マイホームを建てるときに多くの方が直面するのが「予算オーバー」です。

国土交通省の住宅市場動向調査では、資金計画の見直しを行った人が多数に上るなど、当初の予算どおりに収まらないケースが多いことが分かります。

さらに、ライフクォーテットの民間調査によれば、注文住宅購入者の約7割が『価格が予定より高くなった』と回答しています。

つまり予算オーバーは決して特別なことではなく、誰にでも起こり得る現実なのです。

今回は、その背景にある理由と、予算オーバーを防ぐためにできる対策を整理しました。これから家づくりを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

データが示す「予算オーバーは当たり前」という現実

国土交通省の住宅市場動向調査からは、資金計画を当初から変更せざるを得なかった人が多数存在することが示されています。

また、ライフクォーテットの調査でも約7割の施主が予算オーバーを経験しているという結果が出ています。


これらのデータから、家づくりでは「予算どおりに収まるほうが少数派」と言えます。

参照:ライフクォーテット
https://lifequartet.jp/media/3348/?utm_source=chatgpt.com

参照:国土交通省「住宅市場動向調査」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf?utm_source=chatgpt.com

予算オーバーが起きる主な原因

見積もりが「本体工事費」に偏っている

住宅会社やハウスメーカーが提示する「坪単価」や「本体価格」は、あくまで建物そのものにかかる工事費です。しかし実際には、外構工事・照明・カーテン・地盤改良・仮設工事など、多くの費用が別途必要になります。
このため「思ったよりも費用が増えた」という結果になりやすいのです。

解体や改修時の追加工事

中古住宅をリフォーム・建て替えする場合は特に注意が必要です。

解体後にシロアリ被害や柱の腐朽が見つかる、アスベストが発見される、地盤改良が必要になるなど、見積もり時には分からなかった追加工事が発生するケースがあります。

これらは一件ごとに条件が違うため、予想外の出費につながります。

住宅ローンと総額のズレ

住宅ローンは建物本体や土地購入には使えますが、登記費用、火災保険、外構、家具・家電などは対象外になることも多いです。
(条件によっては住宅ローンでご利用できるものも存在します)

結果として「ローンで足りると思ったのに、自己資金を追加しなければならなくなった」という声が多く聞かれます。

予算オーバーが与える影響

  • 設備や内装のグレードを下げざるを得ない
  • 外構工事を後回しにして、完成後もしばらく不便な生活になる
  • ローン返済が想定より重くなり、生活費に余裕がなくなる

「家が完成したのに理想と違う」「生活に余裕がなくなった」という後悔につながりやすいのが、予算オーバーの怖いところです。

予算オーバーを防ぐための対策

総額ベースで資金計画を立てる

「本体工事費」だけでなく、「付帯工事費」「諸費用」をすべて含めた総額で資金計画を立てることが重要です。見積もりに含まれる範囲を必ず確認しましょう。

余裕を持った予算設定(10~15%)

想定外の追加費用に備えて、予算の10~15%程度をバッファとして確保しておくと安心です。予算いっぱいで契約してしまうのは危険です。

信頼できる工務店に事前相談

見積もりの内訳や「含まれていない費用」を丁寧に説明してくれる工務店に相談することが大切です。経験豊富な工務店なら、追加費用が発生しやすい部分も事前にアドバイスしてくれます。

まとめ

家づくりでは、多くの施主が予算オーバーを経験しています。国土交通省の調査からも資金計画が当初通りにいかないケースが多数報告され、民間調査では7割が予算オーバーという数字も出ています。

後悔しないためには、総額で資金計画を立てること・余裕を持つこと・信頼できる工務店に相談することが欠かせません。

「予算オーバーは特別なことではない」ことを理解し、事前準備を徹底すれば、安心して理想の住まいづくりを進めることができます。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

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