
室温は高めなのに、窓の近くや足元で「冷気を感じる」ことがあります。
これは単に“空気が冷たい”というより、体感の仕組みとして体の熱が奪われやすい状態になっているケースです。
室温だけで判断しないために、冬に先にチェックしたい「温度(体感に直結する温度)」を初心者向けに整理します。
「冷気を感じる」=体温を奪われている

冬の寒さは、室温だけで決まりません。
人は空気の温度だけでなく、周囲の“冷たさ”や空気の流れでも寒く感じます。だから、温度計が示す数字が悪くなくても、体感としては「寒い」と感じることがあるわけです。
体感は「室温」だけで決まらない
たとえば窓の近くに立つと寒い、ソファに座ると足元が冷える、といった経験はないでしょうか。
これは、体の熱が周囲に奪われたり、冷たい空気が流れてきたりすることで起こりやすい現象です。
「室温がある(適温)のに寒い」は、体感の仕組みを家づくりに活かせていないと起きやすい「ズレ」です。
室内で起きやすい2つのパターン
冷気の原因は、大きく分けると次の2つが多いです。
一つ目は、窓・壁・床などが冷たくて、体の熱が奪われてしまうケースです。冷たい面の近くにいると、じわっと寒く感じやすくなります。
二つ目は、冷たい空気が流れてくるケースです。すき間風のように分かりやすいものもあれば、窓の近くで冷たい空気が下に落ちてくるような、気づきにくい流れもあります。
室温より先にチェックすべき「温度」とは

では、室温より先に何を見ればいいのでしょうか。ポイントは「空気の温度」だけではなく、体に影響する3つの“温度”を意識することです。
①「触れる面の温度」:窓・床・壁が冷たいと寒い
窓ガラスやサッシ、床、外に面する壁などが冷たいと、近くにいるだけで寒く感じやすくなります。
温度計は部屋の平均的な空気温度を示しますが、体は「近くの面が冷たいか」を敏感に感じ取ります。窓際で手をかざしたときに冷たく感じるなら、室温よりも「その面の冷たさ」が体感の原因になっている可能性があります。
②「足元の温度」:上下で差があると寒い
顔のあたりは暖かいのに、足元が冷えると、体感は一気に寒くなります。
吹き抜けがある家や、エアコンの設置場所によっては、上下で温度差が出やすいことがあります。
体感としては「頭だけ暖かい」「足だけ冷たい」状態になりやすいので、足元の冷えが気になる場合は、床付近の感じ方を優先して見てみてください。
③「空気の流れの温度」:冷たい流れがあると一気に寒い
同じ室温でも、冷たい空気が流れてくる場所は寒く感じます。
窓際で冷たい空気が下に落ちるように流れたり、玄関や廊下から冷たい空気が入ってきたりするケースです。
これは温度そのものより「冷たい流れ」が体に当たることが問題なので、風を感じる場所がないかを確認するだけでも切り分けが進みます。
家でできる「冷気チェック」と対策の考え方

いきなり工事の話に飛ばなくても、まずは「どこで冷気を感じるか」をはっきりさせるだけで対策が立てやすくなります。
まずは場所を特定する
冷気を感じる場所を1つ決めてください。窓の前、ソファ周り、キッチンの足元、廊下、玄関などです。
「いつ・どこで・どんな寒さか」をメモしておくと、原因が「面の冷たさ」なのか「流れ」なのかが見えやすくなります。
窓まわりは最優先で疑う
冷気の相談で多いのは、窓まわりです。
窓は外気の影響を受けやすく、面が冷たくなりやすいからです。まずは「窓の近くだけ寒いのか」「カーテンを閉めると和らぐのか」を確認してみてください。
窓の内側でできる対策は、体感の改善につながりやすいことがあります。
空調は「温風を当てる」だけでなく「循環」を意識する
エアコンは空気を暖める力が強い一方、冷えやすい場所に冷気が溜まると、室温だけ上がっても体感が追いつかないことがあります。
温風を当てるだけではなく、部屋全体の空気が回るように工夫できると、寒さのムラが減りやすくなります。
まとめ

- 冷気を感じるのは、室温だけでなく「周りの面」「足元」「冷たい流れ」で体感が下がるからです。
- 室温より先に、触れる面の冷たさ・足元の温度差・冷たい流れの有無をチェックすると原因が見えます。
- 対策はまず「場所の特定」→「窓まわり」→「循環」の順で考えると整理しやすいです。
まずは今日、窓際と足元で「どこが冷えるか」を1つ見つけてみましょう。原因の切り分けができると、住まいづくりで検討しやすくなります。
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この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
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