火災保険料が高くなる!|マイホーム新築の火災保険を知っておこう

『火災保険が高くなる!』
驚く方もいらっしゃるかもしれません。大半の保険会社においてマイホーム取得の際の火災保険が、2024年10月から過去最大級に増額します。最大で13%とのこと。ここでは火災保険に関して注意すべきポイントを解説します。

目次

このブログのポイント

・火災保険料がどのように高くなるのか。今までと何が違うのか。これからマイホームを取得する人にとってはわかりにくいと思います。変更されるポイントを解説します。

・そもそも火災保険とはなんでしょうか。そして火災保険の種類とは。ここでは大切な火災保険を選ぶ際の評価額に関することを簡単に説明します。

火災保険料|何が高くなる?

火災保険が高くなると言われても、なかなかピンとこない方も多いでしょう。簡単な仕組みと、保険料が上がる背景を説明します。

料率が上がる

火災保険には料率と呼ばれる基準があります。この料率が今回見直されます。またこの料率は一定ではなく、建築物の構造によって異なります。

例えば、木造住宅でも一般的な木造住宅と、省令準耐火と呼ばれる構造では料率が違います。さらに準耐火構造物として建築も可能なので、そうなればまた料率が違います。

文字通り火に強そうな準耐火構造であれば、火災保険料も安くなる仕組みで、保険料は定められている料率と保険金額(対象の評価)で計算されます。

保険料値上げの背景

なぜ13%近くも保険料が増額されるのでしょうか。これは昨今の自然災害の状況です。特に水災の発生率に対応して料率が見直されるようです。

 今までは水災料率はほぼ一定だったのですが、水災リスクの予想により市町村で細かく料率が設定されるとのこと。保険は公共性が高いので、このことで公平化が図れるわけです。

火災保険の種類

火災保険にも種類があります。ここでは保険金に関する「時価」と「新価」について簡単に説明します。

火災保険|時価

時価という言葉はご存知だと思います。火災保険における時価とは、万が一火災が発生した際に、建物の経年劣化などから評価をし、損失時点での評価額によって保険金が支払われます。

極端に書くと、2000万円の保険金額を掛けていたとしても、損失時に1000万という評価であれば保険金の支払いは1000万円となります。
(※説明のための表現です。利用される保険会社ごとにご確認ください)

火災保険|新価特約

火災保険の契約時に、新価特約という特約契約が可能です。これは再調達価格と言って、損失時に一定の条件を満たせば保険金額が満額支払われる仕組みです。

2000万の保険金額が、条件によって2000万円支払われるのです。新築の際はこちらを採用される人がほとんどです。

まとめ|火災保険料が高くなる

火災保険料の増額に関することと、仕組みを簡単に説明しました。水災リスクにより保険料率が見直されること。保険契約には大きく2種類あり、新築の際は新価特約(再調達価格)による補償が良いこと。またその他の注意点を簡単に紹介します。

建物構造と建築費用の関係

火災保険料のことだけを考えると、準耐火構造や耐火構造にした方が有利です。但し、建築工事費用は増額するので、保険料のことだけを考えて構造を決めるのは避けた方が良いでしょう。

また、木造住宅の場合、省令準耐火構造や準耐火構造は証明が必要です。実際の工事の際にそういった仕様で工事されていたとしても、証明するものがなければ適用されません。建築の前に住宅会社に確認することをお勧めします。

保険期間

火災保険の契約は期間を定めます。最長で5年です。一昔前までは35年という長期契約も可能でした。最近までは10年契約が最長でした。この期間の短縮も自然災害のリスクが年々高まり、保険会社も適正な運営運用を行うため見直されました。

注意点は、意外とこのことを知らない住宅会社の営業担当がいることです。まだ平気で期間10年で料率計算してお客さまに伝えたりする者がいます。

さらに驚くべきは、期間1年で(お客様にしっかり説明せず)提案する会社がありました。何が問題かというと、「資金計画を安く見せるため」にそうしているということです。

火災保険の説明を充分行わず、期間1年で提案すれば見た目は当然安いので、お客様が誤解をします。それを狙っていると公言している住宅会社があります。

余談ですが火災保険は金融商品です。金融商品を説明するには資格が必要です。「損害保険保険募集人」という資格なので、火災保険の説明を受ける際は、住宅会社の営業マンが保険募集人の資格を持っているかどうか確認すると安心です。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

 京都市で家を建てる場合、注文住宅でもリノベーションにおいても京都特有の環境に注意が必要です。景観条例に代表される京都独特の法令があるからです。また狭小道路や狭小土地なども京都ならではと言っても良いでしょう。

 暖かく涼しい家を建てたいと考えたとき、地元での経験が長く、工事経験の豊富な工務店を選ぶことが皆さんの大きな安心へとつながることと思います。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。