『玄関のポーチとシロアリ被害の意外な関係』知らないと後悔してしまうポイントです

 京都市西京区で注文住宅を手がける「あまねこう」の中川です。早速ですが、戸建てを検討してらっしゃるみなさんは、シロアリ予防のことが気になる方も多いと思います。

 このシロアリ予防、ほとんどが防蟻剤と呼ばれる薬で行われています。その薬効で保証がつくのですが薬効が切れれば当然保証も切れます。シロアリ予防でできることはやっておきたい。基礎の時にできるその一つを紹介いたします。

▶︎基礎工事の際に、シロアリ対策で気を付けるポイント

 マイホームのプランや見積もりの際に「玄関ポーチ」という言葉が出てこなかったでしょうか。プラン、間取りによるのですがローコスト系の住宅会社だと「玄関ポーチは外構で作りましょう」と言われることが多いようです。

 中川の知ってる人は「後でできますよ」と言われたそうです。これは建物の見積り金額を高く見せたくないところに起因するのですが、別で大きな問題を孕んでいます。それがシロアリです。

 シロアリと玄関ポーチ?と思う方も多いでしょう。少し乱暴に書きますが、シロアリは太陽の光の当たらない隙間を這って行きます。

 玄関ポーチが基礎よりも後日の施工だと見た目にはくっついて一体化していても、構造的には縁が切れています。シロアリはここを通るのです。

画像はフリーのものから引用
玄関ポーチが土に。後付けするであろう外部のポーチと基礎の隙間が心配。

画像はフリーのものから引用
内部も外部も土のまま残している。

あまねこうの基礎
掘り方で掘り捨てコンを打設。この捨てコンが物理的バリアに。地面からシロアリが上がってこれない。

あまねこうの基礎
配筋の様子。ポーチはこの後ワイヤメッシュを仕込みコンクリートを荒打ちします。この後、ホウ酸による防蟻処理。薬剤は使いません。

▶︎勝手口の踏み台なども一緒の考え方です

 玄関ポーチは段になっているので基礎の上まではすぐそこ。基礎の上には土台と呼ばれる構造材があるので、玄関ポーチと基礎の隙間は「シロアリさん通ってください」と言わんばかりの隙間です。

 勝手口の踏み台なども同じ考え方です。基礎の周りに踏み台がある時は、基礎工事の際に一緒に打設するとシロアリ対策になります。

 「シロアリ対策は防蟻材で」という意識が、リスク回避の目を曇らせます。見積もりを安くするのは大事なことですが、それに伴い建物にリスクを負わせるのは本末転倒です。これから住まいづくりをするみなさんには知っておいてほしいポイントです。

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。