建てたい家が建てられない!そんなことがないように用途地域を知っておきましょう

 京都市西京区で注文住宅を手がける「あまねこう」の中川です。さて、マイホームのご計画が進み出したみなさんは、どんな家にしよう、あんな家かな、こんな家かな、などなどワクワクが止まらないと思います。

 そんなワクワクな住まいづくりを失敗しないように、知っておくと後悔しない住まいづくりができるようになる記事を書き続けているのですが、今回は「思っていた家が建てられない??」とならないようにするためのポイントを解説します。

▶︎用途地域という言葉を知ろう

 みなさんは用途地域という言葉をご存知でしょうか。これは私たちが住む街並みを場所によって整えるために、この地域ではこの建物はOKだよ、あの地域ではあの建物はNGだよ、と定められた法律の中の用語なんです。

 大きく分けると住居系、商業系、工業系と分かれていて、さらにそれらが細かく細分化されています。「第1種低層住居専用地域」などというのがそれにあたります。

▶︎実際の街並みと用途地域が乖離している場合もある

 京都のある場所でお建て替えの相談があった際の話を一つ。それは2階建しか建っていない街並みで、かつ、よくあるお隣同士がほぼくっついて、ということがない端正な住宅地でした。

 調査をしてびっくり。その町周辺は『準工業地域」だったのです。準工業地域はマイホームも建てられるのですが、そこそこの工場も建てられます。環境悪化につながるような工場もOKなので、用途地域と見た目の街並みが全く違ったからです。

 お住まいのお客様も知らなかったそうで驚いてらっしゃいました。数年後、家の裏の建物が数件なくなって、スーパーが建ちました。

▶︎以前建っていたから大丈夫!ということはない

 最近のケースで、もともと建っていた古い倉庫を解体し、新しい倉庫を提案して欲しいという話をいただきました。こちらは第1種中高層住居専用地域。お客様の要望は「農業用倉庫」。この地域では当該の倉庫は建てられないのです。お店とかカラオケボックスなども建てられる地域なのですが、倉庫はダメなんです。

 このように地域によって細かく定められている用途地域という概念。土地を購入して家を建てよう、と思う方は検討する前にしっかりと確認を。すでに建物を持っていて有益に運用しよう、と思う方は「解体する前」に確認することをオススメいたします。

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。