小さくても部屋を広く見せるアイデア

『土地が狭いから仕方ない…』
うまい間取りが取れない時、ついつい敷地の広さのせいにしてしまいます。注文住宅の醍醐味というと、自分たちの生活スタイルや暮らしに合わせて建てることができること。

しかし、予算や広さ、特に京都市のような都心部では敷地に充分な広さがないため、間取りに大きな妥協をしなければならない時があると思います。そんなお悩みに役立つヒントを紹介します。

目次

このブログのポイント

・間取りの中で、人が通る通路や動線を合理的に取ることでスペースが広げることが可能です。実例で紹介します。

・密集地で外の光を充分に確保できない、と思うこともあるでしょう。間取りの工夫で明るくなるアイデアを紹介します。

部屋を広く魅せる|環境との折り合い

都心部であればどうしても敷地の広さや環境のせいで、うまく間取りが確保できない、ということがあるでしょう。そんな時、使えるアイデアを紹介していきます。

動線を重ね合わせムダを減らす|階段

工事途中の画像ですが、ダイニングが掘りごたつ風になっているのがわかると思います。畳を敷いて完成です。1段上がっているのがわかると思います。小上がりと言われる仕上げです。

小上がりの段差を利用した引き出し収納も設置しています。さて、この写真を見て「ん?」と思うところがないでしょうか。

よく見ると、小上がりのダイニングから階段がつながっています。こうすることで、
「階段1段分」「ローカ」「階段の手前の歩くスペース」、という3つのスペースを稼いでいるのです。

動線を重ね合わせムダを減らす|玄関

外観をお見せすることができないのですが、ここは京都市のど真ん中。容積率の関係で延床26坪くらいが限界だったのですが、お客様と暮らし方、生活スタイルをとことん打ち合わせをして出したアイデア。

よく見ると、玄関の框(かまち)がリビングの入り口になっているのがわかると思います。このお住まいには玄関ホールがありません。延床面積から想像できないほどリビングの広さを確保しています。

密集地で部屋を明るくする工夫も

広さだけではなく明るさの工夫もしています。こちらのお住まいは北西の角地。午前から14時くらいまでは陽光を確保するのが難しい立地。
そこで、

・あえて階段を南側に設置

・階段の上の高いところに窓を設置

・ストリップ階段にすることでその窓からの陽光をリビングに落とす

・北側の陽光は365日安定
 北の光と西陽は暑さが問題ない範囲まで取り入れる

北側の窓から安定的に光を採り入れる

あえて南側に階段を配置。ストリップ階段にすることで陽光を取り入れ無駄なローカを省き、広さと明るさを確保。

どうでしょうか。画像では照明器具はまだ設置していませんが、充分な明るさだと思います。

このアイデアは全てのお客様に当てはまるわけではありません。家族構成、生活スタイル、暮らし方、それらをヒアリングして敷地の状況を照らし合わせてプランすることでアイデアが湧いてきます。

住まいづくりの際は部屋の広さやキッチンなどの設備も大切ですが、暮らし方についてじっくりと対話をすることが重要です。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

 京都市で家を建てる場合、注文住宅でもリノベーションにおいても京都特有の環境に注意が必要です。景観条例に代表される京都独特の法令があるからです。また狭小道路や狭小土地なども京都ならではと言っても良いでしょう。

 地元での経験が長く、工事経験の豊富な工務店を選ぶことは皆さんの大きな安心へとつながることと思います。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。