家づくりを手掛ける「あまねこう」です。
今回は、家づくりでみなさんがよく見かけるであろう「施主支給」について解説します。
施主支給とは?
施主支給とは、住宅会社や工務店が商品を手配するのではなく、施主自身が商品を購入して現場へ支給することを言います。
例えば、
- 照明器具
- タオル掛け
- ペーパーホルダー
- ミラー
- 洗面ボウル
- 水栓
- 棚
などなど、施主支給でよく聞く商品です。
工務店が商品を仕入れて施工する通常の工事とは違い、施主支給では「商品を用意する人」と「取り付ける人」が別になります。
ここが大きなポイントです。
なぜ施主支給をしたい人が多いの?

大きな理由の一つは、インターネットでさまざまな商品を簡単に探せるようになったことです。
住宅会社では取り扱っていない商品でも、自分で購入できます。
さらには、
「ネットショップの方が安かった」
「Instagramで見つけた照明を使いたい」
「海外製の洗面器を採用したい」
というような施主の欲求を満たしてくれます。
自分の好きなものを選べることは、施主支給の大きなメリットです。
施主支給だから安くなるとは限らない
商品そのものは安く買えても、実際に家へ取り付けるまでには別の費用が必要になることがありますので注意が必要です。
例えば、
- 送料や配送費
- 取付費や施工費
- 接続部材や
- 加工費
- 下地補強
- 保管費
などです。
工務店が商品を仕入れる場合は、商品代だけではなく、現場への手配や確認まで含めて管理しています。
そのため、
ネットで見た商品価格=実際に取り付けて使える状態までの価格
ではありません。
商品単体では安くても、最終的にはそれほど変わらないことも多くあります。
施主支給では荷受け・搬入・検品も施主側が基本
施主支給は、商品を購入すれば終わり、ということではありません。
基本的には、
- 荷受け
- 現場や施工場所への搬入
- 商品の検品
- 保管
まで施主側で行うことになります。
特に大型の商品では、配送された商品を誰が受け取るのか、どこまで運ぶのかを事前に確認しておく必要があります。
工務店が常に現場にいるとは限りません。
「現場へ送っておけば誰かが受け取ってくれる」と考えていると、配送時に困ったりトラブルの元になります。
施主支給品は施工前に検品しておく
商品が届いたらまずすることがあります。
- 品番は合っているか
- 色や仕様は間違っていないか
- 数量は揃っているか
- 傷や破損はないか
- 必要な付属品や関連部材が入っているか
などなど、確認することです。
施工する日に箱を開けて初めて、
「品番が違う」
「部品が足りない」
「商品が割れている」
と分かると、その日の工事ができなくなる場合があります。
そのため、施主支給品は現場へ搬入する前、または搬入時に検品を済ませておくことが大切です。
また、工務店が荷物を受け取ったからといって、商品の中身まで確認したことにはなりません。
荷受けと検品は別の作業です。
あまねこう代表の中川も、現場に納品された商品が壊れていて、トラブルに発展した経験があります。
お客様は「新品なんだから壊れているってことはないでしょ」と思われるでしょうが、工務店側があえて破損させることはありません。
配送時に壊れていた、壊れていなかったという証明がお互いにできないのが最大の注意点かもしれません。
納期が遅れると工事にも影響する
家づくりでは、各職種の職人さんが工事に入る順番が決まっています。
そのため、施主支給品が必要な日に届かなければ、その工事ができないことがあります。
特に、
- 輸入商品
- 受注生産品
- 人気商品
- 在庫が不安定な商品
などは注意が必要です。
施主支給をする場合は、
「いつ届くか」ではなく、いつまでに現場へ搬入しておく必要があるかを工務店に確認してから購入する方が安心です。
注意したいのは保証と責任の範囲
施主支給でもう一つ確認しておきたいのが、保証です。
例えば、施主支給した水栓から水漏れした場合、
- 商品そのものの不具合なのか
- 施工に問題があるのか
- 接続部材との相性なのか
によって対応する人が変わります。
工務店が商品も施工も手配している場合は、工務店へ相談すれば対応できることが多いですが、施主支給では商品保証と施工保証が分かれる場合があります。
購入前に、商品に不具合があった場合の対応まで確認しておきたいところです。
中川の経験で、
インターネットでお施主様が購入した輸入の照明器具の電球がすぐに切れてしまう、ということがありました。
お施主様は相談する先が工務店しかありません。対応したところ商品の内部に不具合がありました。修理は工務店側ではできませんので、非常に残念がってらっしゃったのが印象に残っています。
施主支給しやすいものと慎重に考えたいもの
比較的施主支給しやすいのは、
- ペーパーホルダー
- タオル掛け
- ミラー
- 一部の照明器具
- 棚
など、建物との難しい接続や設置が比較的少ないものです。
一方で、
- キッチン
- 給湯器
- 食洗機
- 水栓
- 洗面設備
- エアコン
など、電気・水道・ガスとの接続が必要な設備は慎重に考えた方がよいでしょう。取り付けられるかどうかだけでなく、保証やメンテナンスにも関係するためです。
余談ですが、中川の経験で印象的だったのが、洗面所の水洗でした。
予定とは違う水栓が施主支給で納品されました。
輸入の水洗でした。
壁の中に関連部材を仕込む必要があるタイプだったのです。
タイル貼りまで完了していて、水栓を付けるだけだった工事が、タイルも壁も撤去して水栓部材を仕込むことになったわけです。
(最初から商品詳細がわかっていれば問題ない施工だったのですが)


施主支給したいものは購入前に工務店へ相談する
一番避けたいのは、
「もう買ったので、これを付けてください」
という状態です。
購入する前に、
- 設置できるかどうか
- サイズは問題ないか
- 電源や配管は合うか
- 下地補強は必要か
- 取付費はいくらか
- 保証はどうなるか
- いつまでに搬入すればよいか
を確認しておきましょう。
施工できない商品を購入してしまうこともありますし、想定していなかった工事費が必要になることもあります。
必ず相談されることをおすすめします。
まとめ|施主支給は商品価格だけで判断しない
施主支給には、自分の好きな商品を選べたり、商品を安く購入できたりするメリットがあります。
改めて整理します。
- 取付費
- 送料
- 荷受け
- 搬入
- 検品
- 納期
- 保管
- 保証
これらを考える必要があります。
施主支給は、単に「自分で安く買う」という話ではありません。
自分で商品を手配する分、施主側が担う責任の範囲も増える方法です。
気になる商品を見つけたら、まず工務店へ相談してから購入する。
それが、施主支給で余計なトラブルを増やさない一番のポイントだと思います。
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地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
中川 高士(あまねこう代表)
大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。
営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。
10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。
【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員
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