京都市では好みの外観デザインの家が建てられないの?・景観条例を解説します

 さてマイホーム、戸建ての打ち合わせとなると外観デザインが気になるところです。欧風の可愛い外観やシュッとしたカッコいいデザイン、和風もいいですね。

 そんな気になる外観なのですが「好きなデザインや外観の家が京都では建てられない!」という声を聞きます。どういうことでしょうか。

◼︎景観条例というルールが京都にはあるんです

 景観条例という言葉をご存知でしょうか。京都市では京都らしい景観を保つため独自に建物の外観に関して制限を設けています。

 街並みに溶け込む色、周囲と違和感のない外観デザイン、などなどです。

 地域ごとに細かく分けられており、ほぼ気にしなくて良い地域もあれば、屋根は和瓦に、という場所もあります。

◼︎景観条例の注意すべきポイント

 大変細かく規定されているのですが、おおまかに言うと

・外壁材の種類、色への基準
・屋根の形状、材料、色への基準
・建物に付帯する設備(室外機など)

これら3つが挙げられます。

 特に色に関してはマンセル値という基準を使い定められており、例えば「白い外観にしたい」と要望だったとしても、ちょっとクリームがかった白やグレイッシュな白、というような具合です。

 必ず切妻、寄棟のような三角屋根に(片流れはNG)とか、瓦じゃないとダメというようなことも。中川は以前「和瓦じゃないとダメ」という地域でいくつか仕事をしました。

 有名なKmewのルーガ(見た目は瓦)も使用できない場所で、台風による被害で一部葺き変えだったのですが和瓦しか使えませんでした。当然費用は高額になります。

◼︎景観条例に過敏にならなくても大丈夫

 とはいえ、この条例が施行されて数年を経ています。工務店や住宅会社側も慣れたもので、打合せ中にご要望のデザインに対しておおよそ可不可はわかります。

 また一部の地域を除き、ある程度はデザインの幅もあるのでモダンなデザインが不可能なわけでもありません。まずはこういった景観条例があるということを知っておいてもらえれば、戸惑うことはないと思います。

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