みなさんこんにちは。
京都市で住まいづくりを手掛ける「あまねこう」の中川です。
早速ですが、今の住宅には24時間換気が設置されています。「1時間で0.5回、部屋の空気が入れ替わる」というルールを守るためです。
では、
「24時間換気が動いていれば、家の中の空気はきれい」
と言えるのでしょうか。
最初に結論からいうと、そうとは限りません。
24時間換気は、室内の空気を自動的に「きれいな空気」へ変えてくれる設備ではありません。
単なる、外から空気を取り入れ、家の中を通し、外へ排出するための設備でしかありません。
そのため、
- 給気口を閉じている
- フィルターが詰まっている
- 家具で給気口を塞いでいる
- 家の中に空気の通り道ができていない
といった状態では、換気扇が動いていても、計画どおりに換気できていないことがあるわけです。
今回は、24時間換気が「付いているか」ではなく、実際に機能しているかという視点で考えてみましょう。
24時間換気とは?住宅に必要な理由

24時間換気は、シックハウス対策として現在の住宅に原則設置されている設備です。
改めて書きますが、住宅では原則として換気回数0.5回/h以上の機械換気設備が求められています。
簡単にいえば、1時間で室内容積の半分に相当する空気を換気するという考え方です。
(要するに2時間で部屋の空気が1回入れ替わる)
ただし、
「必要な換気能力を持つ設備がある」ことと、「実際に家の中で空気が流れている」ことは別なわけです。
24時間換気が正しく機能しない5つの原因
1.24時間換気のスイッチを止めている
意外とよくあるのが、24時間換気そのものを止めてしまうケースです。
「冬は寒い」
「音が気になる」
「電気代がもったいない」
と感じることがあるようです。
ただ、24時間換気は名前の通り常時運転することを前提として計画されています。
必要なときだけ使う普通の換気扇とは、少し役割が違います。
2.給気口を閉じている
中川が特に確認したいのが、給気口です。
換気というと、
「換気扇で空気を外へ出す」
ことばかり考えてしまいませんか。排出する分の空気は、どこかからか入ってこなければなりません。
住宅では一般的に、
給気口 → 居室 → 廊下など → 排気口
という空気の流れを考えて換気計画をします。
ところが、
「冷たい空気が入ってくるから」
と給気口を閉じてしまえば、その流れが崩れてしまいます。
換気は、排気だけではなく給気とセットです。
3.給気フィルターや換気扇が汚れている
24時間換気は、「設置した後は何もしなくていい設備」ではありません。
給気口のフィルターには、ホコリや虫、花粉などが少しずつたまります。
排気口や換気ファンにもホコリは付着します。
汚れが増えれば、当然空気は通りにくくなります。
つまり、
換気扇が回っている音がする=必要な風量が出ている
とは限らないのです。
掃除方法やフィルターの交換時期は機種によって違うので、一度ご自宅の取扱説明書を確認してみてください。
4.家具などで給気口を塞いでいる
設計時には問題がなくても、住み始めてから空気の流れを変えてしまうことがあります。
例えば、
給気口の前に背の高い家具を置いた。
といったケースです。
建物が完成したときには空気が流れていても、家具を置けば条件は変わることがあります。
住み始めた後の家具配置も、換気に関係します。
5.家の中に空気の通り道ができていない
給気口から空気が入っても、排気口まで移動できなければ家全体をうまく換気できません。
そのため住宅では、ドアの下に隙間を設ける「アンダーカット」や換気ガラリなどによって、部屋から部屋へ空気が移動できるようにします。
国土交通省も、同じ換気量でも外気が室内全体へ行き渡らなければ換気効率が悪くなると説明しています。給気口と排気口が近く、入った空気がすぐ排出されるような状態も効率の悪い例です。
大切なのは、
どこから空気が入り、どこを通って、どこから出ていくのか。
換気扇だけを見るのではなく、この流れを見ることです。
ちなみに、換気による空気は「給気と排気を結ぶ最短距離(もっとも抵抗の少ないルート)」でしか動きません。
間取り図などに青いペンであたかも空気がまんべんなく動いているような資料がありますが、ちょっと無理がありますね。
24時間換気ができているか自分で確認する方法
さてここまで読んで、
「では、うちの24時間換気はちゃんと動いているの?」
と考えてみましょう。
まず確認してほしいのは、
- 24時間換気のスイッチが入っているか
- 給気口が開いているか
- フィルターが汚れていないか
- 家具やカーテンで換気口を塞いでいないか
というところです。
排気口にティッシュペーパーなどを近づけて、吸い込みがあるかを見る方法もあります。
ただし、ティッシュが吸いつく=必要な換気量が確保されている、という意味ではありません。
実際にどれくらいの空気が動いているのかを確認するには、風量を測る必要があります。
換気は目に見えないだけに、「動いているように見える」と「必要な量が換気できている」は分けて考える必要があります。
24時間換気だけで室内空気のすべては決まらない
今回は24時間換気そのものに絞って書いていますが、室内空気は換気設備だけで決まるものではありません。
建材や家具、生活用品などが室内空気にどう関係するのかについては、
『新築住宅の空気は本当にきれい?室内空気と室外の空気を比べる前に知っておきたいこと』
という記事で詳しく書いています。
また、
「家にいるとなんとなく落ち着かない」
「空気が重く感じる」
といった感覚はないでしょうか。
換気だけでなく湿気やにおい、温度ムラなどが関係している場合もあります。実際、既存記事でも「空気・湿気・温度などを切り分けて考える」という整理をしています。
こちらは、
『家にいると落ち着かない原因は?|室内空気と自然素材住宅の関係』
という記事で詳しく解説しています。
24時間換気は「付いているか」より「機能しているか」
24時間換気について確認したいのは、
給気口が開いているか。
フィルターが詰まっていないか。
排気できているか。
家の中に空気の通り道があるか。
この4点です。
24時間換気が付いているから安心、ではありません。
実際に空気が動いているか。
住宅の換気を考えるときは、そこまで確認することが大切だと中川は思います。特に換気による空気は「一直線」で動くということを間取り作成に活かしていただければ嬉しいです。
京都市で家を建てるなら
地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
中川 高士(あまねこう代表)
大手ハウスメーカーから地域ビルダー、小規模工務店まで30年以上の建築経験を持つ。
営業から現場管理まで一貫して携わり、現在は京都で自然素材を活かした住まいづくりを提案。
10年後に「この家でよかった」
と思える暮らしが増えることで、地域が豊かになることを目指す。
【保有資格・公的な役職】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産評価審査委員会委員
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