住まいのアフターメンテナンス費用への不安

画像はイメージです:無添加住宅HPより

そんなに費用が必要なの?」と声が聞こえます。それは住まいのアフターメンテナンス費用のことです。

例えば、注文住宅なら新築後のアフターメンテナンス費用は1000万円を超えると言われています。

リノベーションの場合は、元の状態にもよりますが、維持管理費用は絶対に必要です。

そんな金額を耳にするととても不安になるのではないでしょうか。

そんな不安を少し打ち消せる情報を一つ紹介いたします。

目次

アフターメンテナンスへの意識

マイホームを手に入れ、喜びや家族との団欒の楽しさ、未来への期待、膨らむことが多々あると思います。

と同時に、住宅ローンやアフターメンテナンスに係る将来の費用負担など、不安になることから目を逸らしてしまいがちなのも事実です。

アフターメンテナンスについては何にどれだけの費用が必要なのか、さっぱりわからないという方がほとんどだと思います。

最近では長期優良住宅の普及のおかげで、係る費用の総額をちゃんと伝えてくれる住宅会社さんも増えました。

それでも、具体的にどの部分いいくら必要かということまでは覚えていられないと思います。

メンテナンスが不必要な素材や工法で考える

メンテナンスの箇所については、長期優良住宅を考えている方は、その資料に記載されているものがアフターメンテナンスが必要な箇所だと思ってください。

アフターメンテナンスが必要な大項目でおよそ30項目。中項目や小項目まで数えるとかなりの数の項目数が存在します。

長期優良住宅を考えていない方も、その資料はメンテナンス箇所を知るのに有効なので参考にしてください。

今回の記事では、そもそも「メンテナンスが不必要」「ほとんどメンテナンスが要らない」という考え方で住まいづくりを検討してみては、という話を紹介します。

意外とアフター費用がかからない自然素材

画像は、築10年のお住まいの外壁補修の様子。職人さんが何やら手に道具を持っていますね。

外壁材は「漆喰(しっくい)」、職人さんは左官屋さんです。

特に珍しい光景でもないように感じますか?

実はそうではないのです。今の日本の住宅の主流は乾式工法。要するに防火サイディングボードと呼ばれるパネルのようなものを貼っていく施工です。

もちろん、サイディングの良さもたくさんあるのですが、デメリットはメンテナンスや修理に大きな費用がかかる、ということ。

部分補修が安価にできる

上記の画像は、バルコニーの排水の詰まりが原因で雨樋の外部のハコの部分で不具合が生じました。それが外壁を痛めてしまった部分の補修。

外壁が漆喰だったので部分補修を安価にできたということが、今日の答えです。

漆喰はそれそのものが経年で傷むことはありません。初期費用はサイディングよりも高いのですが、住んでからサイディングのように定期的に塗装をしたりする必要がありません。

足場を組んで、コーキング(防水)をやり変えて、塗装をする、という大きな工事をしなくて済むのですね。

どこまでが部分補修と呼べるのか?

また、サイディングの主流のサイズは横貼りで3030*455ミリ。

要するに、部分補修の場合は直す部分のこのサイズが1枚以上必要になるわけです。
もはや部分補修ではなくなります。

年月が経ち廃番になっている可能性もあります。
(あまねこうではサイディングを採用されるお客様にはシンプルで単色のものを薦めています。将来の補修と塗装が容易なことが理由です)

長期的に見たアフターメンテナンスの意識を

この画像は外壁の角に車をぶつけてしまった時の様子。

これも漆喰を塗るだけで直せました。費用にして約1万円ほど。

これがサイディングだと、角に使用する「役物」の交換。役物の角から右と左へ伸びるサイディングの交換。

画像には写っていない上部も傷んでいるので2段。合計4枚必要となります。しかもサイディングは下から上へ貼り上げる仕組みです。

さらにサイディングは補修箇所を綺麗にめくることができないので、補修後はコーキングに防水を頼ることになります。補修をしても不安が残ります。

さらに、補修費用も10万円以上かかります。

まとめ

防火サイディングボードを採用してはいけない、ということではありません。

選択する素材によってアフターメンテナンスに必要な時期や費用が大きく変わります。

建てる前にそれらをしっかり勉強して、素材や建材、工法を選ぶことが、アフターメンテナンス費用への不安を少なくしてくれるポイントです。

今日は外壁だけでしたが、長持ちとメンテナンスと費用の関係を、高いバランスで叶えてくれるものが自然素材、天然素材には多いことを覚えておいてください。

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。