シックハウス問題に関するセミナーに参加しました

 京都市で健康住宅を手がける「あまねこう」工事担当の中川です。(一社)空気環境改善研究所の石坂先生主催の「シックハウス問題に関する検討会の振り返り」というセミナーに参加いたしました。

シックハウス問題に関する検討会|厚生労働省

 「シックハウス問題に関する検討会」というのは厚生労働省に於いて令和6年8月19日に開催された検討会です。厚生労働省のHPから誰でも閲覧も可能になっています。パブリックコメントも受け付けてらっしゃるようなので、シックハウス症候群に関する規制など確認したり意見したりもできます。まあまあ開かれた検討会だなぁという印象です。

※厚生労働省
シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会

内容に関するわかりやすいセミナー

 厚労省のページから資料を覗いて見ましたが、難しくて訳がわかりません。というわけで、石坂先生によるわかりやすいセミナーの開催、とあいなったわけらしいです。

 ポイントは3つで
・エチルベンゼンの指針値の改訂について
・指針値追加物質のリスク評価
・空気質の測定方法の改訂など
と、教えてもらいました。

エチルベンゼン|指針値改訂について

 化学物質による室内空気汚染がシックハウス症候群の入り口であることで、このような検討会が開催されて、適時見直される機会があるというのはとても良いことです。

 今回は化学物質として規制されている「エチルベンゼン」の指針値が変わるとのこと。

 シックハウス症候群について、少し知っている方なら「ん?」と思ったかもしれません。建築基準法では「ホルムアルデヒド」「クロルピリホス」の二つじゃないの?と。

 実は建築基準法は国土交通省。これが厚生労働省になると規制物質は13種類となるんですね。不思議なものです。そして「エチルベンゼン」は13物質の一つです。

新たな化学物質への指針値の追加は無し

 簡単に書くと、13物質だけじゃなくて、他にも指針を出した方が良いのでは?という意見は根強くあり、その検討の結果報告があったそうです。今回は「増えない」ということです。

空気質の測定に関すること

 空気質の測定法に関することはマニュアルの統一だったり、測定方法の名称が難しいのでわかりやすくしたり、ということです。何かが大きく変わるわけではないそうです。

まとめ

 難しい話をわかりやすく説明してくれたセミナーで興味深く拝聴しました。そしてこの検討会そのものや、指針値などは見識や権威のある方々が本気で行なっているそうで、資料をまとめている厚労省もグッドな仕事をしているとのこと。

シックハウス改善に向けて|改めて決意

 難しい話をわかりやすく説明してくれたセミナーで興味深く拝聴しました。そしてこの検討会そのものや、指針値などは見識や権威のある方々が本気で行なっているそうで、資料をまとめている厚労省もグッドな仕事をしているとのこと。

 ただ、話を聞いていて気になるのは指針値などの基準です。乱暴に書きますが「誰基準」ということです。全く問題にならない人を基準にするのか、少しでも症状が現れてしまう人を基準にするのかで、内容が大きく変わってしまうとのこと。

 大切なのは、この検討会や研究がダメということではなく、この基準を持ってしても救われない人たちが存在していること、だと思いました。

 マイホーム。私たち住宅会社がお客様に提供するわけです。この住宅会社それぞれが基準をどこに置くかによって、お客様の健康の指針になるのだと身が引き締まる思いでした。

 あまねこうでは、「国の基準値内です」ではなく、もっと突っ込んだ基準でお客様に提供したい、と改めて決意した次第です。

 石坂先生、大変ありがとうございました。またこの機会を作っていただいた有限会社MKCSの森本社長、重ねてありがとうございました。

(一社)空気環境改善研究所
兵庫のシロアリ対策

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。