インターネットで住宅設備を購入すると、価格が抑えられることから「自分で買ったほうが得」と感じる方も多いかもしれません。

しかし、実際の現場では、届いた商品が取り付けられないケースが少なくありません。見た目は同じように見えても、規格やサイズ、施工条件が合わないと設置できないことがあるためです。

ネット購入品が取り付け不可になる典型的な理由と、事前に確認すべきポイントについてわかりやすく解説します。

ネット購入した住宅設備が取り付けできない主な理由

ネット購入でのトラブルは、「安いから選んだ」ことよりも、「仕様確認不足」が原因となることがほとんどです。

まずは、現場で実際に多い取り付け不可の理由を整理します。

規格やサイズが既存設備と合わない

設置できない理由としてもっとも多いのが、寸法や規格の不一致です。

照明であれば引掛けシーリングではなく直結だったり、輸入商品で電圧の不具合など。水栓であれば穴径や配管の位置が異なる場合があります。

特に海外製品は日本の住宅規格と異なることが多く、取り付けるには別途工事が必要になったり、場合によっては工事自体ができなかったりします。

開口寸法や設置金具の仕様は、見た目だけでは判断できないため注意が必要です。

電気・水まわりは“工事が前提”の商品が多い

照明や換気扇は、電気工事士による配線工事が必要な商品が多数あります。

見た目は簡単に取り付けられそうでも、資格が必要な作業が含まれているわけです。また、水栓金具も同様で、既存配管が古かったり接続規格が異なると、交換だけでは済まず配管工事が必要になることがあります。

ネットの商品説明では施工条件が分かりにくいため、購入者が気づかないまま注文してしまうことが多い分野です。

壁・天井の下地が足りない

棚や手すり、重い照明などは、取り付けるための“下地”が必須です。

しかし、ネットで販売されている商品には「下地条件」が詳細に書かれていないことも。実際の現場で設置しようとしたら石膏ボードしかなかった、といったケースも多く、十分な耐荷重が確保できず取り付けできないことがあります。特に重い物ほど下地不足が問題になります。

トラブルが多い住設アイテムの具体例

フィラメント

ここでは、現場で実際に「取り付けできない」となりやすい代表的な設備について詳しく見ていきます。

照明器具

「引掛けシーリングで付くと思って買ったのに、工事が必要だった」というケースは非常に多く見られます。

特に直付け式の照明やブラケットは工事前提の商品がほとんどで、既存の配線を確認しないまま購入すると失敗するケースが。

また、海外製照明は金具の型や電圧が違ったり、下地が必要だったり、開口や配線を伸ばす必要があるなどそのまま設置できないことが多くあります。

水栓金具・シャワー器具

キッチンや洗面の水栓は口径の違いによって取り付け可否が変わります。

既存の位置と合わない場合は配管工事が必要となり、想定以上の費用がかかることもあります。

古い住宅では配管の規格自体が異なることもあり、「取り付け不可」となる場面も多くあります。

換気扇・レンジフード

換気扇は、取り付けサイズや下地の有無、ダクトの径が既存設備と合わないと交換できません。

商品ページだけでは細かな寸法が分かりにくく、現場で確認すると一致しないケースがよくあります。レンジフードは特にサイズとダクト位置の確認が重要で、誤発注して返品できず無駄になる例も見られます。

購入前に確認すべきポイント

ネット購入での失敗を防ぐには、事前の確認が何よりも大切です。

設置環境の採寸と既存設備の規格チェック

開口寸法、穴径、電源の有無、取付金具の種類などを細かく確認することで、誤発注を防ぎやすくなります。写真だけで判断せず、できれば施工予定の業者に見てもらうと安心です。

商品ページの“工事条件”を必ず読む

「要電気工事」「専門業者推奨」「下地が必要」などの表記は見落としがちですが、取り付け可否を左右する重要な情報です。

表示が曖昧な場合は、メーカーに問い合わせるのも効果的です。

施工業者への事前相談

施主支給を受け付けている業者でも、商品によっては施工を断る場合があります。

事前に相談しておくことで、取り付け不可や追加費用の発生を避けることができ、結果としてスムーズな工事につながります。

まとめ

ネット購入の住宅設備は手軽で安く見えますが、取り付けができないというトラブルが発生すると、返送や買い替えでかえって高くつくことがあります。

規格の不一致、工事前提商品、下地不足が典型的な原因で、どれも事前確認によって防ぐことができます。購入前に採寸や施工条件を丁寧にチェックし、不安な場合は業者に相談することで、失敗の少ない賢い選択につながります。

まずは「設置まで含めて商品を選ぶ」という視点を持つことが大切だと思います。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
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あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

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