みなさんこんにちは。
京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」の中川です。
家づくりの打ち合わせをしていると、
「そこはおまかせします」
「いい感じにしてもらえれば大丈夫です」
と言っていただくことがあります。
信頼して任せてもらえるのは、住宅会社としてありがたいことです。
しかし実際には家づくりの「おまかせ」は結構難しいのです。
中川が「こちらの方がいい」と思うものと、お客様が「いい」と感じるものが、必ずしも同じとは限らないからです。
一方で、造作の細かな納まりなど、住宅会社に任せてもらった方が決めやすい部分もあります。
今回は、家づくりで住宅会社に任せやすいことと、反対にお客様の好みや判断基準を共有してほしいことについて書いてみます。
- 1. 家づくりで「おまかせします」が難しいのはなぜ?
- 2. 注文住宅で住宅会社に任せやすいこと・任せにくいこと
- 2.1. 造作や納まりなどの技術的な部分は住宅会社に任せやすい
- 2.2. 色・素材・雰囲気などの好みは住宅会社だけでは決めにくい
- 3. 家づくりの打ち合わせでは「好き・嫌い」を共有してほしい
- 3.1. 好きなものだけでなく「嫌いなもの」も家づくりのヒントになる
- 3.2. 写真や施工事例を使うと住宅会社と好みを共有しやすい
- 4. 住宅会社が提案しやすくなるのは「優先順位」が分かるとき
- 4.1. 見た目と掃除のしやすさ、どちらを優先する?
- 4.2. 価格と素材感、どちらにお金をかける?
- 5. 「全部決めてください」という家づくりではない
- 6. 住宅会社に「おまかせ」できるのは判断基準を共有できてから
家づくりで「おまかせします」が難しいのはなぜ?

家づくりには、必ずしも一つの正解があるわけではありません。
例えば床材一つを選ぶにしても、
木の表情がしっかり見える方が好きな人もいれば、できるだけスッキリしたものを好む人もいます。
同じように、
- 見た目を優先したい
- 掃除のしやすさを優先したい
- 多少手間がかかっても素材感を大切にしたい
- できるだけ手入れの少ないものにしたい
など、何を「良い」と感じるのかは人によって違います。
住宅会社側が良いと思うものを選ぶことは簡単です。
しかし、それがそのままお客様にとって良いものになるとは限りません。中川の家をつくるのではなく、お客様が暮らす家をつくるからです。
注文住宅で住宅会社に任せやすいこと・任せにくいこと
「おまかせ」がすべて難しいわけではありません。
家づくりには、住宅会社側で判断しやすい部分と、お客様の考えを聞かないと判断しにくい部分があることを知っておいてもらうのが大切だと思います。
造作や納まりなどの技術的な部分は住宅会社に任せやすい
例えば、
- 造作家具と壁をどう納めるか
- 見切り材をどこに入れるか
- 巾木をどう納めるか
- 建具と壁の取り合い
- 下地をどのようにつくるか
- 現場で数ミリ単位の調整が必要になった場合
といった部分です。
こうした部分は設計や現場経験から、
「こちらの納まりの方がきれいです」
「こちらの方が施工上無理がありません」
という風に提案できます。
こういったことまでお客様に細かく判断してもらう必要はありません。
むしろ、専門的な部分については住宅会社に任せてもらった方が、スムーズに進むことも多いです。
色・素材・雰囲気などの好みは住宅会社だけでは決めにくい
難しいのは、
「床も壁も全部いい感じで」
「照明もおまかせで」
「造作家具も好きに決めてください」
というように、好みまで含めてすべて任せてもらう場合です。
例えば同じリビングでも、
木をたくさん使った空間が好きな人もいれば、木はアクセント程度でいいという人もいます。
明るい空間が好きな人もいれば、少し落ち着いた暗さを心地よく感じる人もいます。
ここは施工技術ではなく、その人の価値観の話になること。
ですから住宅会社側の判断で決めるのは難しくなります。
家づくりの打ち合わせでは「好き・嫌い」を共有してほしい




だからといって、家づくりを始める前に、
「床はこの商品」
「照明はこのメーカー」
「壁はこの色」
まで決めてもらう必要はありません。
が知りたいのは、その前の部分です。
好きなものだけでなく「嫌いなもの」も家づくりのヒントになる
例えば、
「木は好きだけど、木ばかりの空間は苦手」
「ホテルのような雰囲気にはしたくない」
「生活感を全部隠すような家は落ち着かない」
「掃除が大変になるものは避けたい」
こういった話も、とても大切な判断材料になります。
好きなものだけではなく、
「これは自分たちらしくない」
ということが分かると、提案できる範囲をかなり絞ることができます。
写真や施工事例を使うと住宅会社と好みを共有しやすい
言葉で説明するのが難しければ、写真でも十分です。
SNSや雑誌、施工事例などを見ながら、
「この雰囲気は好き」
「これはちょっと違う」
と教えてもらう。
すると、住宅会社側も、
「木が好きなのではなく、この明るさが好きなのかな」
「この素材ではなく、スッキリした納まりが好きなのかな」
と、少しずつ好みを読み取れるようになります。
写真をそのまま再現することが目的ではありません。
なぜその写真が好きなのかを共有することに意味があります。
住宅会社が提案しやすくなるのは「優先順位」が分かるとき
家づくりでは、すべての希望を同時に満たせないこともあります。
例えば、
見た目と掃除のしやすさ、どちらを優先する?
デザインを優先すると、機能性や動線に無駄が発生することがあります。
反対に、掃除やメンテナンスを優先すると、見た目の選択肢が少なくなることもあります。
どちらが正しいという話ではありません。
大切なのは、その人なら、どちらを選ぶのかということです。
価格と素材感、どちらにお金をかける?
本物の木や自然素材を使いたい。
でも予算にも限りがある。
そんなとき、
「ここだけは素材にこだわりたい」
「見えないところは抑えてもいい」
という判断基準が分かれば、住宅会社側も予算配分を考えられます。
家づくりの提案では、この優先順位はかなり重要になってきます。
「全部決めてください」という家づくりではない
誤解のないように書くのですが、
「住宅会社に任せず、お客様自身ですべて決めてください」
という意味ではありません。
我々住宅会社には、
- 選択肢を整理する
- メリットとデメリットを伝える
- プロとしておすすめを提案する
- 細かな納まりを判断する
という役割があります。そのために必要なのが、
「お客様が何を心地いいと思う人なのかを知ることです。
最初から正確に言葉にできなくても構いません。
打ち合わせを重ねながら少しずつ共有できれば、それで十分です。
住宅会社に「おまかせ」できるのは判断基準を共有できてから

中川は、細かなところまで全部お客様に決めてもらいたいとは思っていません。
造作の納まりや施工上の判断など、プロに任せてもらった方がいい部分もたくさんあるからです。
ただ、
自分が良いと思うものと、施主が良いと思うものの差が分からないまま進めることは難しい。
これは家づくりをしていて、いつも感じることです。
好きなもの。
嫌いなもの。
見た目と使いやすさなら、どちらを大切にするのか。
どこにはお金をかけたいのか。
そうした判断基準が少し共有できれば、
「この方なら、こちらの方が合うだろう」
と住宅会社側も判断できるようになります。
家づくりの「おまかせ」は、何も伝えず全部決めてもらうことではなく、
自分たちの好みや判断基準を共有したうえで、専門的な部分をプロに任せること。
そのくらいの関係が、家づくりではちょうどいいのではないかと思います。
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地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
中川 高士(あまねこう代表)
大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。
営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。
10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。
【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員
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