
「無垢材や漆喰を使った自然素材の家にしたい!」
そんな自然素材の家を建てたいと思った時、素材ことに意識が向いていませんか。実は、自然素材を採用していることと、その素材を暮らしに合うよう上手に使っていることは別です。
こんにちは。京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」です。
長い経験の中で、自然素材のことをしっかり理解して向き合う職人さんや工務店、そして、そうではない人たちがいることに気がつきました。
結論からいうと、
自然素材の家づくりで大切なのは、使用している素材の数ではありません。京都市の気候、敷地条件、景観、家族の体質、手入れの方法まで考え、適材適所で使うことが重要です。
この記事では、京都市で工務店やハウスメーカーを探している方に向けて、「自然素材を使う家」と「自然素材を上手に使う家」の違いをわかりやすく解説します。
- 1. 「自然素材を使う」と「自然素材を上手に使う」の違い
- 1.1. 自然素材を使う、とは材料として採用すること
- 1.2. 自然素材を上手に使う、とは性質を理解して採用すること
- 1.3. 自然素材の量より見えない部分を確認する
- 2. 京都市の家づくりで自然素材を上手に使うポイント
- 2.1. 京都市の暑さと底冷えは素材だけで解決しない
- 2.2. 狭い敷地では採光と通風の設計が重要
- 2.3. 京都市では外観や素材選びに景観への配慮が必要
- 3. 京都市で自然素材に強い工務店・ハウスメーカーを探す方法
- 3.1. 工務店とハウスメーカーは得意分野で比較する
- 3.2. 素材名ではなく標準仕様を確認する
- 3.3. 完成直後だけでなく経年変化した家を見る
- 4. まとめ
「自然素材を使う」と「自然素材を上手に使う」の違い

まず、自然素材の家という言葉からは無垢材の床や漆喰の壁、天然石の外壁などを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、自然素材が一部に使われているだけで、住み心地のよい家になるとは限りません。素材の性質と使う場所、施工方法、周囲の材料との組み合わせまで考える必要があることを知っておいてください。
自然素材を使う、とは材料として採用すること
「自然素材を使う」とは、住宅の一部に天然由来の材料を採用することです。無垢材
代表的なものには、次のような素材があります。
- 無垢材の床や無垢材の造作
- 漆喰や土壁
- 天然石
- 炭化コルクや木質系断熱材
無垢材とは、天然木から切り出した木材を、板や柱として使用するものです。集成材や化粧シートとは、構成やつくられ方が異なります。

ところで、林野庁は、木材には湿度が高いときに水分を吸収し、低いときに放出する調湿作用があると説明しています。また、木材は熱を伝えにくいため、室内環境の改善にも役立つとされています。
そして、無垢材を少し採用しているだけで、家全体を「自然素材の家」と表現している場合もあったりします。どの場所に、どの素材を、どの程度使っているのかを確認することが大切です。
自然素材を上手に使う、とは性質を理解して採用すること
「自然素材を上手に使う」とは、素材の長所だけでなく、短所や個体差も理解したうえで採用することです。
たとえば、無垢材には調湿性や温かみがある一方、湿度の変化によって伸縮したり、傷やへこみがついたりすることがあります。
水がかかりやすい場所では、樹種や表面仕上げ、手入れの方法まで考えなければなりません。

水や汚れに強くなる
漆喰や土壁にも吸放湿性が期待できますが、換気や断熱の代わりになるわけではありません。大量の湿気が発生する家では、自然素材だけに頼らず、換気設備や空調計画を整える必要があります。
自然素材のよさを引き出すには、次のような視点知っておいてください。
- 家族が直接触れる場所に何を使うか
- 水や汚れが多い場所に何を使うか
- 京都市の暑さや冬の冷えに対応できるか
- 香りや成分が家族の体質に合うか
- 傷や色の変化を受け入れられるか
- 将来、補修や交換ができるか
「自然、天然だからよい」ということではなく、暮らしとの相性を確認することが、上手に使うという考え方です。
自然素材の量より見えない部分を確認する
自然素材の家づくりでは、床や壁など目に見える部分に意識が向いてしまいます。
しかし、家には接着剤、塗料、下地材、断熱材、コーキング材などの材料もたくさん必要です。
国土交通省は、無垢の木材自体はシックハウス対策における告示対象外の材料例としています。
一方で、二次加工に使われる接着剤などによっては、規制対象になる場合があると注意を促しています。
そのため、「無垢材を使用」という表示だけでは、家全体の材料構成は判断できません。
| 比較する点 | 自然素材を使う家 | 自然素材を上手に使う家 |
|---|---|---|
| 素材の選び方 | 自然素材であることを重視 | 暮らしや場所との相性を重視 |
| 使用範囲 | 一部だけの場合もある | 見える部分と下地を含めて検討 |
| 無垢材 | 採用していることをアピール | 樹種、硬さ、塗装、補修性まで確認 |
| 湿気対策 | 調湿素材に期待する | 断熱、換気、空調と組み合わせる |
| 経年変化 | 傷や変色を想定していないことがある | 変化や補修方法まで説明する |
| 体質への配慮 | 自然由来なら安心と考えやすい | 香りや成分との相性を個別に確認 |
| 判断基準 | 素材名や使用数 | 設計、施工、維持管理を含む |
自然素材の使用量が多いほど、必ず快適になるわけではありません。必要な場所に必要な素材を使い、その性能を邪魔しない構成にすることが重要です。
京都市の家づくりで自然素材を上手に使うポイント

「空気の軽い家」
京都市で自然素材の家を建てる場合、ほかの地域と同じ仕様をそのまま当てはめるのではなく、地域の特徴を理解する必要があります。
特に確認したいのが、夏と冬の温熱環境、狭い敷地での採光・通風、京都市独自の景観基準です。
京都市の暑さと底冷えは素材だけで解決しない
京都市は盆地の影響を受け、夏は高温多湿で蒸し暑く、冬は底冷えしやすい地域です。
この環境下では、無垢材の床や漆喰の壁を使うだけでは、夏の暑さや冬の寒さを十分に解決できません。
自然素材の心地よさを活かすためには、次の性能を知っておかなければなりません。
- 屋根、壁、床の断熱性能
- 窓の断熱と日射対策
- 湿気を排出する換気
- 夏の日差しを遮る軒や庇
- 冬の日射を取り込み、熱を逃さない窓配置
その他にもまだまだあります。
実際、京都市も省エネルギー性能と京都の暮らしや和の文化を組み合わせた住宅を推進しています。暑い夏と寒い冬の両方に対応するには、素材と住宅性能を分けずに考えることが大切です。
狭い敷地では採光と通風の設計が重要
京都市の都心部には、間口が狭く奥行きの長い、いわゆる「うなぎの寝床」と呼ばれる敷地が多くあります。また、幅の狭い路地に面した住宅も少なくありません。

自然素材を活かした住まい
このような敷地では、大きな窓を付ければ明るく風通しがよくなるとは限りません。
隣家との距離が近く、窓を開けても風が抜けなかったり、外からの視線が気になったりすることがあるためです。
京町家では、坪庭、通り庭、吹き抜け、高窓などを使い、奥まで光や風を届ける工夫が行われてきました。京都市の環境配慮型京町家でも、天窓や高所の開口部によって、狭い住空間の採光と通風を確保しています。
さらには、こうした知恵をそのまま再現するのではなく、断熱や気密、冷暖房と組み合わせると良いと思います。
自然素材を上手に使う工務店であれば、素材の説明だけでなく、敷地に合わせた光や風の通り方まで提案できるはずです。
京都市では外観や素材選びに景観への配慮が必要
京都市では、地域によって建築物の屋根、外壁、色彩、形態などに景観上の基準が設けられています。
美観地区や眺望景観保全地域などでは、計画内容によって景観申請や事前協議が必要です。
そのため、外壁に木材や漆喰、天然石を使いたい場合でも、好きな色やデザインを自由に選べるとは限りません。
京都市で工務店やハウスメーカーを探す際は、次の経験を確認してみてください。
- 建築予定地の景観区域を調査できる
- 京都市への申請や協議に対応できる
- 周辺の町並みに合う外観を提案できる
- 自然素材の経年変化まで考えている
- 室外機や配管などの設備を目立たせない工夫ができる
京都らしい家づくりとは、和風の外観にすることだけではありません。地域の景観と調和しながら、現代の暮らしや性能を両立させることが重要です。

京都市で自然素材に強い工務店・ハウスメーカーを探す方法
自然素材を扱う会社は数多くありますが、得意な素材や施工範囲はそれぞれ異なります。
ホームページに「自然素材の家」「木の家」と書かれているかどうかだけでなく、実際の仕様と施工方法を比較しましょう。
工務店とハウスメーカーは得意分野で比較する
工務店とハウスメーカーのどちらが優れているとは一概にいえません。大切なのは、希望する自然素材と京都市での家づくりに対応できるかです。
| 比較項目 | 地域工務店 | ハウスメーカー |
|---|---|---|
| 京都市の地域事情 | 地域密着型なら詳しいことがある | 支店や担当者の経験による |
| 設計の自由度 | 個別対応しやすい傾向 | 規格や選択肢の範囲内になりやすい |
| 自然素材 | 独自の素材や職人施工に対応する会社もある | 仕様として選べる場合がある |
| 品質管理 | 会社や職人による差を確認する必要がある | 経験が少ない場合がある |
| 保証体制 | 会社ごとに異なる | 長期保証や窓口が整っている傾向 |
| 景観申請 | 京都市での実績が重要 | 地域の施工実績を確認したい |
| 費用 | 仕様によって調整しやすい場合がある | 標準外の素材は大きな追加費用になりやすい |
工務店を選ぶ場合は、設計者や現場監督、職人との連携を確認します。ハウスメーカーを選ぶ場合は、自然素材が標準仕様なのか、オプションなのかを確認しましょう。
自然素材を「選べる」ということと、「自然素材をうまく使う」ということが違うのは前述の通りです。
素材名ではなく標準仕様を確認する
住宅会社を比較するときは、「無垢材を採用できますか」と聞くだけでは不十分です。
床に無垢材を使っても、壁や天井はビニールクロスという仕様もあります。反対に、見える部分だけでなく、下地材や接着剤まで配慮している会社もあります。
相談時には、次の内容を確認すると違いが見えやすくなります。
- 無垢材を使う場所と樹種とその根拠
- 床や家具に使う塗料は何か
- 壁、天井、収納内部の仕上げ材は何か
- 接着剤の種類と使用する箇所
- 断熱材の種類と施工厚さ
- 湿気や内部結露への対策
- 傷や割れが起きた場合の補修方法
- 入居後の点検とメンテナンス
「自然素材を使っています」という説明ではなく、具体的な商品名や施工範囲を示してもらいましょう。
完成直後だけでなく経年変化した家を見る
自然素材は、時間とともに色や表情が変わります。無垢材には傷やへこみがつき、漆喰には細かなひびが入ることもあります。
モデルハウスは完成時の美しさを確認する場所として役立ちますが、数年暮らしたあとの状態まではわかりません。
可能であれば、築年数の異なる施工事例を見せてもらいましょう。確認したいのは、きれいかどうかだけではありません。
経年変化について正直に説明できるか、補修方法が用意されているか、住まい手がどのように手入れしているかも重要です。
自然素材を上手に使う会社は、メリットだけでなく、傷、反り、色の変化、掃除方法なども具体的に説明します。
まとめ

オススメの仕上げ
京都市で自然素材の家づくりを成功させるには、自然素材を採用すること自体を目的にしないことが大切であることがご理解いただけたと思います。
整理すると、
- 「自然素材を使う」は、無垢材や漆喰などを材料として採用すること
- 「自然素材を上手に使う」は、場所や気候、体質、手入れ、職人の経験まで考えること
- 京都市では、夏の蒸し暑さと冬の底冷えに対応する住宅性能が必要
- 狭い敷地では、坪庭や高窓などを応用した採光・通風計画が役立つ
- 地域によって景観基準や事前協議があるため、京都市での実績を確認する
- 工務店やハウスメーカーは、素材名ではなく標準仕様と施工範囲で比較する
そして、無垢材を使っているかだけでなく、
「なぜこの場所に、この素材を使うのか」を説明できる会社を選びましょう。
まずは候補となる工務店やハウスメーカーに、素材の長所だけでなく、注意点や補修方法まで質問することから始めてみてください。
京都市で家を建てるなら
地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
中川 高士(あまねこう代表)
大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。
営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。
10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。
【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員
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