
家づくりや住まいづくりを終え、いざ住み始めてから聞こえてくる声があります。
「間違ってはいないはずなのに、なんだか落ち着かない」
「想像していた暮らしと、少し違う気がする」
大きな失敗ではないけれど、じわじわと違和感が積み重なる。これは、決して珍しいことではありません。
住み始めてから気づきやすい“ズレ”の正体を整理し、なぜその違和感が生まれるのかを探ってみましょう。
なぜ「思っていた暮らしと違う」と感じてしまうのか

完成前は「暮らし」ではなく「情報」を見ている
家づくりの打ち合わせ中は、図面・性能数値・写真・設備の説明など、どうしても「情報」を基準に判断します。
しかし実際の暮らしは、数字や写真ではなく「毎日の行動の積み重ね」。完成して初めて、“情報と生活の違い”に気づきます。
理想のイメージが「誰かの暮らし」になっている
SNSや施工事例はとても参考になります。
ただし、そこに写っているのは、投稿したであろうその家族にとっての最適解。
自分たちの生活リズムや性格と完全に一致するとは限りません。
「いいと思って採用したけど、うちには合わなかった」
このズレが違和感につながります。
住み始めてから気づきやすい「違和感」の正体

① 動線は間違っていないのに、落ち着かない
家事動線や回遊動線は合理的。
しかし、常に人が通る場所にリビングがあると「なんとなく気が休まらない」ことがあります。
動線の良さ=居心地の良さとは限らないのが難しいところです。
② 広さは十分なのに、くつろげない
LDKの広さや帖数は足りている。なのにスッキリとしない場合、原因は「使い方」や「居場所のつくり方」にあります。
・家族が集まる場所なのか
・静かに過ごす場所なのか
役割が曖昧だと、居心地も曖昧になります。
③ 便利なはずの設備が、負担になる
高性能な設備や最新機器。
便利なはずなのに、掃除・操作・管理が面倒に感じることもあります。
暮らしの負担は、「使う頻度」と「手間」のバランスで決まります。
「間違い」ではなく「合っていなかった」だけ

ここで大切なのは、この違和感は失敗ではないということ。
性能も間取りも、決して間違っていない。ただ、自分たちの暮らし方と少し合っていなかっただけかもしれません。
多くの場合、家そのものより「考え方のスタート地点」に原因があります。
ズレを減らすために大切な視点

「どう暮らしたいか」を言葉にする
・どこで一番長く過ごすか
・静かにしたい時間はいつか
・家族と集まりたい距離感はどれくらいか
こうした感覚的なことをできるだけ言葉にすることが大切です。
正解を探すより、自分たちを基準にする
家づくりに「正解」はありません。あるのはその家族にとって合うかどうかだけ。
情報を集めるほど迷うときは、一度「自分たちはどう暮らしたいか」に立ち返ってみましょう。
まとめ|違和感は、暮らしを見直すヒント
「思っていた暮らしと違う」と感じることは、決して後悔ではありません。
それは、自分たちの暮らしをもう一段深く考えるためのサインです。住まいは完成して終わりではなく、暮らしながら整えていくもの。
この気づきが、これから家づくり・住まいづくりを考える方にとって参考になれば幸いです。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
住まいづくりで悩む方々へ
「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
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いい家を建てたいなら、
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