間取り図を見ると、壁は一本の線のように見えます。
方眼紙に間取りプランを書いているところを見たことがある人もいると思います。
この一本の線が、実際の住宅では、間柱や石膏ボード、場合によっては合板や胴縁などが入っている「壁」なわけです。
要するに、壁にはきちんと「厚さ」があります。
そして数センチの違いが、廊下や収納、洗面室などでは意外と使い勝手に影響します。
家の壁は一律に何センチと決まっているわけではありません。
どんな下地を使うのか、石膏ボードを何枚張るのか、その壁にどんな役割を持たせるのかによって厚さは変わります。
みなさんこんにちは。京都市で住まいづくりを手がける「あまねこう」です。
代表の中川も若い頃は方眼紙を使って間取りプランを考えていたことがありました。方眼紙で1cmの線が、100分の1の図面では「1m」になります。
この壁について今回は解説します。
家の壁は何センチくらいある?
住宅の壁厚は、建物の構造や壁のつくり方によって変わります。
例えば、マンションリノベーションの間仕切り壁と、木造住宅の間仕切り壁では、使う下地材の寸法がまず違います。
基本的には、
間柱の厚さ+両側の石膏ボード+仕上げ材
で壁厚が決まります。
そこに合板補強や胴縁、石膏ボードの二重張りなどが加われば、さらに厚くなります。
そのため、「住宅の壁は○cm」と一つの数字で表すのは難しいわけです。
間柱と石膏ボードで壁厚は変わる

例えば、マンションリノベーションで27×40mmの間柱を使い、その両側に12.5mmの石膏ボードを一枚ずつ張ったとします。
単純に足すと、
40mm+12.5mm+12.5mm=65mm
です。
同じように27×60mmの間柱を使えば、
60mm+12.5mm+12.5mm=85mm
となります。
ただし、これはあくまで単純な構成の例です。
例えば、
- 石膏ボードを二重張りする
- タイルなど別の仕上げ材を使う
といったことがあれば、完成した壁はさらに厚くなる場合があります。
マンションリノベーションで使う27×40・27×60の間柱については、
関連記事『マンションリノベーションの間柱とは?27×40・27×60とLVL、赤松無垢材の違い』で詳しくご紹介しています。
木造住宅とマンションでは壁の厚さも違う

マンションリノベーションでは、限られた床面積を有効に使うため、比較的細い木下地で間仕切り壁をつくることがあります。
一方、木造住宅では105mm幅などの柱や間柱を使った壁もあります。
その両側に石膏ボードを張れば、マンションの間仕切り壁より厚い壁になります。
もちろん、すべての木造住宅が同じ壁厚というわけではありません。
構造、断熱方法、仕上げ方法などによって変わります。
同じ「壁」でも、中身は住宅によってかなり違います。
薄い壁ほど良いわけではない

「壁が薄ければ、その分部屋が広くなるのでは?」
と思うかもしれません。
確かに、限られた面積のマンションでは、壁厚を抑えることで有効寸法を少し広くできる場合があります。
ただし、すべての壁を薄くすれば良いわけではありません。
例えば、
- 給排水管を通したい
- 電気配線のスペースが必要
- 壁掛けテレビの下地補強を入れたい
- 石膏ボードを二重貼りしたい
- 吸音材を入れたい
といった壁では、ある程度の厚さが必要になります。
壁厚は、単に部屋を狭くする寸法ではありません。
その壁に必要な機能を入れるためのスペースでもあります。
数センチの壁厚が部屋の使いやすさを変えることもある
リビングのような広い部屋なら、壁が数センチ厚くなっても、それほど気にならないかもしれません。
一方で、
- 廊下
- トイレ
- 洗面室
- ウォークインクローゼット
- 子ども部屋
- 収納内部
などでは、この数センチが意外と大きな違いになります。
例えば、両側の壁がそれぞれ2cmずつ厚くなれば、壁から壁までの有効寸法は合計4cm小さくなります。
収納では、その数センチの違いで収納ケースが入るかどうか、みたいなこともあると思います。家具を置く場合も同じです。
図面上では入るように見えても、完成後の内寸を確認するとギリギリだった、ということがあります。
中川は自分の家の設計の際に、持ってくる予定の家具がギリギリ入らない寸法だったので、そこだけ9.5mmの石膏ボードを貼りました。
「○畳」だけでは部屋の広さは分からない
間取りを見るとき、多くの方が「6畳」「8畳」といった畳数を確認します。
もちろん大切な数字ですが、実際の使いやすさは畳数だけでは判断できません。
同じ6畳でも、
- 壁の厚さ
- 柱型
- 梁型
- 収納の位置
- ドアの開き方
によって家具の置きやすさは変わります。
そこで確認したいのが、壁から壁までの有効寸法です。
例えばベッドや食器棚、ダイニングテーブルなど、置きたい家具が決まっている場合は、
「この部屋は何畳あるか」
だけではなく、
「実際に壁から壁まで何センチあるか」
まで確認しておくと、住んでからのイメージがしやすくなります。
防音は壁を厚くするだけでは決まらない
壁を厚くすると、防音性能も高くなるのでは、と考える方も多くいらっしゃいます。
ただ、音への対策は壁厚だけで決まるものではありません。
例えば、
- 石膏ボードの枚数や厚さ
- 壁内部の吸音材の有無
- 下地の構成
- 床や天井との取り合い
- コンセント、換気扇などの開口部
も関係します。
そのため、「防音したいから太い間柱を使う」という単純な考え方で決めないようにして欲しいなと思います。
家づくりでは「その壁に何をさせたいか」を考える
間取り図を見ていると、部屋の広さや収納量に目がいってしまいませんか。
でも、その部屋をつくっている壁の中にも、さまざまな役割があります。
できるだけ薄くしたい壁。
配管を通したい壁。
テレビや棚を取り付けるために補強したい壁。
音を伝わりにくくしたい壁。
同じ家の中でも、壁に求めることはそれぞれ違います。
そんなわけですから、壁の厚さは「何センチが正解」と決めるものではありません。
その壁に何をさせたいのかを考えて、必要な厚さが決まる。
間取りを考えるときに、部屋の数字だけではなく、壁の中身にも少し目を向けてみると、実際の使いやすさまで見えてくると思います。
京都市で家を建てるなら
地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
中川 高士(あまねこう代表)
大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。
営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。
10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。
【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員
住まいづくりを整理する無料資料
「いえのもと」
情報が多すぎて迷いませんか?
「どんな家を建てるか」より、
まずは「どんな暮らしをしたいか」。
そんな考え方を整理するための
無料資料セットです。


住まいづくりで悩む方へ
「何を基準に考えればいいかわからない」
そんなときは、一緒に整理してみませんか。
お気軽にご相談ください。





