
こんにちは。京都市西京区で自然素材の住まいづくりを手がける「あまねこう」の中川です。
エアコンは「帖数」だけで選んでいませんか? 実は、カタログに書かれている帖数表示や能力(kW)を正しく理解しないまま購入すると、必要以上に高額なエアコンを選んでしまうことがあります。
今回は、エアコン性能の見極め方や選び方の落とし穴を、建築のプロの視点からわかりやすく解説します。
- 1. 多くの人が見誤る「エアコンの能力(kW)」とは?
- 1.1. 家電量販店の「何帖用ですか?」の落とし穴
- 2. 大きめエアコンを選びがちな心理とその影響
- 2.1. 「効かなかったらイヤだから…」がコスト増の原因に
- 3. 実は同じ?エアコン性能を比較してみる
- 3.1.1. 6帖用:0.6〜6.2kw
- 3.1.2. 8帖用:0.6〜6.3kw
- 3.1.3. 10帖用:0.6〜7.3kw
- 3.1.4. 14帖用:0.6〜7.3kw
- 3.1. 大きい機種を選んでも、電気代がムダになるだけ
- 4. 性能に合ったエアコン選びのコツ
- 4.1. 建物の性能を加味して選ぶのが理想
- 5. まとめ|「少し大きめ」が正解とは限らない
多くの人が見誤る「エアコンの能力(kW)」とは?
家電量販店の「何帖用ですか?」の落とし穴
家電量販店でエアコンを購入しようとすると、まず
「何帖のお部屋ですか?」
と聞かれます。これはカタログにも「◯帖用」と表記があるため、当然のように参考にされがちです。
しかし、この帖数は数十年前の基準で、現在の高性能な新築住宅や省エネリノベーションを行った住まいには合っていないケースが多いのです。
大きめエアコンを選びがちな心理とその影響
「効かなかったらイヤだから…」がコスト増の原因に
「万が一効かなかったら嫌だ」という心理から、帖数よりも一回り大きなエアコンを選ぶ人は多いです。実際、販売店や電気工事店からもそのように勧められることがあります。
これは「クレーム回避」や「売上アップ」など、販売側の都合も関係していることが少なくありません。
実は同じ?エアコン性能を比較してみる
では、どのようにエアコンの性能を見ればよいのでしょうか? 下記は、あるメーカーの暖房時の能力(kW)の比較です。
帖数 | 能力(kW) |
---|---|
6帖用 | 0.6〜6.2 |
8帖用 | 0.6〜6.3 |
10帖用 | 0.6〜7.3 |
14帖用 | 0.6〜7.3 |
※カタログ上の「kw」と記載された数字の下の(括弧内)を見てください。
この表からわかるように、
- 6帖用と8帖用は、ほぼ同じ性能
- 10帖用と14帖用も同じ性能
となっています。
6帖用:0.6〜6.2kw

8帖用:0.6〜6.3kw

10帖用:0.6〜7.3kw

14帖用:0.6〜7.3kw

大きい機種を選んでも、電気代がムダになるだけ
エアコンの電気代は「消費電力 × 使用時間」で決まります。 能力が同じであれば、大きい機種を選ぶほど購入費用(イニシャルコスト)も電気代(ランニングコスト)も高くなりがちです。
性能に合ったエアコン選びのコツ
建物の性能を加味して選ぶのが理想
実際には、建物の断熱性能や気密性能を加味してエアコンの必要能力を算出するのが最も正確です。
実際に量販店で筆者はエアコンを購入したことがあります。リビングの帖数に見合わない機種を選んだので販売員の方から「そんなん絶対に効かないです!」と断言されました。
この記事の内容を説明したら販売員が口ごもってしまう場面も。「自己責任でお願いします」的なことも言われました。それほど一般には正しい情報が伝わっていないのが現状です。
ちなみにエアコンはちゃんと効いています。
まとめ|「少し大きめ」が正解とは限らない
エアコンは決して安い買い物ではありません。 「大は小を兼ねる」と思いがちですが、無駄な出費につながる可能性もあります。
断熱性能の高い住まいでは、必要以上に大きな機種は不要です。 カタログの数字や帖数表示に惑わされず、建物性能に合わせた選定を心がけてください。
これからエアコンを購入予定の方の参考になれば幸いです。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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