マイホームの取得には多大な税金がかかるの?

「マイホームを欲しいとは思わない。」
以前、そうおっしゃったお客様がありました。理由を聞くと「家を買ったら何百万円も税金が必要なんでしょ?」と言われました。
我々プロはマイホームに係る税金のことをわかってはいますが、お客様や一般の方にとっては未知の世界なんだな、と感じたエピソードです。
今回は、マイホームを取得した際に関わる税金について紹介します。
消費税

まずは消費税。少し詳しく書くと「消費税相当額」。実はもっと細かく分かれてくるのですが、一般論として「消費税」が必要になります。
建物代金や工事代金の10%が消費税となります。総額表示が基本なので、金額は消費税税額を含む金額を皆さんは見ることになります。
注意点もあって、不特定多数の人に金額を表示する場合には消費税を含む総額表示は義務なのですが、個別の見積書や請求書は総額表示の対象とはなりません。
トラブルのもとなので、消費税を加算しない見積書を提出する住宅会社はないと思いますが、気になる方はチェックしてみてください。
土地代金には消費税は課税されない
実際の注意点は「土地」を購入する際の土地代金は課税対象ではないことです。消費税は必要ありません。
余談ですが、かなり以前に土地代金に消費税を加算して提案した住宅会社がありました。注意するようなポイントではありませんが、念の為知っておいてもらうと損はないと思います。
固定資産税
よく聞く税金に「固定資産税」が挙げられます。不動産を所有することに対して必要な税金です。
不動産を取得した時から一年に一度、所有する不動産(土地や建物)に課税されます。
固定資産税評価額(売買の金額ではありません)に1.4%を乗じた金額が税額です。
建物の固定資産税は年々金額が下がっていきます。取得後の当初3年までは半額まで控除されるので、4年目で税金が上がることがほとん土なので知っておいてください。
土地の固定資産税は、3年に一度、評価額の見直しがあるので多少の増減があります。
ありがたいことに固定資産税は、固定資産税評価額に直接課税されるわけではなく、課税標準額という少し安く計算した基準額に課税されます。
安さの度合いは所有の不動産によって変わるので一律ではないので、購入検討の不動産があれば調べてみるとおよその割引がわかると思います。
都市計画税
注意すべきは都市計画税です。マイホームを持ったことがない人の中には、初めて聞く人もいらっしゃるでしょう。
一般的に「固定資産税」というと、この都市計画税を含んで表現されることが多いようです。
固定資産税評価額に0.3%を乗じた金額が税額です。
不動産を取得した場合、固定資産税と都市計画税は同時に請求されるので忘れることはありません。また、都市計画税は評価額そのままに課税されますので軽減がありません。
不動産取得税
不動産取得税は、取得することに係る税金です。ですから不動産を取得した際に一度だけ必要となります。
土地、建物の固定資産税評価額に3%を乗じた金額が税額です。
住宅以外の建物の場合は税率4%となります。
またこの税金は実際には計算が難しいのが特徴です。自己居住用、要するに自分自身がその家に住む場合には大きな軽減措置が受けられます。
建物に関して言えば、評価額から1200万円を引いた金額に課税。長期優良住宅など一定条件の建物取得であれば1300万円を差し引くことが可能です。
土地に関しても、その土地の上に建物がある、または建物を建築するのであれば、200m2までの評価額を差し引くことができるという措置があります。
実施にはもう少し細かいのですが、大まかに書くとこのような感じです。
重ねて注意すべきは「自己居住用」という部分。そうでない場合は評価額に丸々税率が適用されますので知っておくと便利です。
また、建物に関しては登記法上の延べ床面積240m2を超えると上記の軽減は受けられません。土地を買って建物を建てる、というような場合、240m2というラインを知っておくと良いでしょう。
まとめ

いかがでしょうか。
ざっとマイホームを購入時の税金を紹介いたしました。戸建てでもマンションでも同様です。
また、親族から資金提供を受けた、相続した、などの要件がある場合には別途税金が発生することもあるので気をつけてください。
一般的にはマイホーム取得時に何百万円もの税金が科されることはないでしょう。実際の計画に沿って計算する、または住宅会社の担当者におよその話を確認すると良いと思います。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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