
DIYは住まいを自分の手で改善できる魅力がありますが、安全への配慮が不足すると、思わぬ事故につながることがあります。
特に道具の使い方や脚立作業、塗料の揮発成分などは、初心者が見落としやすいポイントです。この記事では、DIYで起きやすい事故例と、安全に作業するための基本的な注意点をわかりやすく解説します。
DIYで起こりやすい事故の背景
DIYの事故は、「慣れていない」「知識が少ない」といった理由だけでなく、周囲の環境や準備不足も重なって発生します。まずは、どのような場面でリスクが高まるのかを理解しておきましょう。
道具の知識不足による事故
DIY経験が浅いほど、道具の特性を深く理解しないまま作業してしまう傾向があります。
カッターやのこぎりは力の入れ方や刃の向きを誤るとケガをしやすく、電動工具はスイッチの入れ方や固定が不十分なまま使用すると大きな事故につながります。
メーカーが示す使用手順や注意事項を確認し、道具ごとの安全な構え方を覚えておくことが大切です。
作業姿勢・周囲環境の整備不足
DIYは集中しやすい作業ですが、足元や周囲が片付いていないと転倒の危険が高まります。
狭い場所で無理な姿勢を取ったり、不安定な足場のまま作業したりするのも事故のもとです。作業を始める前に道具や材料を整理し、安全に動けるスペースを確保しておきましょう。
具体的に多い事故例と注意ポイント

ここでは、DIY初心者が特に経験しやすい3つの事故例を取り上げ、それぞれの注意点を整理します。
脚立の転倒・落下事故
脚立を十分に開いていないまま使用したり、斜めの床に置いたりすると、転倒の危険があります。
また、高い場所で作業中に「もう少し手を伸ばせば届く」と無理をすることも、バランスを崩す典型的なパターンです。脚立は必ず水平な場所に置き、ぐらつきがないかを確認してから使用しましょう。
作業時は無理な姿勢を避け、必要であれば一度降りて脚立の位置を変えることが大切です。
塗料や接着剤の揮発成分を吸い込むリスク
塗料や接着剤には、揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる成分が含まれる場合があります。
特に油性塗料はにおいが強く、換気不足の状態で使用すると、頭痛やめまいを起こすことがあります。作業する場所の窓を開けて換気ルートを確保し、必要に応じてマスクを着用しましょう。
このめまいが原因で脚立から落ちる、という事故もあります。
塗布後の乾燥時間も十分に取り、室内に長時間とどまらないようにすることが安心につながります。
電動工具の誤使用によるケガ
ドライバー、ジグソー、グラインダーなどの電動工具は、初心者でも扱いやすい反面、少しの油断で指先を挟んだり、刃が跳ねたりと大きな事故につながることがあります。
軍手や着ている服が巻き込まれるケースも多いため、作業内容によっては手袋や服装の種類を選ぶことが必要です。材料をしっかり固定し、保護メガネを着用するなど、基本的な安全対策を徹底しましょう。
DIY作業を安全に行うための基本ルール

事故を防ぐためには、難しい技術よりも「基本を丁寧に行うこと」が重要です。ここでは、すぐに取り入れられる安全対策を紹介します。
事前準備と作業計画を立てる
どの道具を使い、どの順番で作業するかを事前にイメージしておくと、無理のない流れで作業できます。
周囲に子どもやペットが入らないように配慮し、材料や工具は手に届きやすい場所に整理しておきましょう。時間に余裕があるほど、焦りによる事故を防げます。
保護具を正しく使う
手袋・マスク・保護メガネは、怪我や健康被害を防ぐための基本アイテムです。
「短時間だから大丈夫」と思ってしまう場面でも、保護具の着用が事故を未然に防ぎます。また、滑りにくい靴や作業しやすい服装にすることも、安全作業の大切なポイントです。
迷ったら無理をせず、専門家に相談する
DIYで対応できる範囲には限界があり、高所作業や電気・水まわりの工事はリスクや資格が必要になる分野です。
少しでも不安があれば、自分で無理をせず専門家に相談することで、事故を予防し安心して住まいを整えることができます。
まとめ
DIYは工夫次第で住まいを快適にできる魅力がありますが、道具の扱い方や作業環境の不備が事故につながることを忘れてはいけません。
特に脚立の転倒、塗料の揮発成分の吸い込み、電動工具の誤使用は発生しやすいトラブルです。事前の準備や保護具の着用を徹底し、無理をせず必要な場面で専門家に依頼することで、安全なDIYを楽しむことができます。
まずは身近な作業から、安心できる環境づくりを心がけてみましょう。
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この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
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