
自然素材の断熱材の中でも「炭化コルク」は少し珍しい存在です。
コルク自体は自然素材で、さらに炭化することで性質が大きく変わります。
断熱材は完成後に見えなくなる部分なので、特徴を知らずに選ぶと「思っていたのと違う」となりがちです。
この記事では、炭化コルクの基本(外断熱/内装下地/吸音)に加えて、他の断熱材と大きく異なる特徴と注意点を初心者向けに整理します。
炭化コルクのいちばん大きな特徴は「炭化で性質が変わる」こと
炭化コルクは、自然素材のコルクを炭化(高温で焼いて炭にすること)させた断熱材です。
この“炭化”によって素材の性質が変わり、無機物として取り扱えます。
住宅の空気環境が気になる方にとっては、こうした自然素材であり無機物である素材自体が選択肢になるわけです。
ここでよく出る言葉がVOC(揮発性有機化合物)です。建材や接着剤などから空気中に出る成分の総称で、においや刺激が気になる方ほど「素材選び」を大切にしたくなると思います。
ただし、体感には個人差があり、材料だけで室内環境が決まるわけではありません。換気計画や施工の丁寧さも含めて、全体で考えるのが現実的です。
コルクは自然素材:濡れても乾く、腐りにくい(ここが他と違う)
炭化コルクが注目されやすい理由のひとつに、「湿気との付き合い方」があります。
コルクは水に濡れても乾く性質が語られ、断熱材としては「壁の中で湿気を含んでも放湿する」材料になり安心です。
また炭化することによって「腐りにくい特徴」として扱える材料です。
もちろん、どんな断熱材でも壁の中で水に濡れ続ける状況は避けるべきです。大切なのは、材料の特徴を理解したうえで、壁の構成(防水や通気の考え方)とセットで計画することです。
どこに使う?外断熱材として/内装下地として

炭化コルクは、外断熱材として使えます。外側で建物を包む考え方の中で採用され、吸放湿する特徴で壁体内の湿気対策に有効です。
外断熱材として良く採用される断熱材にEPSがあります。
EPSは耐水性が高いのが特徴ですが、吸放湿する機能はありません。溜まった湿気を追い出すことはできないので、それぞれの断熱材に合わせて湿気対策が必要となります。
また内装の下地材として使える場合もあります。
漆喰などの仕上げの下地に使うことで、シックハウス症候群への対策にもなりますし、部屋の断熱効果にも期待ができます。
音は遮音ではなく「吸音」に効果が期待される
音の話には注意が必要です。
まず、遮音は「音を通しにくくする」ことで、気密や重さなどの影響が大きい分野です。一方、吸音は「音の反射を減らして響きを抑える」方向の話です。
炭化コルクは自然素材。植物としての繊維は吸音として高い効果が期待できます。外の騒音が消える、というよりは、室内の響き方に関わるイメージで捉えるとわかりやすいです。
注意点:素材が良くても「壁の構成」と「施工」で結果が変わる

炭化コルクに限らず、断熱材は「材料名」だけで性能が決まりません。
特に外断熱では、取り合い(境目)やすき間の有無、防水層や通気層の考え方が重要です。
施工にすき間があると、せっかくの断熱が効きにくくなる可能性があります。採用するときは、材料の良さだけでなく「どう納めるか(施工するか)」を確認しましょう。
またコストは材料費だけで決まりません。
どこにどう使うか、工法や納まりによって変わりやすいので、見積もりでは金額の前に「採用範囲」と「壁の構成」を揃えて確認するのがおすすめです。
まとめ
- 炭化コルクは、自然素材のコルクを炭化した断熱材で、他の断熱材と性質が大きく異なります。
- 濡れても乾きやすい、腐りにくい特徴があり、湿気との付き合い方の観点で注目できます。
- 外断熱材として採用が可能で、計画によっては内装下地としても使える場合があります。
- 音は遮音ではなく吸音の方向。採用は「壁の構成」と「施工」をセットで確認することが大切です。
炭化コルクを検討しているお客様へ。検討中の会社と次回の打ち合わせでは、「炭化コルクはどこに使う?」「壁の構成はどうなる?(図で説明してもらう)」の2つだけでも確認してみてください。理解が一気に進むと思います。
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この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
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