加湿器を炊いている様子

みなさんこんにちは。
京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」の中川です。

冬になると、乾燥対策として加湿器を使う家庭も多いと思います。

「喉や肌の乾燥が気になるから、できるだけ湿度を高くしておこう」なんていう風に考えませんか?

ただ、最初に結論からいうと、

加湿は、すればするほど健康にいい、というわけではありません。

湿度を上げすぎると、冬の冷たい窓や壁などで結露が起こりやすくなり、その状態が続けばカビも発生しやすくなります。

健康のために使っている加湿器が、使い方によっては室内環境を悪くする原因になることもあるんです。

子どものために加湿器を使いすぎて、家がカビだらけになった経験

リビングに寝そべる子供と加湿器

これは、中川自身にも失敗した経験があります。

今から20年以上前、子どもが喘息気味だったこともあり、冬場には、

「乾燥させない方が身体にいいだろう」

と思って、加湿器をかなり使っていました。

当時の正確な記録はありませんが、今振り返れば、室内湿度はおそらく70%くらいまで上がっていたのではないかと思います。

インフルエンザなどの対策も兼ねて、子どものために良かれと思ってやっていたわけなのですが…

家の中が結構カビました。

今なら分かります。

子どものために室内環境を良くしたかったのに、湿度を上げすぎたことで、カビが育ちやすい環境を自分でつくってしまっていたわけです。

カビは喘息のある人にとって発作の誘因になってしまいます。

つまり、

「乾燥させない」と「湿度をできるだけ高くする」は、まったく違う話だった

ということです。

冬に加湿しすぎると結露が増える理由

窓ガラスが結露している様子

冬は、暖房された室内は暖かくても、

  • 窓
  • サッシ
  • 外壁側の壁
  • 北側の部屋
  • 家具の裏

などは、それより低い温度になっています。

そこへ湿った空気が触れると、結露が起こりやすくなります。

つまり、室内湿度を上げすぎるほど、家の中の冷たい場所では結露する可能性が高くなるということです。

窓に水滴がなくても安心とは限らない

結露というと、窓ガラスにびっしり水滴が付いている状態を想像しやすいと思います。

でも注意したいのは、目に見える窓だけではありません。

家具の裏やクローゼット、北側の壁など、空気が動きにくく温度も低くなりやすい場所があります。

こうしたところで湿った状態が続けば、気づかないうちにカビが生えることもあります。

窓に結露していないから、湿度は問題ない。

とは限らないということです。

カビが増えれば「健康のための加湿」とは言えない

加湿器そのものは悪くありません。問題なのは、

健康のためだからと、必要以上に加湿することです。

世界保健機関(WHO)でも、建物の湿気やカビと、呼吸器症状やアレルギー、喘息などとの関連を報告しています。

良かれと思って加湿した結果、カビが増えてしまえば本末転倒です。

中川自身が20年以上前にやってしまったのも、まさにそれでした。

加湿器を使うなら室内湿度は何%がいい?

湿度計

では、実際にはどのくらいの湿度を目安にすればいいのでしょうか。

中川なら、冬場はまず40〜50%程度を見ながら調整します。

米国環境保護庁(EPA)も、一般的な住宅では相対湿度30〜50%程度を一つの目安としています。

ただし、

「湿度50%なら絶対に結露しない」

という意味ではありません。

結露のしやすさは、

  • 外気温
  • 室温
  • 断熱性能
  • 窓の性能
  • 部屋ごとの温度差

などによって変わります。

同じ湿度50%でも、家によって状態は違います。数字だけでなく、実際にその家で結露やカビが起きていないかを見ることが大切です。

加湿器は「湿度計」とセットで使いたい

中川が20年前に戻れるなら、まず湿度計を置きます。

「今日は乾燥している気がする」

ではなく、

実際に何%なのかを見る。

そのうえで、

窓に結露が出ていないか。
家具の裏が湿っていないか。
北側の壁にカビが出ていないか。

こうしたところも確認します。

加湿器の「強」「弱」だけで管理するのではなく、湿度計を見ながら必要な分だけ加湿する。

これが基本だと思います。

高断熱住宅でも加湿しすぎには注意が必要

梁があり、自然素材で仕上げられた木造住宅のリビング

住宅の断熱性能が高くなると、冬でも窓や壁の表面温度が下がりにくくなるため、結露対策としては有利になります。

ただし、

高断熱住宅なら、いくら加湿しても大丈夫というわけではありません。

室内では、加湿器だけでなく、

料理、入浴、洗濯物の室内干し、人の呼吸などからも水蒸気が発生しています。

住宅性能が高くても、湿度そのものを管理する必要がなくなるわけではありません。

健康のための加湿は「高くする」より「管理する」

加湿器を使うなら、

湿度計を見る。
結露が出ていないか確認する。
カビが生えるほど湿度を上げない。

まずはこの3つを確認するのが良いと思います。

中川自身、昔は、「乾燥が悪いなら、加湿すればいい」と考えて失敗しました。

今は、健康のための加湿で大切なのは、湿度を高くすることではなく、その家に合わせて適切に管理することだと考えています。

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この記事を書いた人

中川 高士

中川 高士(あまねこう代表)

大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。

営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。

10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。

【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員

保有資格と住まいづくりへの活かし方を見る →

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