
「住み心地のいい家にしたい」という言葉は、家づくりを考える多くの人が口にします。
ただ、その中身を具体的に聞いてみると、意外と答えは人それぞれです。最近は「高性能住宅=住み心地がいい家」というイメージも広がっていますが、本当にそれだけで決まるのでしょうか。
ここでは、あえて答えを急がず、「住み心地とは何か」を考えてみたいと思います。
住み心地の正体は、人によって違う

住み心地には、誰にでも共通する部分と、個人差の大きい部分があります。
室温や湿度、光熱費といった数値で測れる快適さは、比較しやすく分かりやすい指標です。一方で、室内の音の響き方や空気感、素材に触れたときの感覚などは、数値にしにくいものの、日々の暮らしに大きく影響します。
同じ家に住んでも「快適だ」と感じる人と「どこか落ち着かない」と感じる人がいるのは、このためです。暑がりか寒がりか、家で過ごす時間の長さ、何を大切にしたいかによって、住み心地の感じ方は変わります。
「高性能=住み心地がいい」は本当か

高性能住宅が評価される理由ははっきりしています。
冬は寒くなりにくく、夏は暑くなりにくい。光熱費も安定しやすく、快適さが分かりやすい点は大きな魅力です。こうした性能が、暮らしを支えているのは間違いありません。
ただし、数値上は問題がなくても、「なぜか落ち着かない」「長くいると疲れる」と感じる人がいるのも事実です。
これは性能が足りないというより、空気の質感や素材感、空間の雰囲気が、その人の感覚と合っていない場合に起こりやすいものです。住み心地は、性能だけで完結するものではありません。
自然に暮らせる家という考え方

ここで一つの視点として、「自然に暮らせる家」を考えてみます。
これは、特別な工夫や努力をしなくても、日常が無理なく回る家のことです。操作が複雑でなく、管理に追われることもなく、気づけば快適な状態が保たれている。そんな暮らし方は、多くの人にとって理想ではないでしょうか。
体感や感覚は、この「自然さ」を支える要素です。室内の空気がやわらかく感じられること、触れる素材に違和感がないこと、なんとなく居心地がいいと感じること。こうした感覚は、住んでみて初めて分かる部分も多く、数字だけでは語れません。
性能か、感覚か、ではなく「自分は何を求めているか」

家づくりで大切なのは、性能か感覚かという二択にすることではありません。
高性能であることが安心につながる人もいれば、素材感や空間の雰囲気を重視したい人もいます。どちらが正しいという話ではなく、自分にとって何が心地よいのかを知ることが重要です。
家は、正解を探すためのものではありません。他人の評価や流行に引っ張られすぎず、「どんな時間を過ごしたいか」「家で何を大切にしたいか」を考えることが、住み心地のいい家への近道になります。
まとめ

住み心地のいい家に、唯一の正解はありません。
高性能であることは大切ですが、それだけで決まるものでもありません。体感や感覚も含めて、自分に合った心地よさを見つけることが大切です。
2026年の家づくりでは、数値や性能の先にある「自分にとっての住み心地」を、あらためて考えてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
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