冬に嬉しい暖かいお風呂と洗面室の秘密|間取りのテクニック

「寒い!!!」
一戸建ての中で一番寒い場所ってどこかわかりますか。それはお風呂です。ユニットバスを設置すれば「寒くない」という誤解や間違いがまだまだ建築業界には残っています。

なぜユニットバスは寒いのか。そして暖かい家にする間取りのテクニックを紹介します。

目次

このブログのポイント

・ユニットバスが暖かい、という誤解と間違い。家の中で一番寒い場所「ユニットバス」。なぜ寒いのか解説します。

・家の性能だけに頼らず、間取りに工夫をすることでより一層暖かい家を建てることが可能です。実例を交えて解説します。

ユニットバスは実は寒い

ユニットバス家の中で一番寒い場所です。「暖かいですよ」と説明されることが多いのですが、この間違いを説明していきます。リフォームなどでも寒いからユニットバスに変更することを考えている方々にも参考になると思います。

ユニットバス|家の中の、家の外

基礎の中を「家の中」と言う解釈にするためUB周りの基礎は断熱をする

ユニットバスは家の中で唯一、外にあります。これは施工中を見れば一発でわかります。ユニットバスは基礎の上に置く、という感じで施工をします。

基礎の上、基礎周り、の中に設置します。要するにユニットバスの周りの空気は「外の空気」なのです。

ユニットバス周りの基礎を断熱したり、ユニットバスの区画を気密断熱したりすることで対応している住宅会社もありますが、不充分だと思ってください。

余談ですが、ユニットバスのパネル自体に断熱材を仕込むことが可能です。ほとんどのユニットバスメーカーではオプションになっています。これは絶対設置した方が良い項目。オプションの場合はつけてもらいましょう。

間取りで可能になる暖かいユニットバス

基礎とユニットバスである程度の対応は可能です。ここに間取りの考え方を足しこむと、ユニットバスだけではなく、住まいの快適性にもつながります。

水廻りの設計の工夫

太陽を利用して、暖かい住まいを叶えた間取りを紹介します。

一般的には洗面室やお風呂を間取りの中で考えた際、一般的には家の北側に配置されることが多いと思います。必然性がない限り、陽の当たるスペースには居室を配置。どうしても水廻りは追いやられるわけですね。

画像は家の北側ですが、西から「ユーティリティ」「洗面室」「ユニットバス」と部屋を配置しています。そしてポイントは、この西の掃き出し窓は「日射取得型」のガラスであること。

一般的には西陽の暑さを嫌い「遮熱型」を使います。今回はあえて西側に日射取得型の窓ガラスを採用し、太陽の熱を家の中に閉じ込める、という設計にしています。

太陽の熱を利用する間取り

西陽の暖かい熱を、日中に家の北側に取り込み、エアコンなどを利用せず夜も暖かくなるよう設計しています。このような設計をすると「夏は西陽で暑いでしょ!」と思うでしょう。

この窓にはシャッター雨戸を設置。夏の西陽はサッシの外側で遮断。熱を入れ込まないようにしています。こうすることで、窓とシャッター、ロールスクリーンを組み合わせて快適な温度調整を行えます。

そしてユーティリティは、洗濯物が干せるようになっていて、共働き世帯には嬉しい設計。花粉症対策にもなっています。さらに極め付けは、動線を兼ねた温熱環境の工夫です。

太陽の熱でLDKも暖かくなる

画像をみてください。キッチンの背中に見える幅の広いドア。ここを開けると洗面室に入ります。キッチンからすぐに洗面室、ユーティリティ、お風呂へと移動できます。

またこのドアは大きく開くことができるので、寒い冬は太陽の熱をLDKにも取り込みます。そしてリビングは吹き抜けになっていてその熱が2階まで達するようになっており、この住まいは太陽のおかげで暖房エネルギーがほとんど要らない設計になっています。

余談ですが、幅広のドアは普段開け放しです。お子さんが小さいので家事をしている際にもよく見えるようにという配慮もあります。できる限り死角を無くすことで、子育てのストレスを軽減。あまねこうが考える健康住宅「心への配慮」の一つです。

まとめ

間取りで暖かく涼しい家にするっていっても、どのように考えていけば良いのかわかりにくいと思います。その際のポイントも含めてまとめます。

等時間日影図|敷地を徹底的に調べる

答えは実は難しくありません。敷地を徹底的に調べること。これが答えです。どの住宅会社でも敷地調査を行います。「やってるよ」となると思います。

ここで言う「調査」というのは、敷地で一番陽があたる場所はどこか。いつの何時が一番陽当たりがよく、いつがの何時が悪いのか。それらを調査する、ことがポイントです。

敷地周辺には建物が建っていると思います。その建物も調査します。「等時間日影図」という図面を調査、用意してもらってください。これがあってはじめて、その敷地での適切な間取りの提案が可能になると思います。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

 京都市で家を建てる場合、注文住宅でもリノベーションにおいても京都特有の環境に注意が必要です。景観条例に代表される京都独特の法令があるからです。また狭小道路や狭小土地なども京都ならではと言っても良いでしょう。

 暖かく涼しい家を建てたいと考えたとき、地元での経験が長く、工事経験の豊富な工務店を選ぶことが皆さんの大きな安心へとつながることと思います。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。