注文住宅でもリフォーム・リノベーションでも、玄関まわりにタイルを採用する方は多いです。

耐久性が高くお手入れもしやすい一方で、選び方を間違えると「思ったより汚れが目立つ」「掃除してもキレイに見えない」といった後悔につながります。

この記事では、玄関タイルでよくある失敗例と、その原因・対策をわかりやすく整理します。タイル選びの判断軸が増えるはずです。

タイルの代表的な特徴とは

玄関の床材にタイルが選ばれやすいのは、日々の出入りで負荷がかかっても性能が落ちにくいからです。

とくに、玄関に向いていると言われる理由は次の3つに集約できます。

まず、経年変化が起きにくいことです。木や一部の床材のように摩耗して色味が大きく変わりにくく、見た目を長く保ちやすい素材です。

次に、薬品に強い点もメリットです。泥汚れや雨染みの掃除で洗剤を使う場面でも、比較的安心してお手入れできます(※タイルの種類や目地材によって注意点はあります)。

そして、清掃しやすいこと。土足の出入りがある玄関では重要で、日常の掃除負担を下げやすいのが魅力です。

ただし、便利な反面「タイル選びを失敗した」と感じるケースもあります。多くの場合、原因は性能ではなく“選び方”にあります。

失敗が起きやすいのは「見た目のイメージ先行」

タイル選びは楽しい工程です。内外装の雰囲気に合わせて色や質感を選び、場合によってはインテリアコーディネーターがバランスを提案してくれることもあります。

一方で、玄関は「屋外の汚れを最初に受け止める場所」です。室内の床材と同じ感覚で“見た目優先”にすると、暮らし始めてから違和感が出やすくなります。

玄関は「汚れの種類」が室内と違う

玄関の汚れは、ほこりだけではありません。砂、土、雨で湿った泥、靴底のゴム跡など、性質の違う汚れが混ざります。

この「汚れの種類」に対して、タイルの色や表面の質感が合っていないと、掃除しても満足感が出にくくなります。

タイル選びのよくある失敗|濃い色が「砂・土」で目立つ

よくある失敗のひとつが、濃い色(黒・濃いグレー・濃いブラウンなど)を選んだ結果、砂や土が想像以上に目立つケースです。

選ぶときは引き締まって見えて格好よく感じますが、生活が始まると「白っぽい砂粒」「乾いた土の粉」がコントラストで浮き上がりやすくなります。

とくに、通勤路・通学路に土や砂の多い道があるご家庭では起きやすいです。

「濡れていると目立たない」のが落とし穴

泥や土の汚れは、湿っていると色が沈んで目立ちにくく、乾くと粉っぽくなって目立ちます。

洗った直後はキレイに見えても、乾いたあとに「まだ汚れていた」と感じるのはこのためです。掃除の達成感が得にくく、ストレスになりがちです。

環境チェックで失敗を減らせる

濃い色を選ぶなら、玄関の外環境を先に確認しておくと失敗が減ります。たとえば、次のような条件が重なると汚れが目立ちやすくなります。

  • 玄関までの動線に砂利・土の面が多い
  • 近くに公園やグラウンドがある
  • 風で土ぼこりが入りやすい立地
  • 雨の日に泥を持ち込みやすい生活(小さなお子さん、部活、ペットなど)

「濃い色=汚れに強い」という印象を持つ方もいますが、玄関では必ずしもそうとは限らない点がポイントです。

薄い色のタイルも要注意|靴底のゴム跡が蓄積する

では、濃い色が汚れやすいなら薄い色が正解かというと、これも一概には言えません。薄い色(白・アイボリー・ベージュなど)は靴底のゴム汚れが目立ちやすいことがあります。

とくに黒いゴム底の靴が多いご家庭では、数年かけて少しずつ黒ずみが蓄積し、「気づいたらタイルがくすんで見える」という状態になりやすいです。汚れが“広がって”見えるため、玄関全体が暗く感じる原因にもなります。

屋外は落ちても、室内側は掃除が難しい

玄関ポーチなど屋外側であれば、高圧洗浄機で一気に落とせる場合があります。しかし、玄関土間など室内側は水量の制約があり、同じようにはいきません。

また、タイルや目地材の種類によっては高圧洗浄が推奨されないケースもあるため、「強い洗浄で落とす前提」で考えるのは危険です。

色選びは「中間色」と「質感」でバランスを取る

濃色と淡色、それぞれに弱点があるなら、現実的な落としどころは中間色ムラ感のある柄マットな質感です。汚れのコントラストが出にくく、生活感が出にくい傾向があります。

比較すると、次のようなイメージになります。

色味の傾向目立ちやすい汚れ向いているケース注意点
濃い色(黒・濃グレーなど)砂・乾いた土・粉っぽい汚れ玄関を引き締めたい、モダン外観乾くと汚れが浮く/掃除後にムラを感じやすい
薄い色(白・アイボリーなど)靴底のゴム跡・黒ずみ明るい玄関にしたい数年後にくすみやすい/室内側は掃除が大変
中間色(グレージュ・中グレーなど)汚れが“相対的に”目立ちにくい多くの家庭でバランス型サンプルで質感確認が重要(光で見え方が変わる)

生活スタイルまで含めて「汚れの主役」を想像する

最後に、失敗を減らす考え方としておすすめなのが、「この家の玄関は何が一番汚れやすいか」を先に決めることです。

砂が多い環境なら砂対策、スポーツや外遊びが多いなら泥対策、革靴や黒いスニーカーが多いならゴム跡対策、といった具合に“主役の汚れ”を想像すると色選びがぶれにくくなります。

神経質になる必要はありませんが、周囲の環境と家族の暮らし方をセットで考えると、「見た目は好みなのに、なんだかずっと気になる」という後悔を防ぎやすくなります。

まとめ

玄関タイルは耐久性や清掃性に優れた便利な素材ですが、色や質感の選び方で満足度が大きく変わります。最後に要点を整理します。

  • タイルは経年変化が少なく掃除もしやすいが、玄関では“汚れの種類”がポイントになる
  • 濃い色は砂・乾いた土が目立ちやすく、洗った後に汚れが浮くことがある
  • 薄い色は靴底のゴム跡が蓄積しやすく、数年後に黒ずみが気になりやすい
  • 中間色やムラ感のある柄、マットな質感は汚れのコントラストを抑えやすい
  • 周囲の環境と生活スタイルから「主役の汚れ」を想像して選ぶと失敗しにくい

迷ったときは、まず玄関までの動線(砂・土・雨の日の泥)と、家族がよく履く靴の傾向をチェックしてみましょう。その上で色と質感を選ぶと、住み始めてからの納得感がぐっと上がります。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

住まいづくりで悩む方々へ

「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」

いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。