みなさんこんにちは。
京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」の中川です。
お昼を食べようと思った矢先、
急に飛び込んできた長期金利のニュースが、住まいづくりにおいて緊急性が高いと思いすぐに筆を取りました。
(正確にはキーボードを打った、ですね)
難しい話なので、
「知りたいけどわかりにくい」と感じた方は、メールでもLINEでもご相談いただければ、実情に合わせてお答えいたします。
記事の最後に、Q&A形式でわかりやすく説明しています。ぜひご参照ください。
そんなわけで今回は工事現場の話ではありません。
ただ、家を建てる方、リノベーションを考えている方、中古住宅を購入して改修を考えている方にとっては、かなり大切なお金の話です。
- 1. 長期金利が上がると、住宅ローンはどうなるのか
- 2. 長期金利は約30年ぶりの高水準へ
- 3. 消費税減税と財政悪化懸念が、なぜ金利に関係するのか
- 4. 固定金利とフラット35は長期金利の影響を受けやすい
- 5. 変動金利はまだ低いが、安心とは言い切れない
- 6. 4,000万円を借りると、金利で毎月返済はどれくらい変わるのか
- 7. 京都市で住まいづくりを考える方に伝えたいこと
- 8. 住宅ローンは、今後どうなると考えておくべきか
- 9. 住まいづくりで今確認しておきたいこと
- 10. まとめ|金利上昇の時代は、住まいづくりの予算を慎重に考える
- 11. よくある質問
- 11.1. 長期金利が上がると、住宅ローンは必ず上がりますか?
- 11.2. 変動金利なら、長期金利上昇は関係ありませんか?
- 11.3. 固定金利と変動金利は、どちらを選ぶべきですか?
- 11.4. 消費税減税は、家づくりにとってプラスではありませんか?
- 12. 参照した報道・資料
- 12.1. 長期金利・国債市場に関する報道
- 12.2. 財政悪化懸念・国債需給に関する資料
- 12.3. 住宅ローン金利に関する資料
- 12.4. 日本銀行の政策金利に関する資料
長期金利が上がると、住宅ローンはどうなるのか

結論から言うと、長期金利の上昇は、住宅ローンの固定金利やフラット35に影響しやすいです。
そして、日銀の政策金利が上がっている今の流れを考えると、変動金利についても、これまでのように低いまま続くとは考えにくくなっています。
つまり、これからの住まいづくりでは、
「いくら借りられるか」
だけではなく、
「金利が上がっても、暮らしながら無理なく払えるか」
こういうことを、より慎重に考える必要があります。
長期金利は約30年ぶりの高水準へ
報道によると、
2026年5月18日の東京円債市場では、新発30年国債利回りが4.200%と過去最高水準になり、新発10年国債利回り、いわゆる長期金利も2.810%と29年半ぶりの高水準になりました。
ニュースでは「長期金利が30年ぶり」という表現で伝えられています。
正確には、10年国債、30年国債など、年限によって表現は少し変わります。
なんのこっちゃ、ですね。
住宅ローンを考える私たちにとって大切なのは、細かい言葉の違いよりも、
長い期間のお金を借りるコストが上がってきている
ということなんです。
消費税減税と財政悪化懸念が、なぜ金利に関係するのか
今回の長期金利上昇では、日銀の利上げだけでなく、消費税減税や財政悪化への懸念も背景として見られています。
消費税減税そのものが良い、悪いという話ではありません。
問題は、減税をした場合に、その財源をどうするのかということです。
財源がはっきりしないまま減税や支出拡大が進むと、市場では、
国債の発行が増えるのではないか
日本の財政は大丈夫なのか
国債を買う人が減るのではないか
という不安が出ます。
国債が売られると、国債価格は下がります。
国債価格が下がると、利回りは上がります。
この利回りの上昇が、いわゆる長期金利の上昇です。
ロイターも、時限的な消費減税の示唆によって、債券市場で財政拡張懸念が強く意識され、長期債や超長期債への金利上昇圧力が強まったと報じています。
つまり、住宅ローンの金利は、家を買う人だけの問題ではありません。
国の財政、日銀の政策、物価、為替、国債市場。
そうした大きな動きの影響を受けながら決まっていきます。
固定金利とフラット35は長期金利の影響を受けやすい
住宅ローンには、大きく分けて変動金利型と固定金利型があります。
住宅金融支援機構は、変動金利型の適用金利は日本銀行の政策金利の影響を受け、全期間固定金利型の適用金利は10年物国債利回りの影響を受けると説明しています。
つまり、長期金利が上がると、固定金利やフラット35は上がりやすくなります。
実際に、2026年7月のフラット35の最も多い金利は、借入期間21年以上・融資率9割以下・新機構団信付きで年3.140%とされています。
少し前までの感覚で住宅ローンを考えていると、毎月返済額のイメージが大きく変わってしまいます。
変動金利はまだ低いが、安心とは言い切れない
変動金利は、固定金利に比べると、まだ低く見えます。
そのため、住宅ローンを組む方の中には、変動金利を選ぶ方も多いと思います。
ただし、変動金利は返済途中で金利が見直される可能性があります。
日銀のホームページを見ると、
補完当座預金制度適用利率が2026年6月17日以降1.0%、無担保コールレートを1.0%程度で推移するよう促す方針が示されています。
住宅金融支援機構も、
2024年3月のマイナス金利政策解除以降、政策金利の上昇に伴い、変動金利型住宅ローンの金利も上昇傾向にあると説明しています。
つまり、変動金利は今すぐ固定金利と同じ水準になるという話ではありません。
しかし、これまでのような超低金利がずっと続く前提で資金計画を組むのは、少し危険になってきています。
4,000万円を借りると、金利で毎月返済はどれくらい変わるのか

たとえば、4,000万円を35年返済、元利均等返済で借りた場合、金利によって毎月返済額は大きく変わります。
年0.8%なら、毎月返済は約10.9万円。
年1.5%なら、毎月返済は約12.2万円。
年2.0%なら、毎月返済は約13.3万円。
年3.14%なら、毎月返済は約15.7万円です。
同じ4,000万円を借りても、金利が違えば、毎月の返済はこれだけ変わります。
ここに、固定資産税、火災保険、修繕費、光熱費、車、教育費、老後資金などが加わります。
住まいづくりでは「借りられる金額」ではなく、
「暮らしながら払える金額」
で考えることがより一層大切になりそうです。
京都市で住まいづくりを考える方に伝えたいこと
京都市で家を建てる、リノベーションをする、中古住宅を購入して改修する。
建物本体の金額だけでなく、土地代、解体費、外構費、諸費用、住宅ローン、登記費用、火災保険、税金など、考えるべきお金はたくさんあります。
京都市の場合は、地域によって景観や道路、敷地条件、既存建物の状態なども違います。
住まいづくりは、建てるお金だけで考えるものではありません。
建てたあとに、暮らし続けるお金まで含めて考える必要があります。
今回の長期金利上昇のニュースは、そのことを改めて考えるきっかけになると思います。
住宅ローンは、今後どうなると考えておくべきか
今後の住宅ローンについて、現時点で断定はできません。
ただ、流れとしては、
固定金利は長期金利の影響を受けやすい
フラット35も高い水準に入っている
変動金利も政策金利の影響を受ける
金利が下がる前提だけで考えるのは危険
という見方はしておいた方が良いと思います。
住宅金融支援機構は、2026年6月時点の資料で、変動金利型のベースとなる政策金利について、2027年6月末までに約1.6%まで上昇する予測があること、また全期間固定金利型のベースとなる長期金利も2026年度平均2.64%程度、2027年度平均2.75%程度になる見通しがあることを紹介しています。
もちろん、これは将来を保証するものではありません。
ただ、少なくとも、住宅ローン金利が上がる可能性を無視してよい状況ではありません。
住まいづくりで今確認しておきたいこと
これから住まいづくりを考える方は、まず次のことを確認しておくと良いと思います。
住宅ローンの金利が1%上がった場合、毎月返済はいくら増えるのか。
固定金利と変動金利で、家計への影響はどう違うのか。
借入額を少し下げる方法はないか。
土地、建物、外構、諸費用のバランスは適切か。
建てたあとの固定資産税や修繕費まで考えられているか。
光熱費やメンテナンス費も含めて、暮らし続けられる予算になっているか。
住宅ローンは、金利だけで決めるものではありません。
家族構成、年齢、収入、働き方、教育費、将来の暮らし方によって、合う考え方は変わります。
まとめ|金利上昇の時代は、住まいづくりの予算を慎重に考える
今回の長期金利上昇は、住宅ローンを考えるうえで大きなニュースです。
固定金利やフラット35は、すでに長期金利上昇の影響を受けています。
変動金利も、日銀の政策金利の影響を受けるため、今後の動きには注意が必要です。
これからの住まいづくりでは、
借りられる金額ではなく、暮らしながら払える金額で考えること。
この考え方が、ますます大切になっていくと思います。
京都市で住まいづくりを考えている方で、住宅ローンや予算の考え方に不安がある方は、メールでもLINEでもご相談ください。
難しい金利の話も、実際の暮らしに置き換えると、少しわかりやすくなります。
家を建てる前に。
リノベーションを決める前に。
中古住宅を購入する前に。
一度、無理のない予算かどうかを確認しておくことが大切です。
よくある質問
今回の記事内容は情報量が多いので、FAQで整理してみました。
長期金利が上がると、住宅ローンは必ず上がりますか?
必ずすぐに上がるわけではありません。
ただし、固定金利やフラット35は長期金利の影響を受けやすいため、長期金利が高い状態が続くと、住宅ローン金利にも反映されやすくなります。
変動金利なら、長期金利上昇は関係ありませんか?
関係がないわけではありません。
変動金利は主に日銀の政策金利の影響を受けます。長期金利とは動き方が違いますが、日銀が利上げを続ける局面では、変動金利も上がる可能性があります。
固定金利と変動金利は、どちらを選ぶべきですか?
一概には言えません。
毎月返済を安定させたい方は固定金利が向いている場合があります。
一方で、当初の返済額を抑えたい方は変動金利を選ぶこともあります。ただし、変動金利を選ぶ場合は、将来返済額が増えても家計が耐えられるかを確認することが大切です。
消費税減税は、家づくりにとってプラスではありませんか?
家計だけを見ると、消費税減税は負担軽減につながる面があります。
ただし、財源が不明確なまま減税が行われると、財政悪化懸念から長期金利が上がる可能性があります。住宅ローンを利用する方は、減税だけでなく、金利への影響もあわせて見る必要があります。
参照した報道・資料
本記事は、以下の報道・公的資料・住宅ローン関連資料を参照し、住まいづくりの予算計画という視点から整理しています。
長期金利・国債市場に関する報道
ロイター「長期金利、29年半ぶり2.8%:識者はこうみる」
2026年5月18日の東京円債市場で、新発10年国債利回りが2.800%と1996年10月以来の高水準になったことを確認するために参照しました。
ロイター「30年金利が過去最高の4.2%に上昇、長期金利は29年半ぶり2.8%」
新発30年国債利回りが4.200%と過去最高水準になったことを確認するために参照しました。
ロイター「長期金利が29年ぶり2.6%に上昇:識者はこうみる」
消費減税の議論や財政拡張懸念が、長期金利上昇の背景として市場で意識されていることを確認するために参照しました。
財政悪化懸念・国債需給に関する資料
ピクテ・ジャパン「日本国債利回り急上昇の背景と今後の注目点」
超長期国債の買い手不足や財政悪化懸念が、国債利回り上昇の背景にあるという見方を確認するために参照しました。
住宅ローン金利に関する資料
住宅金融支援機構「金利のある世界でどう変わる?これからの住宅ローン選びを考える」
変動金利型住宅ローンは日本銀行の政策金利の影響を受け、全期間固定金利型住宅ローンは10年物国債利回りの影響を受けるという基本的な関係を確認するために参照しました。
住宅金融支援機構「最新の金利情報:長期固定住宅ローン【フラット35】」
2026年7月時点のフラット35の金利水準を確認するために参照しました。
長期固定金利住宅ローン【フラット35】公式サイト
2026年7月のフラット35最頻金利について、融資率9割以下・新機構団信付きの場合の表示金利を確認するために参照しました。
日本銀行の政策金利に関する資料
日本銀行 公式サイト
無担保コールO/N物レート、補完当座預金制度適用利率、基準貸付利率など、日銀の金融政策に関する現在の水準を確認するために参照しました。
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京都市で家を建てるなら
地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
中川 高士(あまねこう代表)
大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。
営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。
10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
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