無垢の床、自然素材で仕上げられたリビング。京都ならではの間口が狭い家での工夫

みなさんこんにちは。
京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」の中川です。

住まいづくりでは、フローリングの種類や色を決めるのも楽しみのひとつではないでしょうか。

一方で、そのフローリングを「どちら向きに貼るのか」、あるいは「どこから貼り始めて、どこで幅を調整するのか」といったところまで、お客様が考えることはほとんどないかもしれません。

でも実は、フローリングは材料そのものだけでなく、貼る方向や割付によって部屋の見え方や仕上がりが変わります。

今回は、普段あまり表には出ない(気がする)、現場で考えているフローリングの貼り方向と割付についてご紹介します。

フローリングの貼り方向はどう決める?

フローリングは、部屋の長手方向に貼ることが多いです。
(長手方向とは長方形の長い辺の向きのこと)

長い方向へ板が流れることで、空間に奥行きを感じやすくなるためです。

ただし、いつも長手方向に貼ればよいというわけでもないんです。

例えば、

  • 廊下からLDKへどうつながるか
  • 部屋に入ったとき、どの方向に板目が見えるか
  • 窓や建具との位置関係
  • 複数の部屋を連続して貼るのか

といったことも見ながら決めていきます。

図面だけで決めるのではなく、実際にその空間に立ったとき、どう見えるかも考えます。

長手方向に貼れば正解、ではない

「フローリングは長手方向に貼るもの」と思われることもあります。

部屋を広く見せやすいという意味では一つの考え方です。

でも、例えば廊下の流れとLDKの向きが違う場合には、そのまま長手方向だけを優先すると、境目で不自然に見えることもあります。

そこで、

廊下からそのまま続けた方がきれいか。
LDKだけ向きを変えた方がよいか。
どこで見切るのか。

そんなことも設計段階や現場で考えます。

一番長い方向ではなく、一番自然に見える方向を選ぶこともある。

ということです。

フローリングの「割付」とは?

無垢フローリングを貼る様子

貼る方向と同じくらい大切なのが「割付」です。

割付とは、簡単に言えば、

どこから、どの幅で貼り始めるかを決めること

です。

例えば、150mm幅のフローリングを壁際から順番に貼っていったとします。

部屋の反対側まで行ったときに、最後だけ20mmほどの細い板が残ることがあります。

施工できないわけではありません。

ただ、見た目としては少し不自然に感じることがあります。

そこで、最初の一枚の幅を調整したり、左右のバランスを見たりしながら、最後に極端に細い材料が残らないように考えます。

これが割付です。

割付は左右均等にすればいいわけでもない

では、部屋の真ん中から左右対称に割り付ければ一番きれいなのか。

実際には、そう単純でもありません。

例えば、

  • キッチンがある
  • 収納がある
  • 家具で隠れる場所がある
  • よく目に入る壁際がある

といった条件があります。

左右の幅を完全に揃えるよりも、よく見える側をきれいに納めた方が自然に見える場合もあります。

数字だけを均等にするのではなく、生活したときにどこが見えるのかまで考えて割付を決めます。

部屋ごとにフローリングの色を変える場合は、さらに考えることが増える

また、部屋ごとにフローリングの色を変える場合は、割付や見切りの考え方が少し難しくなります。

どこで色を切り替えるのか。
扉を閉めたときに境目がどう見えるのか。
廊下とのつながりをどうするか。

こうしたことも、実はフローリングを貼る前に考えておくポイントです。

今回は詳しく触れませんが、色を変える場合ほど「どこから、どう貼るか」は大切になります。

そんなこともあり、個人的には部屋ごとにフローリングの色や種類を変えるというのはオススメはしていません。

が、好みや条件もあったりしますから知っておいてもらえれば役に立つ情報だと思います。

現場では図面だけでなく「実際にどう見えるか」で決める

戸建てリノベーション後のリビング

フローリングの貼り方向や割付は、図面上である程度考えることができます。

でも、現場で実際に立ってみると、

「こちら向きの方が自然だな」
「この壁際はもう少し幅を取った方がきれいだな」

と感じることがあります。

玄関から入ったとき。
廊下からLDKを見たとき。
窓から光が入ったとき。

図面では分かりにくい「見え方」があります。

だから現場では、施工できるかどうかだけではなく、

この家で暮らし始めたとき、どう見えるか

まで考えて決めています。

あと、実際の経験談です。
設計事務所さんの案件ではフローリングの割り付け図をいただける場合があります。

要するに「このように貼ってください」という図面です。

フローリングの幅は決まっていますが、実際にはミリ単位のズレや、湿気を吸って膨らんだりすることを考えて大工さんが絶妙な隙間を考えて貼ってくれています。

こうなると割り付け図通りにはなりません。

なので、フローリングを貼る際は必ず現場で割り付けを確認します。

フローリングを選んだから「あとは貼るだけ」ではない

住まいづくりでは、

どんな樹種にするか。
どんな色にするか。
無垢材にするか。
どんな幅にするか。

こうした材料選びに目が向くことがほとんどだと思います。ただ、その材料をどのように見せるかは、

向き、割付、見切り、納まり

でも変わります。

「このフローリングを選んだから、あとは貼るだけ」

ということではないのです。

普段はお客様から見えにくい部分ですが、こうした小さな判断の積み重ねが、最終的な仕上がりをつくっています。

あまねこうでは、材料そのものだけでなく、その材料をどう納めるかまで含めて住まいづくりだと考えています。

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この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員

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