家づくりを考えるとき、多くの方が気にするのは「初期費用」「デザイン」「間取り」といった目に見える部分ではないでしょうか。

しかし、家は数十年にわたり家族が暮らす場所であり、本当に大切なのは日々の健康や維持にかかるコスト、そして資産としての価値です。

これらを同時に守ることができるのが「自然素材の家」です。京都という地域性を踏まえると、その必然性はさらに高まります。本記事では、自然素材がなぜ健康・コスト・資産を守るのかを解説します。

健康を守る自然素材の力

人は1日の大半を家の中で過ごし、その空気を吸っています。

ビニールクロスや合板といった化学建材にはVOC(揮発性有機化合物)が含まれており、シックハウス症候群やアレルギーの原因になることがあります。

特に小さなこどもや高齢者にとっては、空気の質が健康に直結します。

自然素材はこうした不安を減らす特徴があります。

漆喰の壁は抗菌・抗ウイルス効果を持ち、室内に持ち込まれたウイルスを不活性化させる働きが期待できます。

無垢材の床は柔らかさがあり、転倒時の衝撃を和らげるとともに、足腰への負担を軽減します。毎日暮らす家が体に優しい環境であることは、健康を守る上で欠かせません。

長期的にコストを抑える理由

メンテナンス費用の削減

ビニールクロスや合板フローリングは10〜15年程度で劣化し、張替えややり替えが必要になります。

これを繰り返すと、長期的には大きな費用がかかります。

一方で漆喰や無垢材は「経年美化」といわれ、年月を重ねるほどに風合いが増し、頻繁なやり替えを必要としません。初期費用は高くても、長い目で見ればむしろ経済的なのです。

光熱費の削減

自然素材には断熱・調湿の効果があります。

漆喰の壁は湿度を一定に保ち、夏の蒸し暑さや冬の乾燥を和らげます。

無垢材の床は蓄熱性があり、冬の底冷えを緩和します。これらは冷暖房効率を高め、光熱費を抑える効果につながります。夏の蒸し暑さと冬の底冷えという京都特有の気候には、自然素材が特に相性の良い選択です。

健康コストの削減

厚生労働省のデータによると、日本人一人あたりの生涯医療費はおよそ2,700万円。

その約6割が65歳以降に集中しています。もし住環境が原因でアレルギーや呼吸器疾患を引き起こした場合、日々の生活の質が下がるだけでなく、医療費の増加にも直結します。

自然素材の家は健康を守り、将来的な医療費のリスクを下げるという点でも経済的といえます。

資産価値を高める自然素材

京都で家を建てるときに無視できないのが景観条例です。

地域によっては外壁や屋根の色に制限があり、漆喰や自然木のような伝統的な素材は街並みに馴染みやすく、規制と相性が良いのです。このことは将来の売却や賃貸の際にも有利に働きます。

また、自然素材で建てられた住宅は「手入れをすれば長く使える家」として評価されやすく、経年劣化がマイナスになりにくいという特徴があります。資産価値を維持する上でも自然素材は強みとなります。

京都で家づくりを考える方へのアドバイス

自然素材の家は贅沢品ではなく、未来を守る投資です。

初期費用だけにとらわれず、長期的な健康・維持コスト・資産価値を見据えて選ぶことが大切です。そのためには、工務店に「メンテナンス周期」「光熱費について」「健康面での効果」を必ず確認してください。

京都の気候や条例と調和する自然素材は、数十年先まで安心できる家づくりを支えてくれます。

まとめ

自然素材は「高い」というイメージを持たれがちですが、実際には健康・コスト・資産価値を守る賢い選択です。

京都で家づくりを考えるなら、今の価格だけではなく、未来の暮らしを見据えた総合的な判断が重要です。自然素材の家は、家族の毎日を快適にし、将来にわたって暮らしを支える力を持っています。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

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