「坪いくら」の建物見積書の注意点を解説します

 京都市西京区で注文住宅、リノベーションを手がける「あまねこう」の中川です。さて、住まいづくり真っ最中の方ですでに見積書を検討している段階の方もいらっしゃると思います。

 この見積書、書き方や表示の仕方にはルールがなく、詳細項目が書かれたものもあれば、坪いくら、と一式で記載されているものもあり、みなさんには何が正解なのか分かりにくいと思います。

▶︎「坪いくら」の見積書に算入されない項目があります

 坪いくら、のパターンと詳細パターンとどちらが良いのかという話は今回はしません。ただし、坪いくらの見積もりには算入できない項目があるので注意してください。

 それは、

屋外給排水工事
屋外ガス工事
外構工事

など、家の外部に関するものです。

▶︎建物本体とは建物そのもののことを指す

 建物本体工事と呼ばれることが多い「坪いくら」の見積書。この場合は建物そのものだけを指すことが一般的です。ですから建物の外に関する工事費が参入されていないことがあります。

 例えば、道路から建物が5mの場合(A)と道路から建物まで10mの場合(B)があるとしましょう。当然(B)の方が給排水の管の長さも違えば、土を掘る量も違います。

他にも、道路と敷地の高低差が50cmあった場合、駐車場を設置するために50cmの土を掘らなければなりません。大きな費用の要る工事です。

▶︎敷地の条件によって建築費用は大きく変わる

 要するに、敷地の条件により費用が変わる項目はあらかじめ「いくら」と決められないわけです。特に外構工事は建物ではないので、建物の見積もりには記載されていないことの方が一般的です。

 お客様にとっては全てを含めて「家」ですから見積もりされていて当然だと思うでしょう。ただ、業界側の都合で「後回し」にされる項目もあるので、こういったポイントを知っておいてほしいと思います。

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。