
子育てもひと段落し、仕事も一区切り。これからは「自分たちの時間を大切にしたい」と考える方が多いのが60代からの熟年世代です。
日常の多くを家で過ごすことになるからこそ、住環境の質が暮らし全体の快適さを大きく左右します。
これからの人生を豊かに過ごすためには、住まいの素材選びが重要です。今回は、自然素材が熟年世代のセカンドライフにどのような価値をもたらすのかを解説します。
長時間を過ごす家だからこそ、快適さが重要

退職後や子どもが独立した後の生活では、在宅時間が格段に長くなります。
以前は仕事や外出が多く、家は「帰る場所」だった方も、今後は一日の大半を家で過ごすようになります。
このとき、室内の空気や湿度、温熱環境が体調や快適さを大きく左右することは意外と見過ごされがちです。自然素材の家はこの点で大きなメリットがあります。
漆喰の壁は調湿作用を持ち、夏は湿気を吸い、冬は乾燥を和らげてくれます。無垢材の床は冬でもひんやりしにくく、足腰に優しい柔らかさがあります。
こうした環境があることで、家に長時間いても快適で過ごしやすい空間が保たれるのです。
経年変化が美しく“味わい”になる住まい

一般的な新建材や化学素材は、経年劣化が進むと見た目が悪くなり、資産価値を下げてしまうこともあるのです。
しかし自然素材は、年月を経るごとに表情を変え、暮らしに味わいをもたらします。
無垢材の床は使い込むほどに艶が増し、色合いが深みを帯びます。漆喰の壁は少しずつ落ち着いた風合いに変わり、住まい全体に温かみを与えてくれます。
この「経年美化」は、熟年世代にとって特に魅力的です。家が古くなるのではなく、人生と同じように「味わい深くなる」と感じられるからです。
古い家を見たときに、なんだか傷んで古臭い家と、時代を感じる「良い家だな」と印象を持つ家とがあると思います。
良い家だな、と思う家は多分自然素材、無垢材が使われている家であることが多いのです。機会があればこの目線でぜひ見てみてください。
また、自然素材の家は補修がしやすい点も特徴です。
部分的に削って塗り直せば元の美しさを取り戻すことができるため、大がかりなリフォームを避けられることもあります。長期的に見れば、経済的なメリットも大きいのです。
健康寿命を支える自然素材の力

60代を過ぎると、体調の変化や健康への意識が一層高まります。化学物質や湿度環境に敏感になる方も増え、「家の空気が合わない」と感じるケースも少なくありません。
自然素材は、こうした不安を和らげます。VOC(揮発性有機化合物)をほとんど含まないため、シックハウス症候群やアレルギーの原因になりにくいのです。
漆喰の壁は抗菌・抗ウイルス性があり、外から持ち込んだ菌を抑制する働きが期待できます。無垢材の床は柔らかさがあり、転倒時の衝撃を和らげたり、足腰への負担を軽減したりと、体に優しい特徴を持っています。
こうした特性は、健康寿命を延ばし、長く自立した生活を送るために大きな力となります。家にいる時間が長くなるからこそ、安心して暮らせる環境は欠かせません。
将来の安心と資産価値

熟年世代にとって、住まいは「自分たちの暮らし」だけでなく「子ども世代への継承」や「将来の資産」としても考える対象になります。
自然素材の家は、その両方に応えられる選択肢です。
耐久性のある素材を使うことで、大きなリフォームを繰り返さずに済み、メンテナンス費用を抑えやすくなります。
また、自然素材の家は市場での評価も高まりやすく、売却や相続の際に付加価値となることもあります。
「最後まで安心して暮らせる住まい」と「次世代に残せる資産価値」を同時に実現できる点は、熟年世代にとって大きな安心材料です。
まとめ

熟年世代にとって、家は単なる生活の場ではなく「人生を豊かにする舞台」です。
自然素材でつくる住まいは、空気の心地よさや経年変化の美しさ、健康へのやさしさを備え、これからの人生を安心して過ごすための最適な選択です。
「自分らしいセカンドライフを自然素材とともに」――それが熟年世代におすすめする住まいづくりです。
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この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
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