寝室の広さは8帖という神話

「寝室は8畳必要です」
「子供部屋は6畳で」
間取りの打ち合わせの際、部屋の広さの要望で上記のようなお言葉を何度も何度も聞いたことがあります。
なんとなく寝室の広さが8畳という定説が広がった感じがしますが、本当に寝室は8畳がベストなのでしょうか。
使いやすい寝室の広さとは

結論から書くと、「ベストな寝室の広さとは目的によって変わる」、です。
例えば、寝室では寝るだけで荷物を置くこともない。家具も置かない、という方であれば広くする必要もなく、寝室を小さくした分だけ他の部屋や収納に広さを譲ることも可能です。
逆に、子育て世代でまだまだお子さんと一緒に寝るというスタイルであれば、広くないと使いにくいかもしれません。キングサイズのベッドを2台並べるという施工事例もあります。
このように寝室の広さを考える際はまず生活スタイルをしっかりと見据える必要があります。
子育て世代の寝室の考え方
寝室を広くしたわけじゃないけど、こどもが幼少のうちは一緒に寝る、という要望はよくお聞きします。こんな時は和室があると便利なことも。
幼少の頃は和室に家族分の布団を並べ就寝し、お子さんが一定の年齢に達してから寝室を利用するという方法です。
このパターンで就寝している方も多く、このやり方なら必要な広さの部屋にすることができるので合理的。無駄に広い部屋を作らないで済むわけです。
狭い寝室を作るメリット

反対に狭い寝室を作るケースはあるのでしょうか。実は意外とそのような寝室の作り方が有効な場合があります。
シニア世代の寝室の作り方です。シニアになると、様々な理由で夫婦も別室で就寝しているという方も多くいらっしゃいます。ベッドなど必要最低限の広さで、完全に分離してしまい「寝る」ということに集中して部屋作りをするのです。
照明や内装も落ち着いて眠れるように配慮するなど、こだわるべきポイントを押さえると狭くても快適にお休みになっていただけます。
また完全分離ではなく、目線を遮るくらいの間仕切りのみ設置し空間はつなげる。こうすると人の気配は適度に感じて、かつプライバシーに配慮した空間を作れます。
照明に凝ると面白い空間も作れます。自分のスペースだけ明るくして相手方は暗くして就寝する、というような間取りも可能です。
さらに高齢者層には使いやすい間取りになり、万が一際に備えての声がけなどもわかりやすいことがメリットです。
まとめ

以上のように、「寝室は8帖がベスト」と断定する理由はありません。マイホームを建てる、リフォームをする、というタイミングで後々の暮らし方をどこまで想定できるかが快適な寝室を作るポイントとなります。
新築の場合は、後年のリフォームを見据えて間取りを考えるのも良いと思います。リフォームであれば後々の暮らし方をシミュレーションして寝室を考えるのがポイントです。
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この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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