『柿渋』自然素材の塗料|効能や特徴を紹介します

 「夜寒の候」という気候の挨拶があるそうです。11月初旬を指す言葉らしいのですがこの季節の果物に「柿」があります。そんな「柿」が住まいづくりにとても役立つことをご存知でしょうか。「あまねこう」が解説します。

目次

このブログのポイント

・「柿」という果物をご存知だと思います。実はこの柿から天然由来の塗料が作れるのです。「柿渋」と呼ばれています。

・柿渋は自然素材、天然素材の塗料として昔から利用されていました。優れた効能と天然由来の安全性を改めて紹介。

柿渋とは|天然由来の自然塗料で安心

 自然素材・天然素材で住まいづくりをしていると、自然素材で色々なコトを完成させようという意識が働きます。そんな中で塗料にも自然素材・天然由来のものがあります。「柿渋(かきしぶ)」です。

柿渋|柿をどうやって塗料にするのか

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 柿渋は、まだ若い(青い)「渋柿(しぶがき)」を使って抽出します。果実を搾って発酵、熟成した抽出液です。タンニンを多く含み様々なことの役に立ちます。コロナ禍では奈良県立医大がコロナウィルスを無害化させる効用があることを発見したそうです。

柿渋|天然素材なので安心

 柿渋は天然素材なので、シンナーやペンキとは違います。要するに有機溶剤塗料に含まれるようなVOCの心配がほぼありません。室内にも安心して使用できます。乳幼児が居ても大丈夫ですね。

柿渋の役立つ効能・効用

 自然素材・天然素材というだけではなく、柿渋には私たちの生活に役立つ嬉しい効能・効用があります。10世紀くらいから文献にも登場するようで古くから身近にあったようです。

防虫効果や防腐効果

 柿渋の持つ特徴の代表的なものは防虫効果、防腐効果、防水効果です。歴史はとても古く日本では平安時代に衣類の染料として使われていた記録があるそうです。防腐効果でいうとミイラなどにも塗られています。

植物の繊維を固く丈夫にしてくれます

 この柿渋の効能の一つに植物の繊維に染み込み、丈夫にしてくれるという作用があります。防水効果もあり、昔は傘やうちわに使用されていました。

柿渋を使って靴を丈夫に

 汚い靴で恐縮です。今から28年前(1995年)に中川が購入した靴なんです。ほとんど履いたことがなく、ふとN十年ぶりに箱を開けると、このような酷いことになっていました。

 もう履くこともないだろうから捨てようと思ったのですが、生地は綿(キャンバス)。先ほどの繊維への効能を思い出し柿渋を塗ってみようと思い立ちました。

 このように変身。乾いてからはカチカチに固まりました。見るからに丈夫です。そして柿渋は塗った当初よりも、年月が経つとどんどんと濃くなっていきます。いわゆる「味」が出てきます。

 経年で傷むのではなく、変化を楽しむことができるわけです。住まいの中でも外でも、塗料や材料としてぜひ一度ご検討してみてください。

まとめ|柿渋を住まいづくりに取り入れる良さ

 紹介した柿渋の効能や効用を住まいづくりにぜひ活かしましょう。また効能だけではなく経年変化を楽しめるのも自然素材である柿渋ならではの良いポイントです。

柿渋|無添加住宅

 私たち「あまねこう」は無添加住宅京都正規代理店です。無添加住宅とは、自然素材・天然素材だけで家が作れるように研究された住宅のこと。シックハウス症候群や化学物質過敏症の方にも有効な「自然素材の家」のことです。

 無添加住宅については私たちのHPの記事が参考なると思います。ぜひご覧ください。
『無添加住宅とは』
『無添加住宅とあまねこうの「健康住宅」関係は』

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

 京都市で家を建てる場合、注文住宅でもリノベーションにおいても京都特有の環境に注意が必要です。自然素材や天然素材で家を建てたい場合は、日頃から自然素材をメインに扱っている工務店を選びましょう。

 地元での経験が長く、自然素材の工事経験が豊富な工務店を選ぶことは皆さんの大きな安心へとつながることと思います。自然素材の特徴や適材適所を知っていることがお客様の不安の払拭につながると思います。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。