シックハウス症候群と化学物質過敏症|まずは何かを知りましょう

 「自分の家が原因になって病気になる!」。何を言ってるんだ、というようなこの話、現実の話です。マイホーム、しかも新築の場合に起きる疾患があります。シックハウス症候群。そしてシックハウス症候群が引き金になり、化学物質過敏症という疾患もあるのです。

目次

このブログのポイント

・シックハウス症候群・化学物質過敏症とは一体なんのことなのか。わかりやすくポイントをまとめます。

・マイホームが原因で発症するなら住まいづくりの中でできる対応策はあるのでしょうか。具体的な対応策を紹介します。

シックハウス症候群と化学物質過敏症

 健康住宅に興味のある人なら、シックハウス症候群、化学物質過敏症という言葉を聞いたことはあるでしょう。しかし、この二つは、似て異なるもの。何がどう違うのか。解説いたします。

シックハウス症候群とは

 シックハウス症候群とは文字通り、ハウス、住まいの建材など家に起因した空気中の化学物質が原因で頭痛や吐き気、アレルギーのような症状を起こすことを言います。

 空気質の改善が効果的であると最近では言われており、空気清浄機や換気扇、さらには、そもそもそういった物質を発散させない住まいを建てる、という動きもあります。

化学物質過敏症とは

 化学物質過敏症は病名ではなく症状をさした言葉です。まだ完全に解明されていない疾患です。

 シックハウス症候群が入り口になるという話もあります。様々な化学物質に身体が過敏に反応してしまい、頭痛、めまい、その他アレルギーのような症状に。低濃度の化学物質にずっと触れていることで身体に蓄積し、慢性的な症状となる場合もある疾患です。

住まいづくりで対応できるのか

無添加住宅:化学物質過敏症の方が住める家

 シックハウス症候群や化学物質過敏症で苦しむ方々や、またはその予防などはできるのでしょうか。できるとしたらどのような方法があるのでしょうか。

住まいづくりで対応できること

 健康住宅というからには、シックハウス症候群、化学物質過敏症、この二つの問題を考えて建てないと意味がありません。症状が出ないようにする、治す、ということは住まいでは絶対にできません。しかし住まいや住まいづくりでできる対応は行うべきです。

部屋の空気質の測定を

 まずは部屋の空気質を知ることだと思います。いずれにせよ空気中の化学物質に反応し、症状が出るわけなので原因物質が何なのかを探ることは大切です。

 新築でもリノベーションでも測定は可能。マイホームに特化した測定方法もあるので、それを利用すると良いと思います。

建築の際に使う材料を厳選する

 建築工事の際、使用する材料、建材を吟味することが大切です。現在、マイホームで使う材料の主流は石油商品。要するに樹脂製品です。接着剤も同様。疾患のもとになる揮発性有機化合物を多量に含んでいます。

 国の規制値以内なので「安全です」「健康です」と説明する住宅会社もありますが、それは拡大解釈です。人によれば基準値内でも危険です。また、暮らし始めてから発症する人も多いので、「現在」より「未来」に目を向けることも大切です。

 空気を清浄するという考え方もあります。しかし長く永く暮らす家ですから、家そのものから多種多量の化学物質が揮発されないようにするのが、そもそも論ではないかと強く思います。

※興味のあるみなさんには、別の記事が参考になると思います。ぜひご参照ください。
汚れた空気を毎日吸っているかもしれません|空気質の測定で変わる暮らし

まとめ

 似て異なるシックハウス症候群と化学物質過敏症。しかし、マイホームの中で暮らす上での疾患であればほぼ同義です。

具体的にできる対策とは

 現在すでに疾患で苦しんでおられる方は、家の中の空気質を測定することで対応を考えることができます。

 これからマイホームを建てる方は、そもそも化学物質(揮発性有機化合物)を含まない建材を使うことで対策が可能です。

 予算の問題、または知らずに建ててしまった人でも、やはり家の中の空気質を測定することで情報を得て、それに対する対策を考えるのが良いでしょう。

京都市で健康住宅を建てるなら地元の工務店へ

 京都市で健康住宅を建てる場合、健康住宅とはそもそも何かということをお客様に明確に答えられる工務店を選ぶことが重要です。基準値内だから大丈夫、など杓子定規な話ではなく、みなさんの状況、環境を聞いてもらい対応することがベストです。

 また京都は、狭小道路、狭小土地など独特の住環境。地元での経験が長く、健康住宅なども工事経験の豊富な工務店を選ぶことは皆さんの大きな安心へとつながることと思います。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。