手付金と契約金は違うものです

「とりあえず手付金を支払った!」

マイホームを申し込みしたい、

土地の申し込みをしたい、

その他、住まいや不動産購入に関して

「手付金」というキーワードを聞いたことはないですか。

しかし、ちょっとお待ちください。手付金は

「申し込み証拠金(つば付け)」
「契約金」
「代金の一部」
「着手金」

これらすべてが違うんです。手付金の意味を知っておかないとトラブルの元になりかねません。

手付金とは|解約手付|解約権を認めるため

さて手付金とは一体どういったお金なのでしょうか。少し乱暴に、かつ簡単に説明すると

「キャンセルする権利=解約権」を手付金で購入した、ということなんです。

不動産の契約時に手付金を支払うことで、

・キャンセル(解約)できる(理由や事情は問わない)

・契約を履行するためのけじめ(履行の担保)

・万が一の損害賠償や違約金への充当

以上のような内容を担保しているわけなんです。

手付金は代金ではありません

ほとんどの不動産購入者は「手付金」を支払うと「代金の一部を支払った」と考える人が多いと思います。

実際には購入代金を支払った際に、「返還されるお金」なのです。契約金や代金とは全く違う「独立した金銭」です。

ただし、実務上は引き渡し時に代金に充当するケースが多いので誤解が生じてい流のだと思います。

契約金は手付金ではありません

さて、注文住宅の建設やリフォーム、リノベーションの契約の際の契約金を「手付金」と称するケースが存在します。

あろうことか、住宅会社や工務店側がそのように表現することもあります。

不動産の売買とは違い、建設、工事は請負業務です。売買ではありません。お客様は工事代金を払うわけですから「手付金」という概念は存在しません。

なんらかの事情でキャンセル(解約)になる場合は、それまでに要した費用は「工事代金」として認められます。

その代金を支払うということはあり得ますが、契約金を手付金のように「放棄」するという考え方はありません。

申し込み証拠金は手付金ではありません

不動産売買において「申し込み証拠金」という制度があります。これは購入者が「買う」という意思表示を示す意味で金銭を利用しているものです。

法的拘束力はなく、購入しない場合は速やかに「返金」することが法律で定められています。

また、申し込み証拠金を支払ったから「一番目の交渉権がある」というのも法的拘束力は実はありません。

不動産会社は申し込み証拠金を預かっていても、その他の人と商談したり契約締結を進めることはできるのです。

重要事項説明と手付金

手付金は支払うタイミングが決まっています。

不動産会社を介して、または不動産会社から購入する場合には下記がポイントとなります。それは「重要事項の説明」です。

「重要事項説明」とは文字通り不動産購入にあたり法律で定められた項目の説明です。

不動産を購入時の契約締結に先立って有資格者が「重要事項の説明を行う」という義務が存在します。

この重要事項説明後でないと、契約締結も手付金の授受も認められていません。

まとめ|手付金ってなに?

いかがでしょうか。

手付金は契約金や代金と異なり全く「独立した金銭」です。

またお客様が誤解するのはさておき、不動産会社、住宅会社や工務店が「手付金」という言葉を間違えて(意識的にも無意識的にも)使うことがあります。

いずれにせよ、手付金や契約金のことを詳しく知る機会はそうそうありません。本記事が参考になれば幸いです。

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あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。

2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。

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