新築の家に住み始めて、ピカピカの床や壁に最初のキズが付いた時の心痛は、多くの方が経験されているのではないでしょうか。
家具の移動や日常生活の中で、思いがけずキズが付いてしまうことは珍しくありません。
しかし、適切な予防措置を講じることで、新築時の美しさを長く保つことが可能かもしれません。今回は、効果的なキズ予防の方法について詳しくご説明していきます。
床材別の予防対策
床材によって適切な予防方法は異なります。
それぞれの特性を理解し、適切な対策を講じることが重要です。
フローリングの予防対策
フローリングは木材でできているため、傷つきやすい特徴があります。
特に、硬いものを引きずったり、重い家具を直接置いたりすることで傷がつきやすいとされています。
予防には、家具の脚にフェルトを貼ることが効果的です。
頻繁に掃除機をかけることで小さな砂や埃による傷を防ぐことができますが、掃除機の車輪で傷が付く可能性もあるため、持ち上げて移動させるなどの注意が必要です。
また、フローリングの種類によっては、ワックスがけが必要なものもあります。
クッションフロアの予防対策
クッションフロアは比較的傷つきにくい素材ですが、重いものを引きずったり、鋭利な物や硬いものが直接触れたりすることで傷つく可能性があります。
予防としては、家具を移動させる際には必ず持ち上げること、また床面に直接触れる可能性のある物には保護材を取り付けることが推奨されます。
畳の予防対策
畳は和の住まいの象徴的な床材ですが、重いものを置いたままにすることで凹みができやすい特徴があります。
これらの対策として、重い家具の下には専用の畳保護マットを敷くことが効果的です。
壁材別の予防対策
壁材の種類によって必要な予防対策は変わってきます。
適切な対策を行うことで、美しい壁面を保つことができます。
クロスの予防対策
壁紙(クロス)は最も一般的な壁材ですが、家具との接触や子どもの遊び道具による傷つきが起こりやすいものです。
特に子ども部屋では、下半分に注意を払う必要があります。
壁に家具が当たりそうな場所には、透明な壁面保護シートを貼ることで傷を防ぐことができるでしょう。
透明な壁面保護シートは、剥がす際にクロスが一緒に剥がれてしまう可能性もあるため注意が必要です。
塗り壁の予防対策
塗り壁は独特の風合いが魅力ですが、衝撃に弱い特徴があります。
特に出隅部分は傷つきやすいため、どうしても気になる人はコーナーガードの設置が推奨されます。
また、壁に物が当たりやすい場所には、適度な距離を確保することが大切です。
生活習慣での予防策
日々の生活の中での心がけが、キズ予防には最も重要かもしれません。
些細な習慣の積み重ねが、家の美しさを保つ鍵となります。
家具の配置と移動時の注意点
家具の配置を決める際には、壁との距離を十分に確保することが重要です。
また、移動の際には必ず持ち上げることを習慣づけましょう。
重い家具の移動時には、必ず複数人で作業を行うことで、床や壁への負担を軽減できる可能性があります。
大型家具、特に重量のあるものは、無理に自分で動かそうとせず、専門業者に依頼する方が安全で確実です。
日常的な清掃の重要性
小さな砂や埃が床材との摩擦で傷の原因となることがあります。
定期的な掃除機がけやモップ掛けにより、これらを除去することで傷の発生を防ぐことができるでしょう。
特に玄関周りは、外からの砂や小石が持ち込まれやすいため、念入りな清掃が推奨されます。
まとめ
新築の家の美しさを長く保つためには、床材や壁材の特性を理解し、適切な予防対策を講じることが大切です。
また、日々の生活における心がけも重要な要素となります。
必要な予防措置を講じることで、新築時の輝きを長く保つことができるでしょう。
定期的なメンテナンスと合わせて、これらの予防策を実践することで、より快適な住まい作りが可能となるかもしれません。
また、床や壁は傷が付くものだと認識することも大切です。そういうものだと知っていれば、過度にストレスを溜め込むことなく、気持ちにゆとりを持って暮らせると思います。
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この記事を書いた人
中川 高士:あまねこう代表
営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。
業界経験は28年を超える。
実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。
2023年に独立。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。
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