家の中がジメジメするのはなぜ?

梅雨や夏になると、家の中のジメジメはとても不快ですよね。

窓を開けてもすっきりしない。

エアコンをつけても、寒いし空気は重たいし。

部屋干しすれば、においは気になる。

収納の中まで湿っぽい。

そんな経験をしたことがあると思います。

ところで、湿気というと「湿度が高いか低いか」で考えがちですが、実は室温に大きく関係します。

意外と見落とされやすいのが、家の中の温度の考え方です。

実は、外の気温より、家の中の室温の方が基本的には高いのです。

京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」では、湿気対策を換気だけで考えるのではなく、室温・断熱・日射・素材・暮らし方まで含めて考えるて欲しいと切に願っています。

家の中の温度は外の気温より高くなるんです

天気予報で「今日の最高気温は30℃です」と聞くと、家の中も同じくらいの温度だと思うかもしれません。

しかし実際には、物理的には家の中の方が外の気温より高くなります。

特に、日当たりの良い部屋。

西日が強く入る部屋。

風が通りにくい部屋。

屋根や外壁から熱が伝わりやすい家。

そして冷蔵庫やテレビなど家電のある部屋。

こうした条件が重なると、外よりも家の中の方が暑くなります。

外の気温が30℃でも、室内がそれ以上になっていることも少なくありません。

「外はそこまで暑くないのに、家の中がムワッとする」

という場合は、湿気だけでなく室温の高さも関係しているかもしれません。

室温が高いとジメジメしやすく感じる理由

暖かい空気は水蒸気を多く含みやすい

空気は水蒸気を含むことができます。

そして、暖かい空気ほど多くの水蒸気を含みやすくなります。

つまり、室温が高い家では、空気中に多くの水分を抱え込みやすい状態になります。

そこに、料理、洗濯、入浴、部屋干しなどで水蒸気が発生すると、家の中の空気はさらに湿っぽくなります。

これが、ジメジメ感につながるわけです。

湿度の数字だけでは湿気の量はわかりにくい

湿度50%と聞くと、なんとなく快適そうに感じるませんか。

しかし、室温20℃の湿度50%と、室温30℃の湿度50%では、空気中に含まれる水蒸気の量は同じではありません。

室温が高いほど、同じ湿度でも空気中に含まれる水蒸気量は多くなります。

住まいの湿気対策では、湿度の数字だけでなく、室温も一緒に考えないとジメジメは解決できないわけです。

絶対湿度で見ると湿気がわかりやすい

一般的に湿度と聞くと、湿度何%という数字を思い浮かべると思います。

これは相対湿度と呼ばれるものです。

一方で、空気中に実際どれくらいの水蒸気があるかを見る考え方として、絶対湿度があります。

難しく考える必要はありません。

要するに、同じ湿度%でも、室温が違えば空気中の水分量が違うということです。

「湿度はそこまで高くないのに、なんだかジメジメする」

という場合、室温の高さや空気中の水蒸気量が関係しているかもしれません。

湿気は外から入るだけではありません

家の中の湿気は、外から入ってくるだけではありません。

暮らしの中に水蒸気を発生させるものがたくさんあります。

たとえば、

料理をする。

お湯を沸かす。

お風呂に入る。

洗濯物を部屋干しする。

人が呼吸する。

こうした日常の行動で、家の中には湿気で溢れるのです。

特に梅雨や夏は、外の空気にも湿気が多く含まれています。

そこへ室内で発生する湿気が加わると、家の中がさらにジメジメするのです。

ですから、湿気は「なくすもの」ではなく暮らしや住まいに合わせて調整するものだと知っておいてください。

湿気そのものの考え方については、以前の記事でも詳しくまとめています。

梅雨のジメジメと住まいの関係については、下記の記事もあわせてご覧ください。

→ 『梅雨のジメジメ対策は家づくりで変わる?|湿気に悩まない住まいの考え方

湿気がこもりやすい家で起こりやすいこと

部屋干し臭が出やすい

家の中に湿気がこもると、洗濯物は乾きにくくなります。

乾くまでに時間がかかると、部屋干し臭が出やすくなります。

洗濯物の量が多い家庭や、雨の日に部屋干しが続く時期は特に注意が必要です。

カビが発生しやすい

湿気が多い状態が続くと、カビが発生しやすくなります。

浴室や洗面所だけでなく、収納の中、押入れ、家具の裏、窓まわりなどにも注意が必要です。

見える場所だけでなく、空気が動きにくい場所にも湿気はたまりやすくなります。

結露につながることがある

湿気が多く、室内外の温度差が大きいと、結露につながることがあります。

結露は冬のイメージが強いかもしれませんが、湿気の多い季節にも注意が必要です。

窓まわりや壁の中など、見えにくい場所で問題になることもあります。

収納の中にも湿気はたまる

湿気対策で見落としやすいのが収納です。

クローゼットや押入れは、扉を閉めている時間が長く、空気が動きにくい場所です。

布団、衣類、紙類、革製品などは湿気の影響を受けやすいため、収納計画も大切になります。

過ごしやすい家にするための湿気対策

換気で湿気を外へ出す

まず大切なのは換気です。

家の中で発生した湿気を外へ出すことが基本的な湿気対策です。

ただし、外気より内気の方が温度は高くなることは前述の通りです。

換気扇や24時間換気、除湿機、エアコンなどを上手に使うことが大切です。

除湿で空気中の水分を減らす

ジメジメ感が強いときは、除湿も有効です。

エアコンの除湿機能や除湿機を使うことで、空気中の水分を減らすことができます。

ただ、除湿だけで解決しようとすると部屋の温度や空気の流れによっては不快感が発生します。

室温と湿度の両方を見ることが大切です。

断熱の仕組みを知る

湿気対策というと換気や除湿が中心に思われがちですが、断熱も大切です。

断熱が弱い家では、外の暑さや寒さの影響を受けやすくなります。

しかし、高断熱の家は夏に室温が上がりこもりやすくなります。

外気の湿度が高い季節に室温が上がると、湿気の不快感へとつながります。

日射対策で室温上昇を抑える

家の中が外より暑くなる原因のひとつに、日射があります。

特に夏の西日や南面の大きな窓は、室温を上げる原因になります。

軒、庇、外付けのシェード、すだれ、植栽などで日射を調整することで、湿気対策になるわけです。

室温が上がりにくくなれば、ジメジメ感も抑えやすくなります。

収納の中に湿気をためない

湿気は、空気が動かない場所にたまりやすくなります。

収納の中は特に注意が必要です。

物を詰め込みすぎない。

空気の通り道をつくる。

ときどき扉を開ける。

必要に応じて除湿剤を使う。

こうした小さな工夫も、湿気対策になります。

あまねこうでは収納のドアを設置しない提案もおこなっています。

なお、換気・除湿・部屋干し・収納・窓の位置など、暮らしの中でできる具体的な湿気対策については、下記の記事でも詳しくまとめています。

今回の記事では「室温と湿気の関係」を中心に解説していますので、実際の対策を知りたい方はあわせてご覧ください。

→ 『梅雨のジメジメ対策どうする?|家づくりと暮らしでできる湿気対策まとめ

自然素材は湿気対策の万能薬ではありません

漆喰や無垢材には、湿気を吸ったり吐いたりする調湿性があります。

そのため、自然素材を使った住まいは、空気感が軽く感じることがあります。

ただし、自然素材を使えば湿気の悩みがすべて解決するわけではありません。

換気が不十分であれば湿気はこもります。

室温が高すぎればジメジメ感は残ります。

部屋干しや入浴などで発生する湿気が多ければ、除湿も必要になります。

大切なのは、家の温湿度の仕組みと素材の特徴を正しく理解して使うことです。

自然素材、換気、除湿、断熱、日射対策。

これらを組み合わせて考えることで、過ごしやすい住まいになっていきます。

まとめ|湿気対策は「室温」と「水蒸気量」を一緒に考えましょう

家の中がジメジメする理由は、湿度の数字だけでは説明できません。

外の気温より家の中の室温の方が高くなることで絶対湿度も高くなるからです。

室温が高い空気は水蒸気を多く含みやすく、そこへ料理、洗濯、入浴、部屋干しなどの湿気が加わると、ジメジメ感が強くなります。

湿気対策は、除湿機を置けば終わり、換気をすれば終わり、というものではありません。

室温が上がりにくいこと。

湿気がこもりにくいこと。

収納や洗濯動線まで考えられていること。

素材の特徴を理解して使うこと。

こうした積み重ねが、毎日の心地よさにつながります。

毎日が心地いいには理由があります。

湿気の少ない住まいも、温度と空気と暮らし方を一緒に考えるていきましょう。

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あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

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