これから家づくりや住まいづくりを始める方に向けて、まず知っておいてほしいのが「多くの人が共通して経験している後悔」です。

家づくりは何度も経験できるものではありません。だからこそ、“知らなかったことで起きる後悔” を事前に防ぐことがとても大切です。

この記事では、京都市で注文住宅・リフォーム・リノベーションを検討している初心者に向けて、家づくりでよくある後悔とその理由、そして後悔しないための進め方をまとめました。

目次

なぜ“家づくりの後悔”は起きるのか

情報が多すぎて迷子になる「初心者の壁」

SNSやYouTube、資料請求、住宅展示場…。
情報が多いのは良いことですが、初心者ほど「何を基準に決めたら良いか」がわからなくなり、流れで決めてしまうことがあります。

これが後悔の大きな原因になります。

京都市ならではの“土地・建物の制約”を知らない

京都市は景観条例、高さ制限、道路幅員、狭小地など独自の制約が多い地域。
その結果、「思っていた家にならなかった」「想定外の追加費用が発生した」 という後悔が起きやすいのです。

打ち合わせで遠慮してしまい、気づけば流される

初心者ほど「聞いても迷惑かな」と遠慮しがち。
しかし、遠慮こそが後悔の元です。

実際によく聞く「家づくりの後悔」5つ

① 間取りの使いにくさ|暮らして初めて気づく不便

図面で見ると良くても、生活すると「動きにくい」「ぶつかる」「物の置き場がない」など、細かい不満が積み上がります。

② 収納不足|“量”ではなく“場所”が大切

収納は「どれだけ」よりも「どこにあるか」が重要。
特に京都の狭小住宅では、収納計画のセンスが暮らしやすさを大きく左右します。

③ 生活動線の失敗|洗濯が回らない家はストレスが溜まる

「洗濯が回らない」というのはミクロな話ではなく、“家事が連続して行えない家” を指します。

  • 洗濯機 → 干す場所 → 取り込む → しまう が離れすぎている
  • 室内干しの動線が考えられていない
  • 一時置き場がなく、家が散らかる
  • 収納まで遠く、片付けが進まない

京都の多層・縦長の家ではこの後悔が特に多く、暮らし全体が窮屈になります。

④ 日当たり・風通しの問題|京都の狭小ならではの後悔

隣家が近く、風や光が入りにくい場所が多いため、図面だけでは判断しづらい後悔ポイントです。

⑤ 予算配分のミス|土地に偏ると建物が制限される

京都市は土地が高い地域。
土地に予算をかけすぎて「欲しかった間取りが入らない」という後悔は非常に多いです。

京都市で特に多い“地域特有の後悔ポイント”

景観条例で使えない色・形がある

外観を選ぶ自由度が想像より低く、後で知って驚く方も多いです。

接道・道路幅の問題でプランが制限される

京都市の細い道路は建築計画に直結します。
「車が入らない」「崩せない壁がある」などの制約は要注意。

隣家が近く採光・通風の確保が難しい

窓の位置ひとつで快適さがガラッと変わります。

古い地盤の地域で補強費が追加される

京都盆地の特徴として、地盤の硬さにムラがあり後悔しやすい部分。

後悔を防ぐために押さえたい3つのポイント

① “自分たちの暮らし”を言語化する

SNSの理想ではなく、自分たちの生活パターンと価値観を整理することが一番大切。

② 初期段階で“優先順位表”を作る

「絶対に譲れないもの」と「妥協できるもの」を早めに明確にすることで、後悔は激減します。

③ 工務店・設計者とのコミュニケーションを惜しまない

「これは聞いてもいいのかな?」と思う相談こそ大切。
遠慮は禁物です。

注文住宅・リフォーム・リノベーションで後悔しない進め方

玄関からすぐに洗面所へ。キッチン〜洗面〜玄関収納へ続く短い動線。

図面だけで判断しない|“1日の動き”をなぞる

日常の動きを図面で追うことで、生活の詰まりや動線のクセが見えてきます。

写真・動画を見るときは“自分の生活”に置き換える

美しい写真に惑わされず、
「うちの家事・育児・働き方に合うか」で判断する習慣が大切です。

“安さ優先”は後悔のもとと知る

価格だけで決めてしまうと、
収納不足・性能不足・動線の悪さなど“日常のストレス”が後から重くのしかかります。

まとめ|後悔は「事前に知れば防げる

家づくりの後悔は、知識の不足ではなく、「知らずに進んでしまったこと」 が原因です。

京都市は制約が多い地域だからこそ、
地域特性を理解し、自分たちの暮らし方を軸に進めることが後悔を減らす一番の方法です。

この記事が、これから家づくりを始めるあなたにとって、最初の“安心材料”になれば幸いです。
焦らず、自分たちのペースで進めてください。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

住まいづくりで悩む方々へ

「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」

いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。