長く愛される「歌謡曲」と建物デザインの関係を説明します

 京都で注文住宅を手がける「あまねこう」の中川です。マイホームの計画で、外装や内装を決めるときってとてもワクワクすると思います。インターネットの普及で好みのデザインを探すの容易になりました。ただ、このせいで建物のデザインでの失敗例も増えてきたそうです。どういうことでしょうか。

▶︎最新の建物デザインをネットで探しやすくなった弊害

 世の中には流行があります。インターネットで最新情報を追うのも簡単です。しかしマイホームは長い期間存在する建物なので流行だけを追うと困ったことが起こります。

 例えばタイル。玄関はもちろんのこと、最近はアクセントとして内装にもタイルを使うのが人気。カタログも新商品に溢れ見るだけでも楽しい。けれども廃盤になる可能性もあるんですね。

 デザインだけ気に入って採用して、将来手を入れるときに廃盤になってしまっている。そんなことが結構あります。逆にロングセラーの商品もあるわけです。商品を選ぶ際はそんな目線も必要です。

▶︎シンプルモダン系と共に歳を重ねてみる

 シンプルモダン系のデザインはまだまだ人気です。特に新築時は100点かと思うほどカッコいい!

 しかしここでも、長い年月住むことを少しイメージしましょう。例えば30代で家を建てるとき、50年後のみなさんを想像してみてください。そして玄関からみなさんが出てくるところを想像してみてください。

 家の中も同様です。「今」流行りのデザインに囲まれた部屋の中で80歳のみなさんが過ごしている風景をイメージしてみてください。

 この話はデザインを否定しているわけではありません。好きなものに囲まれて過ごすのは大切なことです。家というのは暮らし。身の回りのモノとは違い膨大な年月を共にする住まいなので、こんな視点も大切にして欲しいな、という提案です。

▶︎歌謡曲と建物デザインの関係とは

 歌謡曲はなぜ無くならないのでしょうか。大ヒットしたわけではないのに、長く歌い継がれる曲が多いのも事実です。長く愛されるのには理由があります。

 最新のものはすぐに廃れる可能性も高い。少なくとも10年以上続く品番を選ぶと安心です。本物の素材は飽きたり無くなることがありません。本物というのは「石」「木」「鉄」「漆喰」などの自然素材。そして未来の暮らしのイメージ。みなさんが高齢になった時をイメージしにくいときは、親御さんがこの家に住んでるイメージを。

 長く住む、という観点でぜひデザインしてみてください。

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。

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