みなさんこんにちは。京都市西京区で自然素材の家づくりを手がける「あまねこう」です。

中古住宅を購入するとき、立地や価格に注目するのは当然のこと。しかし、将来のリフォームや建て替えで思わぬ出費につながる「アスベスト問題」をご存じでしょうか。

購入時に見落とすと、数十年後に数百万円規模の解体費用がかかることもあり、資産価値にも大きく影響します。

京都市や京都府内には、戦後から昭和40年代にかけて建てられた住宅がまだ数多く残っています。その中にはアスベストを含んだ建材が使われているケースもあり、購入後に「想定外の出費が発生した」と後悔する方も少なくありません。

今回は、京都で中古住宅を購入する方に向けて、アスベストと建て替え・リフォームのリスクについて詳しく解説します。

アスベストとは?購入前に知るべき基本知識

アスベストは天然の鉱物繊維で、耐火性・断熱性・耐久性に優れていたため、1970年代まで建築材料として広く使用されていました。

  • 外壁材
  • 屋根材(スレート)
  • 天井材
  • 床のビニールタイル

こうした建材にアスベストが含まれている場合があります。また建材を貼るための接着剤に混入されていることもありました。

しかし、後に肺がんや中皮腫といった健康被害が明らかになり、日本では2006年に全面的に使用が禁止されました。

つまり、築40年以上の住宅を購入する場合、アスベスト含有の可能性があると考えるべきです。

見た目では判断できないため、専門調査を行わない限り「あるかないか」はわかりません。中古住宅購入の際に事前調査をしておくことが重要です。

解体やリフォームでの思わぬ費用負担

解体費用が通常の2倍以上に膨らむことも

アスベストが含まれる建材を撤去する場合、通常の解体工事では済まず、専門業者による飛散防止措置と廃棄処理が必要です。そのため、解体費用が数百万円規模に膨らむケースもあります。

例えば、木造2階建て30坪程度の住宅を解体する場合、通常であれば150~200万円前後で済むことが多いですが、アスベスト含有が判明すると300万円を超えることも珍しくありません。

リフォーム計画が進められなくなる可能性

内装リフォームの際に壁や天井を撤去したらアスベストが見つかり、追加工事が必要になった…という事例もあります。

「予算が合わず工事を断念」
「予定より数か月遅れてしまった」

といったトラブルは、購入前にリスクを理解していないと起こりやすいのです。

京都でよくある中古住宅の実情

京都は歴史のある街だけに、築50年以上の木造住宅や、昭和40年代に建てられた住宅が多く残っています。

狭小地や連棟住宅も多く、解体の際には近隣への配慮や追加費用が必要になることもあります。

特に市街地の中古住宅は「立地が良いから」と購入を決めがちですが、いざリフォームしようとするとアスベストが原因で思った通りに改修できない場合もあります。

「京都で中古住宅を買う」=「そのまま住む」だけでなく、将来の建て替えやリフォームまで想定しておく必要があるという点をぜひ覚えておいてください。

将来の資産価値への影響

アスベストが残る家は、単に解体費用が高くつくだけでなく、資産価値にも影響します。

  • 将来的に売却するときに買い手がつきにくい
  • 価格が下がりやすい
  • 「負の遺産」となり相続時にも揉める原因になる

購入時に「安いからお得」と思っても、将来的な資産価値を考えると決して得とは言えません。

京都市・京都府の補助制度を確認する

京都市や京都府では、アスベスト除去や調査に対する補助制度が用意されることがあります。

  • 調査費用の一部補助(上限あり)
  • 除去費用の助成(最大で工事費の2/3を補助する制度も)

年度や条件によって内容は変わるため、購入前に行政の最新情報をチェックしておきましょう。

補助制度をうまく活用すれば、想定外の負担を軽減できる可能性があります。

中古住宅購入前に押さえておきたいチェックポイント

  • 専門業者によるアスベスト調査を依頼する
  • 解体やリフォームの概算見積もりを取っておく
  • 京都市・府の補助制度を調べておく
  • 将来の資産価値まで見据えて判断する

これらを行うことで、購入後の「こんなはずじゃなかった」という後悔を大幅に減らせます。

まとめ

中古住宅購入は、立地や価格だけでなく、将来のリフォーム・建て替えのしやすさを視野に入れて判断することが大切です。

アスベスト問題はその代表例。購入前に調査を行い、補助制度の活用も検討すれば、安心してマイホームを手に入れることができます。

あまねこうでは、自然素材を使った住まいづくりを中心に、京都ならではの建築事情にも精通しています。また代表の中川はアスベストに関して建築物石綿含有建材調査の資格を保有しています。

中古住宅の購入やリフォームについて不安がある方は、ぜひご相談ください。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

住まいづくりで悩む方々へ

「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」

いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。