鉄筋コンクリート造の基礎・配筋検査という工程があります

 京都市西京区で注文住宅を手がける「あまねこう」の中川です。さて注文住宅の工程で、基礎工事があるというのはみなさんご存知だと思います。その基礎工事の中に、鉄筋を組む作業があります。少し紹介いたします。

▶︎「鉄筋コンクリート造ベタ基礎」と仕様書に記載されています

 基礎の仕様書には「鉄筋コンクリート造」と記載されています。当たり前のように感じますが、一昔前までは「無筋」の基礎もありました。そして鉄筋は適切に組み込まれないと丈夫な基礎とはなりません。

 故に「配筋検査」と呼ばれる鉄筋を組んだ後に図面通りになっているかどうかを確認する検査が行われます。

▶︎第3者機関による配筋検査

 検査は第3者機関から検査員が派遣されます。これは自社の検査だけだと虚偽の報告も可能になり、顧客にとっての安全が担保できないから何ですね。また、竣工後万が一建物に基礎の欠陥があった場合に備えています。

 その場合の補修費用を保険で賄う制度があり、保険対象の工事でなければ保険を利用することができません。
(検査に不合格だと、そもそも家が建てられないので、基礎に万が一というのも考えにくいのですが)

▶︎適当に鉄筋を決めているわけではない

構造計算されていない基礎

構造計算したあまねこうの基礎

 この鉄筋、適当に決めているわけではありません。構造計算に基づき鉄筋の太さやピッチ、その他が決定されます。実は、ここはとても重要なポイントです。

 2階建木造住宅では、構造計算書の提出義務がありません(4号特例)。この制度を悪用して、構造計算をしなくていい、と解釈されています。ということは構造計算がされていない基礎の鉄筋は「適当」ということになります。

 構造計算されていないコンクリートのビルにみなさんは入っていけるでしょうか。もちろん怖くて無理ですね。同じ鉄筋コンクリート造です。基礎が構造計算されているかどうか、この記事を読んだ方は覚えておいて安全な住まいづくりにお役立ていただけると幸いです。

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。